【九品寺】葛城古道沿いの眺めの良い古寺は「千体石仏」や広い庭園を有する

奈良盆地一帯を望む風景が広がる「葛城古道」沿い、近鉄御所駅から3キロ弱離れた場所にある古寺「九品寺」。

こちらではお寺の歴史・由緒、境内のみどころ・風景や交通・アクセスなどについて詳しくご案内してまいります。

九品寺とは?

歴史・由緒

九品寺は、山号は「山号は戒那山(かいなさん)」・院号は「寶池院」、正式名称は「戒那山寶池院九品寺」と表記します。

九品寺の歴史については、創建年代など詳しいことは判明していませんが、奈良時代に大仏建立などにおいて活躍し、庶民に信仰を広めた僧侶として知られる「行基」が開基であると伝わります。かつて葛城古道沿いには「戒那千坊」と呼ばれる多数の寺院があったと言われ、この九品寺もそのうちの一つとされています。

また、境内西側の「千体石仏」については、南北朝時代の御所一帯を根拠地として南朝側に付き北朝側と戦った歴史を有する「楢原氏(現在の周辺の地名にも残されています)」のために、地元の人々が奉納したものとも、一族が身代わりに菩提寺である九品寺に奉納したものとも伝わっています。

ちなみ、お寺の「九品」という名前については、仏教用語において人間の品格を表現する(上品・中品・下品に対しそれぞれ上生・中生・下行がある9パターン)表現に由来します。

文化財指定

国指定重要文化財:木造阿弥陀如来坐像

拝観情報

拝観時間:自由
拝観料:無料(庭園・千体石仏エリアも含む)

九品寺は、いわゆる「観光寺院」ではありません。本堂内部が随時拝観できる訳ではなく、御朱印などがいつでも授与されている訳ではありませんのでその点はご留意下さい。

なお、境内は全域を無料で自由に拝観することが可能となっています。

境内のみどころ・風景

山門周辺

九品寺の参道を示す石標は、御所市コミュニティバス「楢原」バス停そばに既に見られます。

ここから山門までは少し距離があります。

九品寺の山門

山門は、葛城古道ハイキングコース道のそばにあります。

なお、SNSなどで拡散され有名なスポットとなっている「彼岸花の名所」は、山門の北側にありますが、境内内部にある訳ではありませんのでご注意下さい。

山門の外側には石仏・地蔵が並ぶエリアがあります。

素朴な佇まいのお地蔵さまが、葛城古道沿いの風情を一層際立てています。

こちらのお地蔵さまは、「塚」のような空間に祀られています。

山門近くには、奈良県が設置した案内看板もあります。

本堂周辺

九品寺の本堂

国指定重要文化財の「木造阿弥陀如来坐像」を祀る本堂は、山門から参道を進んですぐの位置にあります。

観光寺院ではありませんので、いつでも・誰でも本堂内部が拝観できる訳ではありません。

本堂には山号「戒那山(かいなさん)」が記された扁額が設けられています。

本堂から「千体石仏」のあるエリアへ進む途中には、本堂の大きな屋根を裏手から望む独特の風景をご覧頂けます。

境内には本堂以外にも複数の堂宇があります。

鐘楼は本堂のすぐそばにあります。

なお、観光寺院ではなく檀家の信仰がメインのお寺となっていますので、境内は一般の墓地が占める面積も多くなっています。

千体石仏

千体石仏は、本堂の裏手、奈良盆地一帯を望む眺めの良い森の中にあります。

南朝側の大和武士「楢原氏」が北朝側と戦う際に地域住民が奉納したとも、また一族が身代わりとして菩提寺である九品寺に奉納したとも伝わる2000体近くに及ぶともされる石仏は、中世から現在のような形で残されている訳ではなく、土中などに埋もれていたものを再度発掘・再配置して現在のような姿となっています。

なお、千体石仏については以下の記事で詳しく解説しています。

関連記事:【九品寺千体石仏】中世の「楢原氏」ゆかりの石仏はお寺の裏手にひっそりと

千体石仏周辺は高台のため、奈良盆地一帯などへの眺望が優れた場所になっています。

十徳園(庭園)・観音十徳園

山門を入ってすぐ左手には、池泉回遊式庭園「十徳園」があります。

九品寺「十徳園」

十徳園内には立派な池があり、季節折々の美しい風景をご覧頂けます。

庭園の中には愛染明王像と思われる石仏も見られます。

また、池のある十徳園の北側には「観音十徳園」と呼ばれる空間もあります。

こちらは西国三十三ヶ所の各札所に対応した石仏がずらりと並んでおり、奈良市内で言えば東大寺二月堂の裏手にもあるように「ミニ西国三十三ヶ所巡り」が出来るようになっています。

交通・アクセス

近鉄御所駅・JR御所駅から南西に徒歩約30~40分

近鉄御所駅バス停から「御所市コミュニティバス・西コース(内回り循環)」乗車、「楢原」バス停下車、西に徒歩約2分

バスの本数は1日3本程度と非常に少なくなっています。バス停を降りたら道路を渡った側に「九品寺」の参道がありますので、そちらを道なりに進んでいくと山門前にたどり着きます。

なお、近鉄・JR御所駅にはタクシーが常駐していますので、タクシーのご利用もおすすめです(運賃は基本的に1500円以下)。

周辺地図

所在地:奈良県御所市大字楢原

九品寺は「葛城古道」沿いにあり、近くには「駒形大重神社」や「彼岸花の名所」として知られる空間もあり、特に秋になるとお寺を参拝する人よりも彼岸花を目当てに訪れる観光客の車などで周辺が混雑することもあります。