奈良「東大寺」の「混雑状況」について(時間帯別・通常時・繁忙期・お正月・お水取り開催時など)

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奈良で最も多くの観光客が集まる一大観光地である世界遺産「東大寺」。

東大寺は奈良はおろか、日本国内でもトップクラスの観光客数を誇る空間となっているため、京都の有名観光地のような「混雑」が発生するのではないか。と気になる方も多いかもしれません。

こちらでは東大寺の混雑状況について時間帯ごと・時期ごと・境内の各スポットごとに見て行きたいと思います。

一部を除き極端な混雑はなし

東大寺の「混雑」を考える上で、「大前提」として知っておきたいこと。

それは東大寺の境内が非常に広いので、お寺の全体として見れば「極端な混雑」はまず見られないという事です。

後ほど各シーズン・各スポットごとの状況をご案内する中では、南大門・大仏殿方面への参道沿いが非常に混雑すること、また一部の多客期のみ「大仏殿」の入堂待ちの列が伸びるというようなことも解説していきます。

いつでも混雑している南大門・大仏殿へ向かう参道沿い

しかし、どんなに一部スポットが混雑する場合であっても、広いお寺の境内の大半は観光客が見られるとは言え、比較的落ち着いた環境が広がっています。

そもそも移動可能な敷地がそれほど広くない、境内の移動ルートが限定されているような観光スポット(奈良では春日大社など)であれば混雑を避けることは出来ません。

一方、東大寺のように「大仏殿」が最大の見所とは言え、奈良公園と一体化した境内をじっくりと散策可能になっている・アクセスルートが多数ある空間であれば、「どこへ行っても人混み」という事にはなりません。

大仏殿の北側・裏手は静かな環境が広がる

「駅やバス停から大仏殿までの往復」で観光を済ませる場合は、「混んでいる」イメージだけになってしまいますが、境内の広い範囲を観光される場合は「混んでいる東大寺」に留まらない魅力を発見できるのが、東大寺の実に良いところと言えるのです。

当然ながら『雨の日』は混まない

観光地と呼ばれる場所であれば、どこでも同じことですが、東大寺についても当然ながらその混雑状況は「天気」に左右されます。

特に奈良公園や春日大社周辺など、屋外を散策することがメインとなる「奈良観光」は天候の影響を非常に受けやすく、1日中雨が降るような天気であれば土日祝日・観光シーズンであっても混雑はかなり緩和されます。

雨の程度にもよりますが、大仏殿や東大寺ミュージアムなどのみをご覧頂くのであれば、雨で比較的観光客が少ない日を選んで訪れるというのも一つの選択肢と言えるでしょう。

1日の中での混雑状況は(時間帯ごと)?

各シーズンごとの混雑状況をご案内する前に、一般論として、拝観時間内における「時間帯ごと」の混雑状況を見て行きます。

混雑を回避するならもちろん「朝」

観光シーズンであっても、通常の平日であってもとにかく静かに拝観・参拝できるのは「朝」の時間帯となります。

例えば、東大寺大仏殿は時期により開門時間が異なりますが、夏であれば朝7時30分から拝観可能となっています。

拝観開始時刻頃に合わせて行けば、特に何もない平日などであれば、場合によってはかなり人が少ない状況で拝観することが可能です。

早朝の南大門前は静寂が広がる

また、午前10時ごろまでは奈良の観光客向け店舗の多くは営業しておらず、京都や大阪で宿泊して奈良観光に訪れる方も余りやって来ませんので、比較的静かな環境で拝観することが可能です(観光シーズン・土日祝日は混雑開始がやや早まることもあります)。

なお、拝観時間に関しては大仏殿・法華堂をはじめとする「有料」のスポットの堂内拝観などのみに設定されており、境内を自由に散策する分については24時間いつでも可能です。

