【西大寺八幡神社】重要文化財指定の本殿を有する西大寺の旧鎮守神

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大茶盛で有名な奈良「西大寺」の西側、住宅街の一角にある比較的大きな神社「西大寺八幡神社」。こちらでは神社の由緒・境内の風景や交通アクセスについてご案内していきます。

西大寺八幡神社とは?

西大寺八幡神社(さいだいじはちまんじんじゃ)は、近鉄大和大和西大寺駅及び西大寺境内の西側、郊外の住宅地の一角に広い境内地を有する比較的大規模な神社です。

祭神については本殿主祭神として「気長足姫命(おきながたらしひめのみこと)」・「誉田別命 (ほんだわけのみこと)」・「玉依姫命 (たまよりひめのみこと)」を祀ります。この他には8社の境内社も鎮座しています。

神社は明治期に神仏分離が図られるまでは西大寺の鎮守神として機能して来た歴史を有しており、その創建は西大寺の創建期と同じ奈良時代にまで遡るものとされています。

社伝によると、現在のような神社として整備されたのは西大寺を中興した「叡尊上人」の活躍した鎌倉時代、1281年(弘安4年頃)とされ、当時は神仏習合の文化があったことから「僧形八幡神像」が社殿に祀られていたともされています。

また、西大寺における有名な「大茶盛」の行事については、修正会の実施される1月16日にこの八幡神社において湯茶の振る舞いが行われたことにルーツを有するとも言われています。

重要文化財に指定されている三間社流造の本殿は、室町時代の中期に建立されたものであり、境内には大きな拝殿や覆屋が存在しないことから、大きな本殿の全体像がよく見えるという少し珍しい空間となっています。

西大寺に深く関係する神社でありながら、神仏分離後の現在は地域の氏神様としての機能が主ということもあり知名度が高い神社とは言えませんが、その広大な境内・また重要文化財に指定されている本殿の姿などは大変立派なものであり、ぜひ参拝しておきたい神社となっています。

境内のみどころ・風景

西大寺八幡神社の鳥居

西大寺駅から1キロも離れていない住宅街の一角に八幡神社の鳥居があります。

境内の広さに比べ鳥居は比較的地味な存在となっており、隣接する道路を歩いていても気が付かずに通り過ぎてしまうことがあります。

鳥居のそばには由緒が記された石碑があります。

西大寺八幡神社の参道

参道は長く約200m程に及びます。参道の途中で社叢(鎮守の森)の区域に入る場所に、2つ目の鳥居が設けられています。

2つ目の鳥居を抜けてからも参道は続きます。鎮守の森の規模は、奈良市街地にある神社としては最大規模と言っても良い広さを誇ります。

200m程に及ぶ参道を抜けて行くと、ようやく社殿前の広々とした空間に到着します。

手水舎は参道の終点に設けられています。

社殿は事実上「本殿」のみとなっており、市内の他の主要な神社には見られるような大きな「拝殿」がないという点がかなり珍しい特徴となっています。

なお、境内社の中では唯一玉垣の内側にある「武内神社」は本殿向かって右手に位置します。ご祭神は武内宿禰(たけのうちすくね)を祀ります。

西大寺八幡神社の本殿

室町時代中期に建立された本殿の建物は国の重要文化財に指定されており、現在も改修や保全などにより美麗な姿が保たれています。

祭神については右殿が「気長足姫命(おきながたらしひめのみこと)」・中殿が「誉田別命 (ほんだわけのみこと)」・左殿が「玉依姫命 (たまよりひめのみこと)」を祀ります。

境内社が多いのも西大寺八幡神社の特徴となっています。本殿の向かって左側には境内社「住吉神社」があります。

祭神は三筒男神(みつつおのかみ)・気長足姫命(おきながたらしひめのみこと)・天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀ります。

境内北西端には市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)を祀る厳島神社と善女竜王(ぜんにょりゅうおう)を祀る竜王神社が並んでいます。

参道の終点近くにも宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)を祀る境内社「杉高大明神(稲荷神社)」が見られます。

参道途中、境内北側の社叢(鎮守の森)一帯には3社の境内社が横並びで鎮座しています。

小さな鳥居の前にあるのは2つ目の厳島神社(祭神:市杵島姫命・いちきしまひめのみこと)です。境内社の厳島神社が2社ある神社というのは奈良ではこの西大寺八幡神社だけではないかと推定されます。

3つ並ぶ神社の中央にあるのは蛭子神(ひるこのかみ)を祀る恵比須神社です。

東側に位置する若宮神社。ご祭神は品陀別命(ほんだわけのみこと)を祀ります。

交通・アクセス

近鉄大和西大寺駅から西に徒歩約9分

近鉄大和西大寺駅南口から出て頂き右方向へ進み、駅前交番脇を左折したら更にすぐの場所を右折します。

その後は西大寺の北側を通り抜けてしばらく細い道を直進し、右手に神社が見える交差点に差し掛かったら左折し更に進むと右手に西大寺八幡神社の鳥居が見えてまいります。

周辺地図

一帯は奈良市西部の一般的な郊外住宅地となっています。西大寺境内からは西側に徒歩3~5分ほど離れた場所にあります。