【奈良】ならまちエリアへの交通アクセス(バス・徒歩・自転車など)まとめ

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この記事では、東大寺・春日大社・興福寺などに次ぐ奈良の主要観光ゾーンである「ならまちエリア」への「交通手段・アクセス」について解説していきます。

ならまちエリアは近鉄奈良駅の南側に広がっており、「歩いていく」ことも可能なエリアですが、比較的広範囲に及ぶエリアですので、駅から歩いて様々な所を周り、再び駅へ歩いて帰るのがかなり「面倒」であるということもあり、南に行けば行くほどに人通りが少なくなるという傾向があります。

しかし、バスや徒歩を組み合わせて移動することで、実際には遠いエリアも含めてスムーズに観光することが可能です。この記事ではならまちエリア周辺を観光する際のアクセスの「コツ」をしっかりお伝えしていきます。


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ならまちエリアへのアクセス・散策のコツ

「どこへ行くか」決まっているなら最短・スムーズなルートを

ならまちエリアへ行く際に失敗しがちな点。それは場所をきちんと確認せずになんとなく移動してしまうことで時間のロスを生んでしまう。というパターンです。

地図を見るのは面倒かもしれませんが、「行く場所・行くお店」がはっきりとしている場合は、あらかじめ場所を確認した上でアクセスすることは必須です。

ならまちエリアは京都のような「碁盤の目」のような道ではなく、思った以上に迷いやすいので、「こっちかな」という感じでなんとなく探しているうちに時間を浪費しておられる方がかなり多く見られます。

また、バスで行ったほうが便利なのか、徒歩のみが便利なのかも、あらかじめ判断しておく必要があります。

バスで行くべき場所に、苦労して徒歩で行く人、またバスで行くのが大幅に遠回りの場所にわざわざバスで行き、結局長時間の徒歩を余儀なくされている。このようなパターンもかなり多くなっています。

近年はスマホの地図でナビが簡単に見られる時代になりましたので、活用できる場合は活用して頂き、ナビがない場合でも観光案内図などをあらかじめ確認してアクセスすれば、面倒な事態は回避できます。

主要観光スポットや主要なお店であればアクセス情報を丁寧に解説している場所がほとんどですので、情報をあらかじめ見ておけば、スムーズなアクセス・観光につながるわけなのです。

「ぶらぶら散策」の場合は、バスを活用

もっとも、ならまちエリアを観光する醍醐味として「何もあまり考えずにぶらぶらしたい。」という方も大勢いらっしゃいます。

そのような場合は、多少移動距離が延びても問題ないでしょう。

しかし、南北、東西に広いならまちエリアのことですから、近鉄奈良駅などから出発して、歩いてまた駅まで戻るルートを組み立てようとすれば、健脚の方でもない限り歩き疲れてしまいかねません。

ぶらぶらと散策したい場合は、バスを活用しましょう。

バスの使い方としては、基本は奈良交通バスの「田中町」バス停へアクセスして頂き、そこから徒歩で駅に戻っていくようなルートを組み立てることをおすすめします。

また、ぶらぶらした散策でも「福智院」や「十輪院」、「頭塔(自由に見学出来る期間は限られます)」など立ち寄りたいといったニーズなど、あらかじめ「行きたい場所」が決まっている場合は、そのスポットに近いバス停をスタート地点にすることがおすすめです。

この場合最寄りバス停は「福智院」・「十輪院」であれば奈良交通バス「福智院町」バス停、頭塔であれば「破石町」バス停となり、そこからならまちエリアを散策して駅に戻るルートを組み立てると便利になる訳なのです。


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「ぐるっとバス(奈良公園ルート)」は土日祝日などのみ

ならまちエリアへのアクセス手段として、JR奈良駅・近鉄奈良駅などからの場合「ぐるっとバス(奈良公園ルート)」をご利用になると便利である。雑誌や案内ページによってはそのような案内が書いていることがあるかもしれません。

「ぐるっとバス(奈良公園ルート)」は、運賃100円で主要観光スポットを周遊するバスであり、市内循環バスを避けてこの「ぐるっとバス(奈良公園ルート)」を使う人もおられるほどの人気を呼んでいます。

しかし、この「ぐるっとバス(奈良公園ルート)」は、運行されているのは土日祝日と一部の観光シーズンの平日のみであり、通常の平日は運行されていません。また、JR奈良駅・近鉄奈良駅方面からの場合遠回りのルートになるために必ずしも利便性が高いとは言えません。

「ぐるっとバス」は、通常路線バスが運行していないならまちエリアの中心部近くを通り、元興寺などに近い「ならまち・なら工藝館」バス停へアクセスする場合、東大寺などの一部エリアからは貴重なアクセス手段となりますのでかなり便利なのですが、「いつでも使える」訳ではないのでその点はお気をつけて下さい。


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ならまちエリアを「自転車」で巡るのは?