10時以降から次第に観光客が増加

観光客の増加は、午前10時頃から本格化し始めます。

もっとも、午前中に観光客数のピークが訪れることは余りないように思われますが、11時頃になれば、「大仏殿・南大門周辺の観光客数」はそれなりのものになります。

なるべく静かに参拝したいのであれば、出来れば10時より前、それが無理であっても11時までには東大寺を訪れることがおすすめです。

正午~16時ごろは最も混雑

混雑のピークとなるのは午後の時間帯、主に正午~16時頃となります。

この時間帯には平日でも大仏殿・南大門周辺は混雑し、修学旅行生や団体観光客などもいる場合はより一層のにぎわいを見せます。

大仏殿周辺は年間を通して観光客が多い

もっとも、先に述べたように境内は広い上、南大門周辺の参道も太い道ですので、通行が難しくなるほどの人混みになることはまずありません。

拝観終了時刻について

東大寺大仏殿は、4~10月は17時30分・11~3月は17時が拝観終了時刻となります(他の諸堂などはより早い時間の場合があります)。

混雑については、拝観終了時刻が近づいても朝のようにほぼ無人に近い環境になる訳でもなく、比較的拝観者は多い状態が続きますので、午後4時以降などの遅い時間だからといって静かに参拝できるとは限りません。

なお、東大寺周辺の人の流れは、拝観終了時刻を過ぎてから急速に減っていき、日没が早い時期であれば18時頃には人影もまばらな状態になります。

但し、大仏殿などの拝観時間は終了している上、季節によっては暗さにより仏堂の姿は見えにくく「散策に適した状況」とは言えません。

静かに拝観・参拝・散策したいのであれば、夕方ではなく日の出以降の朝の時間帯がおすすめと言えるでしょう。

通常の平日(観光繁忙期以外)の状況は?

大仏殿は観光客は多いものの、待ち時間が生じるようなことはほぼありません。
二月堂、法華堂(三月堂)、東大寺ミュージアムなどの主要名所概ね落ち着いた環境で参拝、拝観することが可能です。
・修学旅行生や団体客については時期や時間を問わず見られる場合がありますので、一時的に混雑する可能性はあります。
・境内の散策は通年人の多い大仏殿、南大門周辺を離れれば、概ね昼間時でも静かな環境で散策して頂けます。

通常の土日祝日(観光繁忙期以外)の状況は?

大仏殿については、概ねスムーズに拝観可能ですが、まれに多少の待ち時間が生じる可能性があります。
二月堂、法華堂(三月堂)、東大寺ミュージアムなどの主要名所は団体客などが見られるケースを除き、概ね落ち着いた環境で参拝、拝観することが可能です。
・団体客の有無を問わず、大仏殿や南大門周辺はかなり大勢の観光客が見られます。

観光繁忙期(春・秋の連休等)の状況は?

「大仏殿」及び「南大門」周辺に関してはかなりの混雑が見られますが、拝観が困難になることは少なくなっています。但し、大型連休の中日などの一部時間帯には「入堂待ち」の列が拝観受付から一定距離延びる場合もあります。
・二月堂、法華堂(三月堂)、東大寺ミュージアムなどについては大きな混雑に見舞われることはほぼありませんが、どこへ行っても一定数の観光客がいますので、静かな環境の中で拝観できるとは言えません。
・通常は誰もいないことも多い「講堂跡」などの穴場スポットであってもある程度観光客が見られる場合があります。

お正月期間の状況は?

お正月期間の拝観時間などについての最新の状況は東大寺様の公式情報をご確認下さい。

・初詣に関しては春日大社がメインですが、元日の0時に大仏殿が無料開放されるということもあり、0時前になると大仏殿〜南大門周辺に長い参拝待ちの列が見られます。
元日0~8時の大仏殿の無料開放時間については、とりわけ0時の開放直後はかなりの人出が見られます。
・その後3が日にかけての日中時間帯は一定程度の混雑であり、人出は多いですが問題なく拝観して頂けます。

「修二会(お水取り)」期間の状況は?

