【浄瑠璃寺三重塔】平安時代に建立された国宝建築は秘仏の薬師如来を祀る

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浄瑠璃寺三重塔とは?

浄瑠璃寺の三重塔は、浄瑠璃寺の境内の東端部、境内中央に広がる浄土式庭園を見下ろす高台に位置する仏塔であり、国宝に指定されています。

建立年代については、当初からこの浄瑠璃寺に建立された訳ではなく平安時代末の1178年(治承2年)に京都一条大宮から移築されたとの記録が残されています。

しかしながら、元々立っていた寺院の名前などが不詳となっているため、正確な建立年代は判明していません。もっとも、建築様式としては平安時代後期の特徴などが見受けられることから、移築される前の歴史は比較的浅く、平安時代後期頃の建築であると推定されています。

三重塔は高さ16mほどであり、奈良市内であれば興福寺の三重塔(高さ19m・平安時代)や、近くであれば岩船寺の三重塔(室町時代・高さ21mほど)と比較してもかなり小ぶりな三重塔となっています。

建築構造としては、初層には塔を支える「心柱」がなく、初層の天井より上層のみに心柱が設けられた形となっています。

初層の中央部が広々とした空間として機能しているため、仏像を安置しやすい環境であり、初層には創建当初の本尊である「薬師如来坐像(重要文化財)」をお祀りしています。

また初層内部の壁面には十六羅漢像・八方天立像などの仏画が描かれており、こちらも重要文化財に指定されています。

浄瑠璃寺三重塔の風景

浄瑠璃寺の境内の東端部、浄土式庭園や金堂のあるエリアを見下ろす高台に位置する国宝の三重塔。

塔へは急な石段を利用していくことになりますので、上り下りの際にはには足元に十分ご注意下さい。

三重塔は高台に位置し、同じ高さから望むことが出来る場所が限られているため、塔の全体像はやや見えづらくなっています。

浄瑠璃寺三重塔

平安時代末に平安京一条大宮から移築されたとされる三重塔。

現在の京都には平安時代にルーツを持つ仏塔は醍醐寺五重塔などを除き残されていませんが、この浄瑠璃寺の五重塔は貴重な平安時代の京都ゆかりの木造建築物となっています。

塔は高さ16mほどと小ぶりな造りとなっていますが、美麗な色彩・状態の良さもあいまって浄瑠璃寺を象徴する存在となっています。

旧浄瑠璃寺本尊である木造薬師如来坐像などは、通常時は開扉されていません。

三重塔の前からは、浄土式庭園と本堂を望む風景をご覧頂けます。

三重塔の姿は、庭園を構成する大きな池沿いからもご覧頂けます。

その他基本情報・交通アクセス

・三重塔は、浄瑠璃寺の境内東側(境内入口から左手に進む)に位置します。

・浄瑠璃寺は本堂内陣の拝観に限り拝観料が必要となります。三重塔周辺を含む境内散策の場合、拝観料は必要ありません。

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周辺地図

三重塔は、浄瑠璃寺境内の東端にあります。