【奈良公園】「世界遺産」に囲まれた自然あふれる奈良観光の拠点ゾーン

観光スポット・みどころ

当ページの内容を含め、奈良の観光スポットに関連する内容は原則としてコロナ禍前を中心とした状況に基づく「アーカイブ」的内容となっており、その後状況が変化している場合があります。
最新の状況については、各スポットに関する公式サイト、または観光協会などの情報発信などを別途ご確認下さい。

「奈良公園」とは?

素朴な「美しい自然」が広がる空間です

「奈良観光」に訪れた方のほぼ全員が訪れるといってもよい、奈良最大の観光拠点ゾーンとも言える「奈良公園」エリア

奈良公園とは、簡単に言えば「東大寺・興福寺・春日大社」といった有名観光地周辺にある「美しい自然」が広がるエリア(都市公園)を指すネーミングであり、その規模は600ヘクタールと東京ドーム約130個分に及ぶ広大な空間となっています。

公園の範囲については「奈良県立都市公園奈良公園」による定義や、その他の解釈もあり人によってイメージする範囲が異なりますが、都市公園としての奈良公園は、東大寺・興福寺・春日大社境内は含まないため、例えば春日大社の敷地にあたる「飛火野」は、厳密にはその範囲は都市公園としては含まれないということになります。

「公園」というイメージから、何かスポーツが出来る広場や「遊具」があったりすると勘違いされる方もまれにいらっしゃるようですが、奈良公園はベンチが設置されていたり、広場が整備されていたりとある程度の人の手は加わっているものの、どちらかと言えば「ありのままの自然」、「ありのままの季節の変化」、そして「鹿の姿」を楽しんで頂くための空間となっています。

なお、同じ観光都市でも京都にはこのような規模の都市公園は存在せず、東京の皇居や御苑も奈良公園と比較すると人工的な造りとなっていますが、奈良公園は、あくまでも素朴な自然が「都市」の真横に広大に残されているというものであり、奈良公園のような規模の自然環境がこのように保存されていることは、非常に珍しいケースにもなっています。

年間を通して美しい風景を堪能できます

自然あふれる奈良公園エリアは、山間部を除いてはほぼ全域に渡って「桜」や「紅葉」の美しさを思う存分味わって頂けるようになっており、とりわけ「桜」については一般的な「ソメイヨシノ」のみならず「奈良九重桜」・「奈良八重桜」など種類の異なる桜も咲き誇り、3月の終わりから5月上旬ごろまで長期に渡って桜をご覧いただける珍しい空間となっています。

また、このほかにも春には「梅」や「藤」、また夏には「サルスベリ」といった花の美しさも大きなみどころとなっており、冬は花が少ない分、朝方の霜の降りた風景や浮見堂が浮かぶ鷺池が凍結する様子などをカメラマンが写真におさめる姿も見られるなど、年間を通して味わい深い風景を堪能して頂けるのが奈良公園の大きな魅力となっています。

「大混雑」することはまずありません

観光を楽しむ際に、悩みの種となりやすい要素。それは「混雑」。京都の観光地の混雑はコロナ前までは社会問題化しつつあるほどでしたが、奈良でもコロナ前の時点では「東大寺大仏殿」や「春日大社本殿」周辺においては早朝を除き年間を通して大勢の観光客が見られるような風景が日常化しつつありました。

一方で、「奈良公園」はその「広さ」が幸いして、移動に困ったり、落ち着いて休憩できないような混雑に見舞われる可能性は低くなっています。比較的人の多いエリアとしては奈良県庁正面の「登大路園地」一帯が挙げられますが、人混みで混乱するようなことはなく、春日野園地・浮雲園地や浅芽ヶ原園地周辺は、人が多くてもそれ以上の広さを持つため、「燈花会」などの時期を除いては静かな雰囲気すら漂うことも多くなっています。