お松明などの儀式については、新型コロナウイルスなどの影響により、見学(拝観)に関する状況が変化している場合がありますのでご注意下さい。最新の状況は東大寺様の公式情報をご確認下さい。

・「お松明」が開催される二月堂周辺は、クライマックスの12日以外でも開催数時間前から人が多くなり、1時間前からはかなりの人でごった返します。
最も混雑する(お松明の時間が長い)12日については昼間から観光客が少し多めとなる他、夕方以降は二月堂へ向かう順路が設定され、警察・機動隊の誘導のもと、順路には大勢の観光客(万単位とも言われます)が待機列を作るほどの大混雑となります。
・なお、二月堂周辺で見学できる人数には限りがありますので、混雑状況によってはお松明がご覧頂けない可能性もあります。
・最も混雑する日程や、お松明の時間帯を除いては、二月堂周辺を除いては通常の時期と大きな違いはありません。

※お松明の開催時間は、3月1日~11日・13日は19時から約20分間、12日は19時30分から約45分間、14日は18時30分から約10分間の実施となっています。

境内各観光スポットごとの混雑状況

大仏殿:これまで解説してきたようにほぼ通年観光客が比較的多くなります。特に一部観光シーズンでは拝観待ちの列が出来ることがあります。

南大門:バス停や奈良公園一帯から大仏殿方面へのアクセスルート上にありますので、昼間時はほぼ通年比較的多くの観光客が見られます。

法華堂(三月堂):貴重な文化財をご覧頂ける割にはほぼ通年「空いている」ことで知られます。観光シーズンには一定数の観光客は訪れますが、混雑することは極めてまれと言えるでしょう。

二月堂:観光シーズンの昼間時・団体観光客が訪れる場合などは観光客数は多くなりますが、「修二会」シーズン・二月堂周辺で行事が開催される場合を除き「混雑」と呼ぶような水準にはなりません。なお、修二会の「お松明」開催時は先述したように全く違う状況(大混雑)になりますのでご注意下さい。

戒壇堂:基本的には1年を通して静かな環境で拝観しやすくなっていますが、小さなお堂のため訪れるタイミングによっては人が多く感じられることもあるかもしれません。
※2020年以降3年程度拝観中止(工事に伴う)

正倉院:観光シーズンには訪れる人が多くなることもありますが、概ね比較的落ち着いた環境で外観を見学して頂けます。

東大寺ミュージアム:南大門近くにあるため、ミュージアム前は常に多数の観光客が行き交いますが、大仏殿と比べると訪れる人は少なくなっており、概ね落ち着いた環境で拝観して頂けます。

まとめ

以上、奈良の世界遺産「東大寺」の「混雑状況」のみにテーマを絞って解説してきました。

非常に簡単にまとめ直すと、

・大仏殿と南大門周辺は通年観光客で混雑しています。
・混雑している場合でも、移動が困難になるようなことはありません。
・大仏殿の「拝観待ち」が生じることは一部の大型連休など観光繁忙期に限られます。
・それ以外の境内地は二月堂、法華堂(三月堂)周辺も含め混雑することは稀です。
・例外として「修二会(お松明)」開催時は二月堂一帯が大混雑します。
・早朝は状況によっては観光客がほぼいないか、非常に少なくなっています。
・拝観終了時刻に近づいても観光客は比較的多くなっています。
・雨の日は観光客が少なくなります。

このような内容を解説してまいりました。東大寺は塀で区切られている訳ではなく奈良公園と一体化した広大な境内地を自由に散策できるため、大仏殿周辺を除いては「混んでいる」印象を受けることは少ないと言えます。

ぜひ混雑状況をあらかじめ想定の上、訪れやすいタイミングで東大寺を訪れて、気持ちよく観光して頂ければと思います。

なお、解説してきた混雑状況については一般的な傾向を示したものであり、臨時イベントの開催状況やその時々の観光客の動向によっては解説している内容と異なる場合もありますので、その点はご留意下さい。