【鴨都波神社】全国の「鴨(賀茂・加茂)社」のルーツともされる神社は大神神社との縁も深い

こちらの記事では、御所市中心部からほど近い場所にあり、広大な社叢を有する神社「鴨都波神社(かもつばじんじゃ)」の歴史・由緒、境内のみどころ・風景、参拝情報・交通・アクセスなどについて詳しくご案内してまいります。

鴨都波神社とは?

歴史・由緒

鴨都波神社(かもつばじんじゃ)の創建年代については確かな史料などは残されておらず不明ですが、第10代崇神天皇の時代に、太田田根子(大神神社祭神大物主神の子)の孫にあたる大賀茂都美命が創建したと伝わります。このルーツを有するために、「大神神社」の別宮とも呼ばれるなど大神神社とのゆかりが深い神社とされています。

なお、かつての社名は「鴨都味波八重事代主命(かもつみわやえことしろぬしのみこと)神社」とも呼ばれていたともされています。

鴨都味波八重事代主命という神様の名前は、境内の案内板でも同様のことが記されている通り、簡単に言いかえると「鴨のいる水辺で季節の節目ごとにお祀りされる田園の神様」とも解することが出来るようになっており、「農耕の神」・「水の神」としての性質が強くなっています。

また、記録に残る歴史としては平安時代の『延喜式』式内名神大社に指定されており、かなり古い時代から重要な神社であったことは間違いありません。

ちなみに、一帯は古代豪族の「鴨氏(鴨族)」の根拠地でもあることから、その「鴨」の名の通り鴨氏が祀った神社としての歴史も有しています。葛城地域にはこの他「高鴨神社」と「葛城御歳神社(中鴨神社)」もあり、3社とも鴨氏ゆかりの重要な神社、また全国における「賀茂・鴨」神社のルーツであるともされています。なお、神社周辺には弥生時代の大規模な集落跡「鴨都波遺跡」もあり、鴨氏の根拠地として古くから農耕で栄えていたと考えられています。

すなわち、先に解説した「鴨のいる水辺で季節の節目ごとにお祀りされる田園の神様」というルーツも合わせて考えると、鴨氏が信仰する農耕の神・水の神としての創建の由緒があると考えられるのです。

祭神

◇主祭神

・積羽八重事代主命(つみはやえことしろぬしのみこと)
・下照姫命(したてるひめのみこと)

◇配祀神

・建御名方命(たけみなかたのみこと)

また、境内社としては

天神社(菅原道真公)・猿田彦神社(猿田彦大神)・火産霊神社(かまど三柱大神・金山彦命)・神農社(少彦名大神)・八坂神社(素戔嗚命)・稲荷神社(宇迦之御魂大神)・笹神社(市杵島比売命)・祓戸神社(瀬織津比売神・速開都比売神・気吹戸主神・速佐須良比売神)

があります。

文化財指定

本殿:御所市指定文化財
鴨都波神社祭礼渡御図絵馬:奈良県指定有形民俗文化財
御所の提灯行事:奈良県指定無形民俗文化財

参拝情報・主要祭事日程

参拝時間:自由
御朱印授与あり・縁起物授与あり

◇主な祭事の日程

1月1日歳旦祭
2月3日節分祭
4月第1日曜春祭
6月30日夏越し祭
7月16日夏祭・ススキ提灯献灯行事
10月体育の日の前々日・前日秋祭り・ススキ提灯献灯行事
12月第1日曜新嘗祭

境内のみどころ・風景

鳥居周辺(西側)

近鉄御所駅、JR御所駅方面から国道168号線沿いを南に進んでいくと、道路沿いの東側に鴨都波神社の鎮守の森、看板などが見えてまいります。

鴨都波神社の鳥居(西側)

