【地獄谷石窟仏】彩色もよく残る平安時代の美麗な仏さまは「秘境」とも言える山深い空間に

観光のご案内

春日奥山の更にその先に佇む奈良時代頃の石窟仏

地獄谷石窟仏(じごくだにせっくつぶつ)は、春日山原始林一帯から更に南東側に離れた山中、「高円山」の裏側とも言える場所にある石窟仏です。「聖人窟」とも呼ばれるこの地には、かつては山伏(聖)が住んでいたともされ、この石窟仏は奈良時代の後半もしくは平安時代頃には既に造立が図られていたとも考えられています。

凝灰岩をくり抜いた石窟の内部には、現在ご覧いただけるものとしては合計4躰の仏さまが線刻されています。うち3躰は奥の壁に、1躰は手前右側の壁に彫られています。

彩色がしっかりと残された美しい仏さまです

◇中尊廬舎那仏

3躰が並ぶ中央に描かれている中尊は、廬舎那仏であるとされていますが、釈迦如来・弥勒如来であるとの説もあり、その詳細は定かではありません。高さ1.4メートルほどのふくよかな印象を感じさせる像は、右手で施無畏印を、左手で与願印を、胸には吉祥相を刻んでおり、全体として奈良時代のものとは思えない程に彩色が美しく残されています。

◇その他

3躰が並ぶ中の向かって左側には薬師如来像が描かれているほか、向かって右側には室町期の追刻ともされる十一面観音像が描かれており、こちらは顔の部分は線刻ではなく彩色が目立つ佇まいとなっています。また手前の右側壁に刻まれている妙見菩薩坐像は彩色は目立たない存在となっています。このほか左側の壁にも阿弥陀如来・千手観音が描かれているとされていますが、現在は風化によってその状況ははっきりと確認できません。

次項では、交通アクセスについてご案内致します。

アクセス(電車・バス)

※地獄谷石窟仏は、その「彩色」など保存状態のよさとしては春日山石窟仏以上にみごたえのある存在とも言えますが、場所はハイキングコースから離れた脇道を比較的進んだ位置にあり、知名度も低いため訪れる人の数はそれほど多くありません。また、ドライブウェイの道路脇に駐車して訪れるような場合も、足元がやや危険な山道を歩きますのでしっかりとした服装・靴で訪問されることをおすすめします。また天候にも十分留意した上でご訪問ください。

奈良交通バス

・JR奈良駅東口・近鉄奈良駅から「市内循環外回り」・「中循環外回り(近鉄奈良からのみ)」・「高畑町」・「山村町」・「藤原台」・「鹿野園町」・「奈良佐保短期大学」行き乗車、「破石町」バス停下車、東に徒歩約70~90分

高円山ドライブウェイ沿いから東に徒歩約5分~10分程度、首切地蔵から東に徒歩約15~20分程度・地獄谷新池から徒歩約10~15分程度・峠の茶屋から南西に徒歩約15~20分程度

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