「徒歩」・「バス」といった交通手段のみならず、「自転車」もあるではないか。観光するにあたってはそのように思う方も多いでしょう。

実際に近鉄奈良駅などではリーズナブルな料金でレンタサイクルを借りることも出来ますし、近年はバイクシェアシステムも運営開始され、「自転車」を使って観光を楽しむ環境整備が進んでいます。

一方で、ならまちエリアのような狭い場所においては、とりわけ各種の店舗などは駐輪スペースがしっかり整備されていない場合がほとんどです。

お寺や神社であれば、境内の入り口付近に駐輪できるスペースがある場合、駐輪しても問題はありませんが、雑貨店やグルメ関係など一般のお店の場合、停めるスペースがない場合、隣のお店の敷地や入り口にかぶせるように停めてしまっている自転車利用者の方も時折おられ、ちょっとしたトラブルになっているケースもない訳ではありません。

また観光シーズンには人混みの中を通り抜けることが多くなりますので、安全にも注意が必要となります。

自転車を使ってスムーズに観光を楽しむのはとてもよい選択肢ではありますが、ご利用になる際は駐輪時の状況や安全に十分に留意した上でご利用になることをおすすめします。

なお、いわゆるレンタサイクルは駅で借りるのが基本であるほか、バイクシェアについては自転車のポートがならまち周辺にも複数あります。詳しくは奈良交通バスのレンタサイクル紹介ページ奈良バイクシェア公式サイト 等をご覧ください。

アクセス拠点・アクセス手段について

次に、ならまちエリアへのアクセスに便利な「アクセス拠点」、また各観光スポットごとに便利な「アクセス手段」について改めてご紹介してまいります。

近鉄奈良駅

ならまちエリアへの最大の玄関口と言えば、やはり近鉄電車の近鉄奈良駅。近鉄奈良駅からは、ならまち方面へのバスが発着しているほか、バスを利用する以上に大勢の観光客がそのまま「徒歩」でならまち方面へ行くという人の流れも見られます。

◇徒歩でアクセス

ならまちエリア中心部へ徒歩へアクセスする場合、東改札を出て「2番出口」から外へ出ます。

そこから奈良公園方面ではなく商店街に入り、三条通りに抜け、東側すぐの「餅飯殿商店街・下御門商店街」を抜けていくと、ならまちエリアへと入ります。

また、三条通りを少し進み、猿沢池の南側まで抜けてから南へ進んでも、奈良町にぎわいの家周辺などの中心エリアへ抜けることが出来ます。

徒歩が便利なスポット(一例):元興寺奈良町にぎわいの家・奈良町資料館・御霊神社など

◇バスでアクセス

バスでアクセスする場合、ならまちエリアの南の玄関口にあたる「田中町」バス停方面へは9番バス乗り場から「市内循環・内回り」をご利用ください。

また、ならまちエリアの東側(十輪院・福智院・今西家書院)などに便利な「福智院町」バス停へは3番バス乗り場から「天理駅」・「下山」行きをご利用ください。

なお、「ぐるっとバス」のご利用については、遠回りとなるのでおすすめできません。

市内循環バスのご利用が便利なスポット(一例):奈良町南観光案内所及び「鹿の舟」・ならまち格子の家・砂糖傳増尾商店・徳融寺(北京終町バス停が便利)など

「福智院町」バス停のご利用が便利なスポット(一例):福智院・十輪院・今西家書院・名勝旧大乗院庭園(奈良ホテルバス停が便利)など

JR奈良駅

第2の玄関口であるJR奈良駅は、ならまちエリアとはやや距離が離れており、近鉄奈良駅からと同様の「徒歩アクセス」をするのはやや面倒な状況です。

◇バスでアクセス

ならまちエリアへは、バスが不便な北側のエリアを除いては、バスのご利用が便利です。

「市内循環・内回り」をご利用頂くと玄関口にあたる「田中町」バス停まで8~10分程度で到着しますので、バスを使って行くのが無難です。

また、エリアの東側(十輪院・福智院)などに便利な「福智院町」バス停へは1番バス乗り場から「天理駅」・「下山」行きをご利用ください。

このほか、土日祝日と一部の観光シーズンには、本来徒歩のアクセスがメインとなるならまち中心部のすぐ近くまで「ぐるっとバス」が運行されていますが、渋滞に巻き込まれやすい上車両が小さく、遠回りのルートにもなるためおすすめできません。

