【春日大社の摂末社一覧】61社にも及ぶ摂末社は境内に留まらず奈良市内にも点在する

61社の摂末社を有する世界遺産「春日大社」

奈良を代表する観光地として名高い世界遺産「春日大社」。原始林に隣接する広々とした境内を持つ春日大社は、とりわけ有名なスポットとしては「本殿」と「若宮神社」の2か所がありますが、関連する神社である「摂社」・「末社」は、全体では61か所にも及び、その分布は境内のみならず奈良駅周辺の市街地にも点在しています。

一部の神社は禁足地にあって参拝できないものもありますが、いずれの神社も深い歴史やそれぞれのご利益を持ち、春日大社を深く「知る」ためにはぜひお参りしておきたい場所となっています。

廊内・回廊上の摂末社

春日大社本殿が鎮座する「回廊」内のエリアには、本殿近くの「後殿」と呼ばれる末社群(佐軍神社・杉本神社・海本神社・栗柄神社・八雷神社、遥拝所からの参拝となります)のほか、岩本神社・椿本神社・風宮神社・多賀神社手力雄神社・飛来天神社(遥拝所)、井栗神社・穴栗神社・辛榊神社・青榊神社など多数の末社が設けられています。また、回廊上には榎本神社と呼ばれる摂社も設けられています。詳細は以下の記事をご覧ください。

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回廊・萬葉植物園周辺の摂末社

水谷神社

【水谷神社】春日大社境内北端にある立派な摂社は「子宝の神様」として信仰を集める

水谷神社(みずやじんじゃ)は、若草山麓にも近い境内北端部にある摂社です。ご利益としては「病魔から守ってくださる神様」として広く知られているほか、社殿近くにある「子授石」は安産祈願のスポットとしても信仰を集めています。

ご祭神:「素盞鳴命(すさのおのみこと)」・「大巳貴命(おほむなむみのみこと)」・「奇稲田姫命(くしいなだひめのみこと)」

総宮神社

【総宮神社(春日大社)】かつては興福寺境内にあった神社は多数の祭神をお祀りする

総宮神社(そうぐうじんじゃ)は、水谷神社の南側にある末社であり、かつては興福寺境内にあったという「神仏習合」の歴史を反映したものとなっています。ご祭神は非常に多く、9柱を祀る神社となっています。

ご祭神:「総宮大神」として「天照大神」・「八幡大神」・「春日大神」・「白山大神」・「三光宮」・「二上権現」・「窪弁財天」・「北向荒神」・「睡神社(東大寺南大門近くにある神社)」の合計9柱を祀る

一言主神社

【一言主神社(春日大社)】一言だけの願いを込めてお祈りする空間

一言主神社(ひとことぬしじんじゃ)は、水谷神社の南側、総宮神社の近くにある末社です。その名の通り「一言」の願いを込めて祈りを捧げるとその願いを叶えて下さる神様として知られています。

ご祭神:一言主大神

龍王社

【龍王社(春日大社)】平成30年に140年ぶりに再建された神社は「水の神様」を祀る

龍王社は、平成30年(2018年)に再建された真新しい末社です。明治までの龍王社は春日大社における「水を司る」龍神信仰の拠点的存在となってきた歴史を持っており、再建後も龍王大神さまがお祀りされています。

ご祭神:龍王大神

祓戸神社

祓戸神社(はらえどじんじゃ)は、二の鳥居のすぐそば、手水舎のそばにある末社であり奈良時代からの歴史を持っている古社となっています。なお、罪や穢れを取り除いて下さる神様となっていますので、参拝前にはぜひお参りしておきたい空間となっています。

ご祭神:瀬頼津姫神(せよりつひめのかみ)

【祓戸神社(春日大社)】本殿参拝前には必ずお参りしておきたい神社

船戸神社

船戸神社(ふなどじんじゃ)は、春日大社の駐車場のすぐそばにある神社であり、交通安全や旅行の安全にご利益のある神社として知られています。そのため「車」のお祓いも受けられるようになっており、専用の駐車スペースも設けられています。

ご祭神:衝立船戸神(つきたつふなどのかみ)

【船戸神社】春日大社の「交通安全の神様」は車で乗り付けて祈祷を受けることも可能

壺神神社

壺神神社(つぼがみじんじゃ)は、萬葉植物園近くの参道沿いにある末社であり、「醸造」に関する神様としての信仰を集めています。

ご祭神:酒弥豆男神(さかみずおのかみ)・酒弥豆売神(さかみずめのかみ)

【壺神神社】春日大社参道沿いにある「醸造の神様」

愛宕神社

愛宕神社は、本殿一帯からは少し離れた春日大社駐車場への入り口近くにある「興福寺」にルーツを有する末社です。神社は「火の神様」として知られる存在となっています。

ご祭神:火産霊神(ほむすびのかみ)

【愛宕神社(春日大社)】かつて近くに存在した興福寺子院ゆかりの神社

聖明神社

聖明神社は、愛宕神社の近くにある末社であり、やはり興福寺にルーツを持つものとなっています。この神社はその「聖明」の名の通り「陰陽師」からの信仰を集めたという歴史も有しています。

