東大寺勧進所

【東大寺勧進所】年1回しか公開されない貴重な国宝の「神像」などを祀る隠れたみどころ

ごあんない

公慶上人の「勧進」活動の拠点は年1回のみ特別公開

東大寺勧進所(かんじんしょ)は、東大寺境内「戒壇堂」と「大仏殿」の間にあたる場所にある空間であり、その「勧進」の名の通り江戸時代に大仏・大仏殿などを復興するために尽力した「公慶上人」が復興のための「勧進(寄付などを募ること)」の拠点とした場所となっています。

この勧進所には、有名な存在としては国宝「僧形八幡神坐像」が安置されている「八幡殿」、重要文化財「五刧思惟阿弥陀如来像」が安置されている「阿弥陀堂」、また重要文化財「公慶上人坐像」が安置されている「公慶堂」(このほか重文指定を受けている「経蔵」などもあります)があり、いずれもかつて東大寺鎮守であった手向山八幡宮の祭礼である「転害会」の祭事・法要に合わせる形で毎年10月5日に特別公開(公慶堂は4月12日も公開)され、当日は10時~16時頃まで500円(小学生以下無料)の拝観料でご覧いただけるようになっています。しかしながらそれ以外の日程には公開されておらず、特別公開時の広報などもそれほど大規模ではないために、知名度は決して高くありません。

文化財について

国宝「僧形八幡神坐像」

勧進所の門を入りそのまま真っすぐ進んだ先にある「八幡殿」に安置されている国宝「僧形八幡神像」は、建仁元年(1201年)に有名な仏師である「快慶」が造ったと伝わる像高87センチほどの「神像」であり、彩色もよく残されている大変美麗な像は、八幡神のお姿が神仏習合・本地垂迹説の影響により「僧侶」の姿で表現されている像となっています。なおこの像は、かつては東大寺八幡宮(現在の手向山八幡宮)にご神体として祀られていましたが、明治期の神仏分離によって東大寺の所有となり、この地に祀られる形となっています。

僧形八幡神坐像の造立にあたっては、快慶が造像を行ったとされるのみならず、南都焼討から東大寺を復興させた重源上人が造立させたとされているほか、後鳥羽天皇・七条院・八条院・仁和寺守覚法親王をはじめ多数の結縁者がいたとされており、墨書銘にはその名前が多数記されています。

重要文化財「五刧思惟阿弥陀如来像」

勧進所内「阿弥陀堂」に安置されている鎌倉時代(13世紀頃)に造立されたとされる重要文化財の「五刧思惟阿弥陀如来像」は、悟りを開くために時間を費やしている間に伸びた「アフロヘア―」のような髪が特徴的な阿弥陀如来であり、どこか愛らしい表情にも感じられる像となっています。なお、近隣の寺院では「五劫院」にも似た像が安置されていますが、全国的には五劫思惟阿弥陀如来は作例に乏しく大変貴重な存在となっています。

重要文化財「公慶上人坐像」

勧進所内「公慶堂」に安置されている重要文化財「公慶上人坐像」は、この勧進所を拠点として勧進活動に精を出した「公慶上人」ご本人の像であり、宝永3年(1706年)に公慶上人の死を悼みその偉業を讃えるために遺弟である公盛により造立されたものとなっています。なお、造像は町仏師の性慶が彫刻を行いつつも、公慶上人の弟子である即念が「頭面」部分を彫り上げたとされており、全体として強いリアリティを感じさせる像となっており、弟子の強い思いを感じさせるものとなっています。

拝観情報

◇公開日程

・毎年10月5日:国宝「僧形八幡神坐像」(八幡殿)・重要文化財「五刧思惟阿弥陀如来像」(阿弥陀堂)・重要文化財「公慶上人坐像」(公慶堂)

・毎年4月12日:重要文化財「公慶上人坐像」(公慶堂)

◇拝観時間

・10時~16時頃

◇拝観料

・中学生以上500円(小学生以下無料)

※これ以外の日程でご覧いただける機会は基本的にありません。

アクセス

各駅からのアクセス

奈良交通バス

・JR奈良駅西口、近鉄奈良駅から「青山住宅」・「州見台八丁目」行き乗車、「今小路」バス停下車、東に徒歩5分

・JR奈良駅、近鉄奈良駅から「市内循環外回り」・「中循環外回り(近鉄奈良駅からのみ)」乗車、「県庁東」バス停下車、北東に徒歩9分

近鉄奈良駅から北東に徒歩18分

近隣スポット

東大寺指図堂は東に隣接、大仏池から南にすぐ、戒壇堂から北東に徒歩2分、千手堂から東に徒歩3分、東大寺大仏殿から北西に徒歩3分

東大寺勧進所周辺地図