市内循環バスのご利用が便利なスポット(一例):奈良町南観光案内所及び「鹿の舟」・ならまち格子の家・砂糖傳増尾商店・奈良町にぎわいの家・奈良町資料館・御霊神社・徳融寺(北京終町バス停が便利)など

「福智院町」バス停のご利用が便利なスポット(一例):元興寺福智院・十輪院・今西家書院・名勝旧大乗院庭園(奈良ホテルバス停が便利)など

◇徒歩でアクセス

元興寺一帯などならまちエリアの北側の場合は、東口バス乗り場の近くから横断歩道を渡り、三条通りをひたすら進んで頂く徒歩ルートもおすすめです。

徒歩のご利用も便利なスポット(一例):元興寺・奈良町にぎわいの家・奈良町資料館など

奈良交通バス「田中町」バス停

ならまちエリアへ「バス」でアクセスする際の拠点となるのは、奈良交通・市内循環バスの「田中町」バス停です。

バス停の北側には、奈良町南観光案内所・「くるみの木グループ」による「鹿の舟」と呼ばれる観光施設があり、ならまちの南の玄関口として機能しています。

ならまちエリアの中心部へは、「鹿の舟」の横を南北に通る道を北に進むと5分程度で到着します。

奈良交通バス「福智院町」バス停

ならまちエリアでも元興寺「十輪院」といったお寺、今西家書院や名勝旧大乗院庭園など、ならまちエリアのやや東側のスポットにアクセスしたい場合は、徒歩だけでもなく、循環バスを使うのではなく、JR・近鉄奈良駅から「天理駅」・「下山」行きをご利用の上、「福智院町」バス停の下車(名勝旧大乗院庭園は奈良ホテルバス停)も便利です。

バスの所要時間は近鉄奈良駅からの場合5分程度のため、かなりスムーズなアクセス手段にもなっており、知名度は低いですが「使える」交通手段になっています。なお、運行便数は昼間約30分おきですので、本数が多いとは言えません。その点はご留意下さい。

奈良交通バス「破石町」バス停

ならまちエリアというよりは、近年注目を集める「高畑」エリアの玄関口として機能しているバス停である市内循環バス「破石町」バス停。

「奈良町天神社」や「瑜伽神社」などの静かなスポットを巡る場合や、ユニークな観光名所として知られる「頭塔」を見学(見学は必ずしも常時自由にできる訳ではありません)してからならまちエリア中心部へとアクセスしたい場合、坂道のある風景を見たい場合などは、破石町バス停を利用し、ならまち方面へはそこから徒歩で移動するルートがおすすめとなっています。

基本的に頭塔の南側に東西に延びる道を下って行けば、ならまちエリアの中心部に10分程度でアクセス可能となっています。

JR万葉まほろば線(桜井線)京終駅

奈良市が近年「ならまち」の新たな玄関口として整備を進めているのはJR万葉まほろば線(桜井線)の京終駅

京終駅はならまちエリアの南側一帯「京終」エリアの南端に位置し、その名の通り平城京の端にあたる場所という意味を持っています。

再整備によって駅舎が美しくなり、使いやすい駅へと変わりましたが、電車自体はJR奈良駅から一駅、運行はおよそ30~40分に1本(土日祝日昼間)、平日昼間の一部は1時間おきとと近鉄電車や市内循環バスのように本数は多くないため、利便性と言う意味では必ずしもおすすめできません。

京終駅のご利用は、築100年を超える「駅舎」を見たい場合、また京終エリアも含めたルートでならまちエリアを観光することを考えている場合のみがおすすめとなっています。