混雑を気にせずゆったりと観光を楽しみたい方には、奈良公園はベストな環境となっているのです。

「鹿」について

奈良公園の名物として、何よりも有名な存在。それは奈良の『鹿』

鹿は、奈良公園内の全域に渡って多数生息しており、奈良公園内で鹿を見かけないことなどないと言ってもよいほどに、奈良公園を散策すると常に視界のうちに「鹿」の姿が目に入ることになります。

とりわけ鹿が多いエリアとしては、奈良公園内の平坦部では荒池園地・登大路園地・春日野園地・浮雲園地・片岡梅林周辺、また飛火野や若草山一帯でも鹿が多くなっており、時には数匹ではなく数十匹単位~といったような鹿の群れに出くわすこともあり、そのスケールに驚く観光客の方も多くなっています。

なお、鹿については基本的にこちらから強い干渉をしない限り危害を加える存在ではありませんが、発情期のオス(8月~11月頃)や出産直後のメスの鹿(5月~7月頃)などを中心に状況によっては粗暴な動きをすることもありますので、あくまでも野生動物であるという点を考慮の上、念のためご注意ください。また、噛まれることを防ぐ為に、鹿せんべいを与えるときは「じらしすぎ」にならないようにしてください。

奈良公園周辺のみどころ・観光スポット・風景

春日野園地・浮雲園地

東大寺大仏殿・春日大社のいずれからも近い位置にある「春日野園地(かすがのえんち)」・「浮雲園地(うきぐもえんち)」は、飛火野などとは異なりベンチなども設置された「公園」らしい芝生広場となっており、「燈花会」や「なら瑠璃絵」などのイベント時にも活用されるスペースとなっています。また「桜」や「サルスベリ」などの名所としても知られ、美しい風景を広々とした空間で味わって頂けるようになっています。

浅茅ヶ原園地

「浅茅ヶ原園地(あさじがはらえんち)」は、春日大社の参道の南側一帯、バスの走る道路を挟んで飛火野の西側に広がるエリアを指す名称となっています。浅茅ヶ原園地は、春日野園地や登大路園地などのように広場となっている訳ではなく、「片岡梅林」「鷺池」に浮かぶ「浮見堂」なども含んでおり、傾斜も多いエリアとなっているため、様々な風景を味わいながら散策を楽しんで頂けるようになっています。

浮見堂・鷺池

片岡梅林の南側、奈良公園エリアの最南端に位置する美しい水辺「鷺池」の中央部には「浮見堂」と呼ばれる建物が浮かんでおり、写真撮影スポット、休憩スポットとして広く知られた存在となっています。

片岡梅林

奈良公園内唯一の「梅の名所」である片岡梅林。規模はそれほど大きくはありませんが、見ごろになると周辺は梅の良い香りに包まれ、大勢の観光客で賑わいを見せます。

円窓亭

片岡梅林のそばにはユニークな「丸い窓」を持つ建物「円窓亭」もあり、奈良公園の風景にアクセントを加える存在となっています。

荒池園地

浮見堂・鷺池エリアの西側に広がる「荒池園地(あらいけえんち)」は広々とした芝生広場が広がる水辺となっており、「鹿」は多くとも浮見堂周辺以上に人通りは少ないため、奈良公園内では最も静かなひとときをお過ごし頂ける場所となっています。荒池に面した近隣の国道沿いからは、美しい眺めや桜並木が広がる風景もご覧いただけるようになっており、写真撮影をする観光客の多いエリアにもなっています。

登大路園地

登大路園地(のぼりおおじえんち)は、近鉄奈良駅や興福寺からすぐの位置にある巨大な芝生広場で、奈良公園の「玄関口」として大勢の観光客が立ち寄る空間となっています。花や紅葉の美しさはその他の園地ほどではありませんが、駅に近いながら「鹿」に出くわすことの多い場所であるため、外国人観光客が写真を撮る機会も多くなっており、園地北側の歩道周辺も含め観光シーズンを中心ににぎやかな雰囲気が漂うエリアとなっています。

