【暗越奈良街道】大阪へと伸びるかつての街道は「酷道」としても有名

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暗越奈良街道(くらがりごえならかいどう)は、奈良から「生駒山地」を越えて大阪に行くために用いられたかつての「街道」です。「暗越」と言う名前は、生駒山地を越える峠が「暗峠」という名前であることに由来します。

街道の奈良側の起点部分は、奈良のメインストリートである「三条通り」沿いとなっており、その三条通りは春日大社参道と直結しているため、昔から春日大社~大阪間は一切曲がることなく移動することが出来るようになっていました。現在の暗越奈良街道は、ほぼ全体が「国道308号線」に含まれていますが、一部の区間が4車線道路である一方、一部は車両の通行が困難と言えるほど細い区間・険しい山道となっている区間もあり、いわゆる「酷道」マニアの方にとっては、生駒山の暗峠越え、また奈良市内の尼ヶ辻より西の区間などは一種の「聖地」に近いルートとなっています。

なお、街道は「ハイキング」コースとしても広く知られた存在になっていますが、基本的に知名度の高い区間は近鉄南生駒駅~近鉄枚岡駅方面へ抜ける「生駒山・暗峠越え」のルートのみとなっており、奈良市内の区間については、周辺に観光名所のある「京街道」や「上街道」、「山辺の道」と比較すると街道を歩くハイキング客の数は多くありません。また、未舗装区間はなく細い道も含め全て車道になっていますので、歩きやすいと言う訳でもありません。しかしながら、街道沿いの「尼ヶ辻駅」より西側の区間については、途中「追分本陣」と呼ばれる宿場跡があるなどかつての街道らしい風情が感じられるようになっていますので、じっくりと街道あるきを楽しまれてもよいかもしれません。

暗越奈良街道の風景(奈良市内)

ルートマップ

三条通り沿い

三条通りの区間については、JR奈良駅より西側については数キロに渡り車の通行の多い通りとなっており、歩道などはあるものの「街道」らしさを感じさせる風景はほとんどありません。途中は4車線の道路沿いを歩いていく区間も長く、JR奈良駅~三条大路五丁目交差点までの区間については「街道歩き」の気分を味わうことは難しいのが現状です。

尼ヶ辻~中町

街道らしさが少しずつ感じられるようになってくるのは、4車線の三条通りから分岐して細い道沿いに入っていく「近鉄尼ヶ辻駅」周辺からであり、尼ヶ辻界隈より先は、古い農村の面影を感じさせるような家並みもちらほらと風景の中に見られるようになってきます。道路は基本的にかつての街道を踏襲したものであり、現在では対向困難な細い区間もある中で路線バスなどが通るようになっています。

なお、尼ヶ辻方面からの坂道を登り終えて下った先にある「東坂」バス停周辺には奈良の伝統工芸品として名高い「赤膚焼」の窯元も複数あります。

更にしばらく進むと一旦2車線道路になり、富雄方面からの通りにつながる「砂茶屋」と呼ばれる交差点からは、再び街道らしい細いルートに入ります。なお、道の細さに関わらずあくまでも「国道」となっています。

追分

赤膚焼の窯元がある東坂バス停付近を通り抜け、砂茶屋の交差点を直進すると、すぐに「富雄川」を渡る橋に差し掛かります。

富雄川を渡るとしばらくのどかな田園風景が続きますが、その区間を通り過ぎると突如「急坂」の目立つ区間へと入ります。

坂道を進んでいくと、かつての「宿場」にあたる「追分本陣村井家住宅」の建物が見えてきます。一帯は奈良市街地を一望できる眺めの良い場所にもなっており、近くには「追分梅林」と呼ばれる復興中の梅林もあります。

【追分本陣村井家住宅】暗越奈良街道沿いにある「大和棟」の宿場建築

【追分梅林】かつての大梅林は少しづつ復興への道を歩む

追分本陣のすぐそばには「追分神社」もあります。

榁木峠越え

なお、追分本陣・追分神社を過ぎ追分地域の古い家並みを抜けていくと、いよいよ「山道」らしい区間へと入っていきます。一帯は「矢田丘陵」と呼ばれる地域であり、「深い山」というよりは一部には田園風景も広がる「里山」らしい風情が広がる空間ではありますが、道が狭いために自動車で走るには少し困難があります。

山道をどんどん登っていくと、道沿いにいくつかの工場や家が立ち並ぶ場所に出てきます。更に登っていくと、この矢田丘陵越えの最高地点である「榁木峠(むろのきとうげ)」に到着します。ここでは矢田山・松尾山や東生駒・あすか野団地方面へ抜けることが出来る「矢田丘陵遊歩道」と交差しています。

峠を越えると下りの急坂が続きますが、10分もかからないうちに生駒市街地・生駒山を望む眺めのよいエリアへと出てくるようになっており、バス停もある「小瀬保健福祉ゾーン」の建物一帯に到着します。

次項では、交通アクセスについてご案内致します。

アクセス(電車・バス)

暗越奈良街道のハイキングは、人気コースは生駒市の近鉄「南生駒駅」から東大阪市の近鉄「枚岡駅」を結ぶ生駒山地・暗峠越えのルートですが、奈良市内の「暗越奈良街道」を歩く場合はどの区間を歩くかによってアクセス地点が異なってきます。

「正攻法」で奈良~大阪間を歩くような場合は、奈良側は春日大社・猿沢池やJR奈良駅を起点とすることになりますし、部分的に歩かれる場合は途中の駅やバス停などを起点とすることになります。

奈良市内の暗越奈良街道を歩く場合におすすめのスタート・ゴール地点は、近鉄「尼ヶ辻駅」もしくは奈良交通バス「東坂」バス停・「熊取」バス停がおすすめです。

・近鉄尼ヶ辻駅へは近鉄大和西大寺駅から「橿原神宮前」・「天理」行き普通電車を利用、1駅目(隣の駅)下車。

・東坂バス停へは近鉄学園前駅から「赤膚山」・「近鉄奈良駅(64系統)」行きを利用

・「熊取」バス停へは近鉄学園前駅から「奈良県総合医療センター」・「若草台」行きを利用