円成寺本堂

【円成寺本堂】本尊阿弥陀如来を安置する室町時代の建物は内陣の美しさでも知られる

ごあんない

寝殿造のようなユニークな仏堂建築は室町時代の再建

円成寺本堂は、奈良市東部山間部、「柳生街道」沿いの名寺「円成寺」の本尊阿弥陀如来坐像を安置する中心的なお堂です。現在の建物は室町時代の応仁の乱後に再建されたものであり、再建に当たっては平安時代後期に建てられた本堂と同じ姿に再現されているため、円成寺の創建期に近い時期からの歴史を反映した存在となっています。

外観は、仏さまを安置する空間でありながらどこか「寝殿造」のような雅やかな雰囲気も感じさせる建築となっているほか、正面の階段をのぼった先、「妻入」と呼ばれる屋根の下は巨大な縁側のように床が張られた空間となっておりオープンな印象も感じさせるなど、一般的な仏堂建築とは異なる珍しい建築様式が各所で用いられています。

また、内陣の風景も「仏さま」に限らず美麗なものであり、須弥壇の周りを取り囲む4本の柱には極彩色の菩薩像が描かれている他、三方解放高御座型大型厨子と呼ばれる本尊を安置する大きな厨子は、それ自体が美麗な構造を持つものとなっており、仏像の存在感を際立たせる環境が整えられています。

安置されている仏像について

本尊阿弥陀如来坐像(重文)

本堂中央の大きな厨子に安置されている像高1.5メートルほどの本尊阿弥陀如来坐像は、重要文化財に指定されており、平安時代の後半に造立されたものとなっています。仏像はいわゆる「定朝様」の典型例とも呼べる温和で丸みを帯びた佇まいが特色となっており、保存状態もよく金色の美麗なお姿をご覧いただけるようになっています。運慶が造像した大日如来さまとは雰囲気は異なる存在ではありますが、静かに定印を結ぶ姿は本堂のご本尊にふさわしい風格あるものであり、後ろの光背の繊細な美しさも印象的な存在となっています。

四天王立像

鎌倉時代前半の建保5年(1217年)造立の四天王立像は、本堂の厨子の周囲に安置されており、造立当初の彩色が現在も比較的しっかりと残されているなど保存状態がよく、たくましさを感じさせる写実性を伴う仏像となっています。

南無仏大師立像

鎌倉時代後半の延慶2年(1309年)造立で、聖徳太子が2歳の時の姿を表現した南無仏大師立像も本堂に安置されており、あどけないユニークな表情はその他の仏像とは異なる魅力を感じさせる存在となっています。

十一面観音立像

本堂には、この他にも平安時代中頃~後期、鎌倉時代に造立された2躰の十一面観音立像も安置されています。いずれの像も温和でゆったりとした佇まいを感じさせる存在となっており、平安時代造立のものは円成る寺の旧本尊と伝わり、鎌倉時代のものは観音堂の本尊であったとされています。

薬師如来立像

平安時代後期に造立された薬師如来立像は、まるで誰かの顔を眺めているかのような気分になるような豊かな表情を見せつつ、衣の紋様や光背などは繊細な美しさを感じさせる仏さまとなっています。

円成寺本堂の風景

本堂は、この規模の境内地を持つお寺としては十分とも言える規模を持ちながら、貴族の邸宅のような寝殿造に近い建築様式となっており、他には余り見ることが出来ない独特の仏堂建築となっています。

妻入と呼ばれる正面に突き出した屋根の下は床が敷かれたスペースとなっており、広々とした空間となっています。内陣へは中央の階段をのぼり、正面からお入り頂く形となっています。

拝観情報・アクセス

拝観時間:9時~17時

拝観料:大人 400(350)円・中高生300(250)円・小学生100円

※年中無休

※括弧内は30名以上の団体料金

※御朱印は本堂で授与して頂けます。

アクセス情報については以下の記事をご覧ください。

https://narakanko-enjoy.com/?p=20294

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