鳥居は国道沿いの歩道脇にやや唐突に現れます。鳥居の姿は、歩道沿いからよりも、国道の向かい側にある警察施設付近からの方がよくわかるでしょう。

鴨都波神社の鳥居(西側)を見上げる風景

なお、神社の鳥居については、駅からのアクセスが容易なこの西側の鳥居のみならず、神社東側もと鳥居があり、そちらには長い参道も設けられています。

参道は深い社叢(鎮守の森)を進む形となっています。鳥居付近からは社殿は見えず、そもそも社殿と鳥居が直線上に並ぶ形にはなっていないため、少し珍しい空間配置の神社と言えるでしょう。

鳥居周辺(東側)

鴨都波神社の鳥居(東側)

なお、神社の正式な鳥居・参道は駅からのアクセスがやや遠い境内東側にあります。

東側の鳥居から伸びる参道は、住宅や学校グラウンドの間を通り抜ける形となっており、比較的長い距離に及びます。

鴨都波神社の手水舎

東側の参道を通って境内に入っていくと、立派な手水舎があります。西側の鳥居から境内に入る場合には手水舎は近くにありませんので、こちらのものを利用する形となります。

社殿周辺

鴨都波神社の拝殿

鎮守の森を抜けると、すぐに拝殿が見えてまいります。

鴨都波神社の本殿(御所市指定文化財)

拝殿の裏手には、御所市の指定文化財である本殿が一部見えています。なお、建立時期は非常に古いという訳ではなく、江戸時代の1841年(天保12年)との棟札が残されています。

鴨氏ゆかりの歴史ある神社ということもあり、社殿の規模は奈良県内の神社でも比較的大きなものとなっています。

拝殿前、向かって右手の狛犬の姿です。

拝殿前、向かって左手の狛犬の姿です。

境内社

鴨都波神社境内社「稲荷神社」

鴨都波神社は境内社がかなり多くなっており、境内には8つの境内社があります。

写真は鳥居から最も近い位置にある稲荷神社。宇迦之御魂大神を祀ります。

鴨都波神社内境内社「祓戸神社」

手水舎に近い場所には、瀬織津比売神・速開都比売神・気吹戸主神・速佐須良比売神を祀る祓戸神社があります。

鴨都波神社境内社「神農社」

こちらは社殿の南側に位置する「神農社」。少彦名大神を祀ります。

鴨都波神社境内社「天神社・猿田彦神社・火産霊神社」

社殿の東側すぐの場所には、左側から菅原道真公を祀る天神社、猿田彦大神を祀る猿田彦神社、かまど三柱大神・金山彦命を祀る火産霊神社が並びます。

鴨都波神社境内社「八坂神社」

境内南側には素戔嗚命を祀る八坂神社があります。

鴨都波神社境内社「笹神社」

八坂神社のそばには市杵島比売命をお祀るする「笹神社」もあります。

境内の古木

鴨都波神社のイチイガシ

社殿の東側には、樹齢は300年を越え、幹回3.75m、樹高23mに及ぶ巨大な「イチイガシ」の古木があります。

鴨都波神社のムクロジ

境内には複数の「ムクロジ」の木も見られ、無病息災の木「無患子」との案内板が掲げられています。

その他

鴨都波神社の遥拝所

社殿東側、巨大なイチイガシの近くには「遥拝所」があります。遥拝所と言えば、一般的には伊勢神宮を向いたものとなっていますが、この遥拝所は大神神社を向いているようにも感じられます。

境内社「神農社」のそばには歌碑も設けられています。

交通・アクセス

近鉄御所駅から南に徒歩約6分

JR御所駅から南に徒歩約8分

近鉄御所駅からの場合、駅前の国道168号線を南側に(反対車線側に渡った上で)進むだけで神社へ到着します。

JR御所駅からの場合、駅を出てすぐ右手に細い道があるのでそちらを進んでください。すると「古い商店街」にたどり着きますので、更に右折してJR線の踏切を渡っていくと「国道168号線」に出ます。あとは左に曲がって真っすぐ進むだけです。

周辺地図

所在地:奈良県御所市宮前町513

神社は御所市の中心部、歴史的建造物にあふれる「御所まち」エリア、近鉄御所駅・JR御所駅からもそれほど遠くない場所にあります。

南に少し進むと「孝昭天皇陵(掖上博多山上陵)」もあります。