モデルルート

1.元興寺のみ拝観する場合

ならまちエリアを象徴する観光スポット元興寺のみを拝観したい場合、徒歩もしくはバスによるアクセスとなります。

健脚の方は徒歩で近鉄奈良駅からアクセスするのが最もスムーズになります。

アクセスルートは、近鉄奈良駅2番出口から東向商店街・三条通り経由で猿沢池前を通り、猿沢池の東側の太い道を南にしばらく進むと元興寺に到着します。

JR奈良駅を利用する場合、JR奈良駅1番バス乗り場から天理・下山方面行きをご利用頂き「福智院町」バス停で下車して頂くと、北西に徒歩5分程度で元興寺にアクセス可能です。

2.格子の家・にぎわいの家など「町家」を楽しむ場合

見学可能な町家建築や町家を利用したお店などを巡りたい場合、基本的には市内循環バスで「田中町」バス停までアクセスし、そこから北向きに、近鉄奈良駅方面へ戻っていくようなルートで観光するのがおすすめです。

主要な町家建築はならまちエリア中心部に多数あるため、少しづつ駅に向けて進むうちに多数の町家建築を味わって頂けるようになっています(町家によっては迂回するケースもあります)。

3.主要な観光スポットを数多く巡りたい場合

ならまちエリアにある観光スポットをなるべくたくさん巡りたい。そのような場合は、どのスポットを選ぶかによってアクセスルートが異なってきますが、基本的に「バス」を使うことには変わり在りません。

元興寺・奈良町にぎわいの家・ならまち格子の家などの有名スポットのみ

市内循環バスで「田中町」バス停までアクセスし、そこから北向きに、近鉄奈良駅方面へ戻っていくようなルートで観光するのがおすすめです。一部迂回しますが、ほぼ直線的に主要スポットを巡ることも可能です。

・上記に加え、福智院や十輪院周辺も

福智院・十輪院などならまちエリア東側も巡る場合は、奈良交通バス「福智院町」バス停で下車し、そこからならまちエリアの東側~中心部へと移動する形で観光スポットを巡り、徒歩で近鉄奈良駅に戻るか、田中町バス停からJR・近鉄奈良駅に戻るルートがおすすめです。

また、田中町バス停を起点にし、ならまちエリア中心部を先に巡る場合は、近鉄奈良駅にそのまま戻るのではなく、元興寺などを見たあとに十輪院、福智院周辺も散策し、奈良交通バス「福智院町」バス停から近鉄・JR奈良駅に戻るルートがおすすめです。

・奈良町天神社周辺、頭塔周辺や「高畑」エリア周辺の観光スポットも楽しみたい

奈良町天神社、頭塔周辺などならまちエリアの東側一帯も含めて広く散策する場合、市内循環バス「破石町」で下車し、周辺を散策した後徒歩でならまちエリア中心部方面へと移動するのがおすすめです。

なお、新薬師寺など更に東側の高畑エリアを巡る場合は、破石町バス停から出発し、一度ならまちとは反対の方向(山のある方向)へ進みます。歩く距離が長くなりますので、目的地・経由地がはっきりしている場合、バスのみならずタクシーの活用なども含めご検討下さい。

・「京終エリア」も散策したい

ならまちエリアに加え、南側の京終エリアも楽しみたい。そのような場合は近鉄線利用の場合、市内循環バスを利用し、奈良交通バス「北京終町」バス停もしくは「田中町」バス停で下車し、南側一帯を散策した後、ならまちエリアへアクセスする形がおすすめです。

またJR線利用の場合は、本数は少ないですがJR京終駅にアクセスして頂き、そのまま近鉄奈良駅・JR奈良駅方面へ向けて北に進みながら散策を楽しんで頂くとスムーズに観光が可能です。

まとめ

以上、ならまちエリアへの交通アクセスについて、やや複雑な形となりましたが「まとめ」形式で説明してきました。

広いならまちエリアでは、徒歩が便利なところもあればバスが便利な所もあり、選ぶべき交通手段が違うということがご理解頂けたかと思います。

どのスポットに行くためには、どのルートが適切か。バスなのか、それとも徒歩なのか。これをあらかじめしっかりと把握しておくことで、ならまちエリアで移動中に「無駄な動き」をせずに済みます。

ならまちエリアは、道路が完全な碁盤の目にはなっておらず、地理はやや難易度が高いですので事前に訪れる場所が決まっている場合は、アクセス情報をしっかりとご確認の上、ストレスフリーの観光を楽しんでくださいね。


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