茶山園地

茶山園地(ちゃやまえんち)は、若草山の山麓部に広がる空間であり、4月中旬~下旬ごろには「奈良九重桜」が一面に咲き誇る空間となっています。「散った桜」の美しさが際立つ風景は、奈良公園内随一の桜の名所と言っても過言ではなく、3月から5月まで「長く楽しめる」奈良公園の桜を象徴する存在にもなっています。

みとりい池園地

みとりい池園地は、奈良県庁の東側、「依水園」などにも近い「京街道」沿いにある奈良公園内の「園地」の一つであり、「みとりい池」と呼ばれる水辺を中心に奈良九重桜や藤などが美しく咲き誇る空間が広がっています。周辺は「きたまち」エリアへのアクセスルートにもあたる場所ですが、それほど人通りは多くなく、西側は常に車が行き交う通りではあるものの静かな雰囲気が漂う空間となっています。また、北側には「東大寺西大門跡」もあり、こちらはイチョウなどが非常に美しいことで知られています。

東塔跡園地

かつて東大寺の「七重塔」があった場所である東塔跡園地(東大寺東塔院跡)は、塔跡の基壇が残されている「遺跡」でありながら「イチョウの名所」としても知られており、いつもは非常に静かな閑散とした空間でありながら、秋のイチョウの見頃だけは大勢の観光客で賑わいを見せる空間となっています。

飛火野

奈良公園一帯では最大規模の「芝生」が広がる空間である「飛火野」。循環バスなどが行き交う道路の真横には春日山原始林に抱かれた建物が一つも見当たらない大自然が広がっており、鹿の群れなども数多くご覧いただけるなど実に贅沢な憩いのひとときをお過ごしいただける空間となっています。なお、この飛火野は春日大社の境内地にあたるため、定義上の「奈良公園」内には含まれませんが、観光地としては奈良公園と一体的な存在となっています。

若草山

若草山は、奈良公園内春日野園地・浮雲園地・茶山園地一帯や東大寺境内の東側に広がる大きな「はげ山」であり、山麓部から山頂までほとんど木が生えていない「芝生」の空間が広がっています。若草山は市内各所や各観光スポットからもよく見える奈良を象徴する存在の一つとなっており、気候の良いシーズンには大勢の観光客が訪れ、のどかな芝生の上で思い思いのひとときを過ごしておられます。なお、入山には150円(大人)の入山料金が必要です。

春日山原始林

春日山原始林は、若草山の南側一帯、春日大社の東側一帯に広がる広大な森林(奈良の世界遺産の一部)であり、神様の山として深い信仰と「禁足地」としての保護を受けてきたため手つかずの「原始林」として残されています。基本的には「春日山遊歩道」などを除いて立ち入ることが可能な場所はありませんが、遊歩道を巡りながら都市に隣接する貴重な原始林沿いをハイキングして頂けるようになっています。

猿沢池

猿沢池(さるさわいけ)は、興福寺の南側に広がり、「ならまち」の町並みとも隣接する位置にある「奈良を代表する水辺」です。日頃は池のほとりのベンチで大勢の観光客がくつろぐ姿が見られる落ち着いた空間ですが、中秋の名月の日には池のそばにある采女神社のお祭り「采女祭」の舞台となり、池に船が浮かべられるなど「非日常」の幻想的な光景が広がります。

奈良公園内には、休憩スペースやお手洗いなども数多く設けられており、気軽におでかけしやすい環境となっています。

アクセス情報

奈良公園エリアは広いため、アクセスする場所によって最寄りバス停などが異なります

バス路線などは比較的充実しているため、公共交通機関によるアクセスは大変おすすめとなっています。

バス停が様々な場所にあり、場合によっては駅との間も徒歩で移動できるため、散策する際は必ずしもスタート地点に戻ってくる必要もなく、自由に散策して頂けるようになっています。また、周辺には東大寺・春日大社・興福寺などの主要観光スポットもありますので、それらと合わせて観光するのが基本となっています。