ご祭神:聖明神

【聖明神社(春日大社)】「興福寺」と「陰陽師」ゆかりの神社

天神社

聖明神社・愛宕神社からも比較的近い位置、「奈良春日野国際フォーラム甍」と「春日大社萬葉植物園」に挟まれるような場所に鎮座する天神社は、京都の北野天満宮から神様を勧請したとされる由緒を持っています。

ご祭神:天常立尊(あめのとこたちのみこと)

【天神社(春日大社)】京都の北野天神を勧請したと言われる小さな神社

浮雲神社

天神社のそばにある浮雲神社は、春日大社の創建神話の舞台、御蓋山に設けられた浮雲神社と同じ存在と考えられた歴史を持つ由緒ある神社となっています。

ご祭神:天児屋命(あめのこやねのみこと)

【浮雲神社(春日大社)】創建神話の舞台と同体と考えられてきた神社

「若宮十五社」

若宮十五社は、本殿南側一帯、「おん祭」を行う神社である「若宮神社」一帯の摂末社群(一部は遥拝所)であり、順にお参りすることであらゆる分野に関わるご利益を受けることが出来ることで知られています。

◇納札社一覧

1.若宮神社 2.三輪神社 3.兵主神社 4.南宮神社 5.広瀬神社 6.葛城神社 7.三十八所神社 8.佐良気神社 9.春日明神遥拝所 10.宗像神社 11.紀伊神社 12.伊勢神宮遥拝所 13.元春日枚岡神社遥拝所 14.金龍神社 15.夫婦大國社

詳細は、以下の記事をご覧ください。

【春日大社「若宮十五社」】人生を送る上でのあらゆる「ご利益」にあずかることが出来る神社巡り

御蓋山・春日山に位置する摂末社

本宮神社

本宮神社(ほんぐうじんじゃ)は、春日大社本殿の東側一帯に広がり、創建神話においては鹿島神宮から「武甕槌命(たけみかづちのみこと)」様が白鹿にお乗りになり降り立った「御蓋山」の山頂(浮雲峰)に鎮座する神社(摂社)となっています。御蓋山は禁足地のため立ち入りは出来ませんが、本殿と若宮神社の間には「本宮神社遥拝所」があり、そちらで祈りを捧げて頂けるようになっています。

ご祭神:「武甕槌命(たけみかづちのみこと)」・「経津主命(ふつぬしのみこと)」・「天児屋根命(あめのこやねのみこと)」

【本宮神社遥拝所(春日大社)】聖地「御蓋山」の山頂にある神社に祈りを捧げる空間

鳴雷神社

鳴雷神社(なるいかづちじんじゃ)は、春日大社の本殿一帯からはかなり離れた、「首切地蔵」などから近い春日山遊歩道沿いの原始林内部に鎮座する末社であり、現在は知名度も低く実に静かな風情が広がっているものの、かつては「式内社」にも指定され、水の神様として奈良のまちの住民から深い信仰を集めていた歴史を持っています。

ご祭神:天水分神 (あめのみくまりのかみ)

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高山神社

高山神社(こうせんじんじゃ)は、首切地蔵から春日奥山ドライブウェイ沿いに抜ける春日山遊歩道の途中にある末社の一つであり、近くの鳴雷神社と同様水の神様として知られる存在となっています。

ご祭神:春日神・若宮神(天押雲根命)・祓戸神・水谷神

【高山神社】春日山遊歩道沿いにひっそりと佇む春日大社末社

 

神野神社

神野神社は、春日山原始林の山中の禁足地(立ち入り禁止区域)、春日大社の摂末社としては最も高い標高の場所にある末社です。鹿島神宮の方を向いて立つ神社は、やはり「水の神様」として信仰を集め、春日大社創建前からの歴史も有するともされています。

ご祭神: 甕速日神(みかはやひのかみ)・火速日神(ひのはやひのかみ) 崇道尽敬皇帝(すどうじんきょうこうてい・舎人親王)

上水谷神社

上水谷神社(かみみずやじんじゃ)は、水谷神社の近くを流れる水谷川の源流部(禁足地)にある末社です。

ご祭神:春日神・若宮神(天押雲根命)・水谷神・猿田彦神・祓戸神

大神神社

大神神社は、上水谷神社などに比較的近い春日山の中(禁足地)にある末社であり、奈良奥山ドライブウェイ沿いからその姿を少しだけご覧いただけるようになっています。

ご祭神: 大物主神(おおものぬしのかみ)

その他奈良市内(春日大社境内外)の末社

白乳神社

白乳(しらち)神社は、春日大社の境内の南側、「滝坂の道」に続く道沿いにある末社です。近隣にある赤乳(あかちじんじゃ)とともに婦人病治癒の神様として信仰を集めており、この白乳神社は腰から下の婦人病の治癒がご利益となっています。なお、若宮神社の近くに赤乳・白乳神社遥拝所も設けられています。

ご祭神:志那斗弁神(しなとべのかみ)

