【上街道(上ツ道)】「お伊勢参り」のルートとしても栄えた奈良時代からの古道

観光のご案内

飛鳥時代の幹線道路は近世には「参詣道」へ

上街道(かみかいどう・上ツ道・かみつみち)は、奈良市内から奈良盆地の東側を南北に貫き桜井市内までの区間を結ぶ「街道」です。

この街道は、6世紀後半以降の飛鳥時代に整備された「官道」であり、かつては広い道幅の道がほぼ直線的に伸びていたとされています。古代の奈良盆地を貫く官道としては「下ツ道」・「中ツ道」も存在し、この「上ツ道」は最も山麓に近い場所を通っていました。

なお、「上街道」とも呼ばれるようになったのは近世なってからのことであり、江戸時代などには京都・奈良方面から長谷寺・伊勢神宮への参詣時に通る道として利用されたことから「長谷街道」や「伊勢街道」といった別名で呼ばれたこともあります。

現在は古代に整備されたルートそのままではなく、道もすっかり細い道になってしまっていますが、奈良市内では途中の「帯解」地域などでは、街道沿いの歴史的な町並みを残しており、天理市内・桜井市内にかけても歴史を感じることが出来る風景が随所に広がっています。

細い車道沿いに「歴史的町並み」が続く

上街道は、基本的に全て「車道」ですので、更に東側に伸びている「山辺の道」と比較するとやや歩きにくいルートであることは否めませんが、興福寺南円堂の周辺から猿沢池・ならまちエリア・京終エリアを抜け、そのまま天理・桜井方面へ歩いて行かれる歴史好きの方も時折いらっしゃるほか、自転車で上街道を巡る方もいらっしゃいます。

また、基本的に桜井市内の終点(長谷街道沿いの桜井市慈恩寺付近)以外はJR万葉まほろば線(桜井線)の線路や奈良交通バスの路線ととほぼ並行して伸びる形となっていますので、全てのルートを歩かずに「駅から駅」のように巡りたい場所だけを歩くことも可能となっています。

寺社仏閣に留まらない奈良の分厚い歴史を体感できる「街道」。魅力あふれる空間にぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

上街道沿いの風景(奈良市内)

猿沢池周辺(起点)

上街道の起点は、興福寺南円堂・猿沢池近くにある「率川地蔵尊」付近からとなっており、そこから「ならまちエリア」を縦断するような形で南に進んでいきます。

ならまち

上街道はならまちエリアを南北に貫く形で通ります。途中にはならまちらしく「町家建築」も多いほか、ルートは完全な直線ではなく「奈良町にぎわいの家」や「奈良町物語館」のある付近では曲がり角になっています。

京終

ならまちエリアの町並みを抜けると、今度は奈良の都の端という意味の地名である「京終」地域へと入ります。

みどころとしては、上街道を塞ぐような形で「ご神木」が立つ「椚神社」が有名であるほか、「石燈籠」なども見られるなど「街道らしさ」を感じて頂ける地域となっています。

出屋敷

京終エリアを過ぎると、出屋敷町と呼ばれるエリアを通ります。一部では重厚な歴史的建築が残され、かつての街道の風情を感じさせるほか、次第に周囲には田園風景が増えてきます。

帯解

出屋敷町から更に南へ歩くと、帯解エリアの家並みが見えてきます。帯解寺は帯解エリアを代表する観光スポットであり、安産祈願で全国的な知名度を有しています。

かつては宿場が設けられていたとされる上街道の拠点の一つである帯解エリアは、奈良市内では最も「街道らしさ」が残される空間となっています。

帯解エリアを抜ける手前には、こちらも安産祈願で知られる「龍象寺」もあります。

なお、この先帯解エリアより南側のエリアは奈良市を抜けて天理市内へと入っていく形になります。

次項では、交通アクセスについてご案内致します。

アクセス(電車・バス)

上街道は総延長20キロ以上に及ぶルートですので、場所によってアクセス手段が異なりますが、概ねJR「万葉まほろば線(桜井線)」沿いになっているほか、本数は少ない場所も多いですがほぼ全域で奈良交通の路線バスが並行しています。

◇北側起点「興福寺南円堂下」まで

近鉄奈良駅から南東に徒歩約5分・JR奈良駅から東に徒歩約15分程度

◇奈良市内南端「帯解地域」まで

JR奈良駅から万葉まほろば線天理・桜井方面行乗車、「帯解駅」下車、東にすぐ

JR奈良駅・近鉄奈良駅から奈良交通バス「天理駅」・「下山」・「窪之庄」・「シャープ総合開発センター」行き乗車、「下山」下車、西に徒歩約10分

※このほか、天理駅起点をはじめJR万葉まほろば線各駅などからアクセスするルートを自由に組み立てて頂けます。

ルートマップ(奈良市内)