公共交通機関ではなく「マイカー」で訪れることは、観光シーズンの駐車場不足、また同じ所に戻って来なくてはならないという点などもありますので、各種利便性を考慮した上で、状況に応じた利用をおすすめします。

バスによるアクセス・主な最寄りバス停

奈良公園エリアへのアクセスには奈良交通の路線バス、観光客向けバスとして運行されている「ぐるっとバス(運行日などに注意)」の利用が便利です。バスの運賃は奈良交通バスは220円、ぐるっとバスは100円、いずれも各種1日乗車券類が使用できるようになっています。

所要時間はバス停により異なりますが、一部を除き駅から基本的に3~15分程度でどのバス停にも到着します。ぐるっとバス「若草山麓ルート」は駅からの場合乗り継ぎが必要ですので、所要時間は長くなります。

<最寄りバス停>JR奈良駅2番・近鉄奈良駅1番バス乗り場発「市内循環」外回り・「高畑町」行き

◇「県庁前」バス停

・登大路園地 ・興福寺

◇「県庁東」バス停

・みとりい池園地 ・依水園 ・吉城園

◇「東大寺大仏殿・国立博物館」バス停

・春日野園地 ・浮雲園地 ・東塔跡園地

◇「春日大社表参道」バス停

・浅芽ヶ原園地(浮見堂・鷺池・片岡梅林) ・飛火野

<最寄りバス停>JR奈良駅2番・近鉄奈良駅1番バス乗り場発「春日大社本殿」行きバスの場合

◇「奈良春日野国際フォーラム甍」バス停

・茶山園地

◇「春日大社本殿」バス停

・若草山 ・春日山遊歩道

<最寄りバス停>ぐるっとバス大宮通りルート(近鉄奈良駅前ぐるっとバス専用のりば発)の場合

◇ぐるっとバス「県庁前」バス停

・登大路園地 ・興福寺

◇ぐるっとバス「大仏殿前駐車場」または「奈良春日野国際フォーラム甍」バス停

・春日野園地 ・浮雲園地 ・東塔跡園地 ・浅芽ヶ原園地(浮見堂・鷺池・片岡梅林) ・飛火野
※市内循環バスなどと経由地が異なるため、「最寄り」ではない場合があります。

<最寄りバス停>ぐるっとバス若草山麓ルート(大仏殿前駐車場バス停で乗り継ぎ)の場合

◇ぐるっとバス「若草山麓」バス停

・若草山 ・春日山遊歩道

◇ぐるっとバス「手向山八幡宮・二月堂前」

・茶山園地

※春日大社本殿行きのバスは、一部観光シーズンについては運行区間が短縮されるため、終点までご利用頂けない場合があります。

徒歩アクセス

奈良公園エリアには、JR・近鉄奈良駅から徒歩でアクセスすることも可能です。

JR奈良駅からは、東口を出て奈良のメインストリート「三条通」沿いに東に進むと15分程度で奈良公園の入り口にあたる登大路園地界隈に、近鉄奈良駅からは東側出口から出て頂き、バス通り沿いを東に少し進むと5分程度登大路園地に到着します。なお、若草山方面や春日野園地・浮雲園地・浅芽ヶ原園地など東側のエリアまでは比較的距離がありますので、状況に応じてバスのご利用もおすすめとなっています。

タクシーによるアクセス

すばやくアクセスしたい場合は、JR奈良駅・近鉄奈良駅のタクシー乗り場からタクシーのご利用が便利です。奈良公園エリアには場所によりますが渋滞がなければ3~10分程度で到着します。また近鉄奈良駅からの場合、春日野園地・浮雲園地・浅芽ヶ原園地の近くなどまではワンメーター(680円)周辺でアクセス出来る場合もあり、3~4人のご利用であればバスとほぼ同等の運賃で収まるようになっています。