【白乳神社】婦人病治癒の神様は「滝坂の道」へと続く道沿いに鎮座する

赤乳神社

赤乳(あかち)神社は、春日大社境内から南に離れた白毫寺の近くにある末社です。赤乳神社は近隣にある白乳(しらちじんじゃ)とともに婦人病治癒の神様として信仰を集めており、赤乳神社は腰から上の婦人病の治癒がご利益となっています。なお、若宮神社の近くに赤乳・白乳神社遥拝所も設けられています。

ご祭神:稚日咩女神(わかひめのかみ)

【赤乳神社】高円山麓にひっそりと佇む春日大社の境外末社

住吉神社・市ノ井恵毘須神社

住吉神社・市ノ井恵毘須神社(いちのいえびすじんじゃ)は白乳神社と同じく「滝坂の道」へと進む道沿いにある春日大社末社です。2つの神社が横並びになっていますが、市ノ井恵毘須神社は社殿建築ではなく磐座のみとなっています。なお、茂みの中にあるため参拝者はほとんど見られません。

ご祭神:住吉神社は住吉三神(表筒男神・中筒男神・底筒男神)・市ノ井恵毘須神社は事代主命(ことしろぬしのみこと)

【住吉神社・市ノ井恵毘須神社】深い茂みの中にある知られざる春日大社末社

石荒神社・野上神社(若草山麓)

石荒神社(いしこうじんじゃ)・野上神社は若草山麓、入山ゲートのすぐ近くに並ぶ神社であり、野上神社が小さな社殿を有する一方、石荒神社のご神体は2つに割れた巨大な「磐座(石)」となっており、社殿は設けられていません。

ご祭神(石荒神社):火産霊神(ほむすびのかみ) ご祭神(野上神社):草野姫命(かやのひめのみこと)

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拍子神社

拍子神社(ひょうしじんじゃ)は、奈良県庁や奈良国立博物館からもほど近い「県庁東」交差点北東側に建つ末社です。この神社はかつては興福寺の管轄であったものであり、実際に活躍した雅楽家を祀っているために芸能の神様として広く信仰を集めて来た歴史を持っています。

ご祭神:狛近真(こまのちかざね・拍子神)

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釆女神社

采女神社(うねめじんじゃ)は、「猿沢池」の西側すぐの位置に建つ末社であり、悲恋の「采女伝説」に由来する神社となっています。なお、毎年中秋の名月当日にその采女伝説にちなんで行われる「采女祭」開催時は一帯は大変なにぎわいを見せ、通常は無人の神社でも縁起物の販売などが行われます。

ご祭神:采女命(うねめのみこと)

【采女神社】猿沢池に伝わる采女の「悲恋伝説」ゆかりの神社

南市恵比須神社

南市恵比須神社は、ならまちエリアの一角、猿沢池や興福寺などからも近い飲食店街に建つ末社です。奈良では最もよく知られた「えびす様」として奈良町住民を中心に信仰を集める空間は、とりわけ毎年1月5日の初戎当日には大いに賑わいを見せます。

ご祭神:事代主命(ことしろぬしのみこと・えびす様)

【南市恵比須神社】初えびすのにぎわいで有名な奈良の「商売の神様」

初宮神社

初宮神社(はつみやじんじゃ)は、きたまちエリアの拠点の近くである旧鍋屋交番きたまち案内所・奈良女子大学のすぐそばにある末社です。近年の造替によって真新しい社殿となった美しい空間は、通常時は閉門されているため立ち入りが出来ませんが、頻繁に地域イベントの会場として用いられているため、その際にはお参り頂けるようになっています。

ご祭神:神皇産霊神(かんむすひのかみ)・高皇産霊神 (たかみむすびのかみ)・魂留産霊神(たまとめむすびのかみ)・生産霊神(いけむすびのかみ)・足産霊神(たるむすびのかみ)・大宮売神(おおみやのめのかみ)・御膳津神(みけつのかみ)・事代主命(ことしろぬしのみこと)・伊勢皇大神(いせすめらおおかみ)・春日大神・住吉大神

【初宮神社】近年は地域イベントの会場としても用いられる由緒ある「春日大社末社」

手力雄神社

手力雄神社(たぢからおじんじゃ)は、奈良のメインストリート「三条通」沿い、興福寺境内に隣接する高台に位置する末社です。知名度は低い存在ですが、中心街のそばであるにも関わらず木々に囲まれた独特の静かな雰囲気が漂い、奈良らしい風情あふれる空間となっています。

ご祭神:天手力男命(あめのたぢからおのみこと)

【手力雄神社】三条通り沿いに設けられた春日大社の境外末社

大福稲荷神社

大福稲荷神社は、春日若宮おん祭の幕開けを告げる「大宿所祭」が実施される春日大社大宿所の敷地内にある末社です。

ご祭神:大福稲荷大神

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高天市恵毘須神社

高天市恵毘須神社(たかまいちえびすじんじゃ)は、近鉄奈良駅から最も近い位置にある末社となっていますが、基本的に閉門されているために参拝は出来ない場合が多くなっています。

ご祭神:事代主命(ことしろぬしのみこと・えびす様)

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