法華寺「浴室」

【浴室(法華寺)】光明皇后が設けた蒸し風呂は「福祉のはじまり」を象徴する存在

ごあんない

光明皇后による「福祉事業」の歴史を物語る存在

法華寺「浴室(からふろ)」は法華寺境内、「華楽園」と呼ばれる庭園のすぐ西側に位置する建物であり、国の重要有形民俗文化財に指定されています。

この建物は「浴室」という名からも連想できるように、いわゆる「温泉」ではないものの薬草を使用した「蒸し風呂(一種のサウナ)」として使用されてきた建物となっており、現在の建築は江戸時代の明和3年(1766年)に再建されたものですが、元々の歴史は奈良時代に「光明皇后」が困窮者を救うために建立したとされるなど、古代までさかのぼる存在となっています。

光明皇后は、法華寺の本尊十一面観音のモデルとされるなどその美貌でも有名な存在ですが、夫の聖武天皇とともに仏教を篤く信仰し、貧者・病人など弱者救済に精を出した「社会福祉の創始者」としても名を残す存在であり、貧しい方を救済するための悲田院(ひでんいん)や医療施設である施薬院(せやくいん)を設置したともされており、この「浴室(からふろ)」もそのような「福祉事業」の一環として設置されたものと考えられます。なお、この浴室をめぐる伝説としては、このお風呂で光明皇后が自ら「千人」の垢を流す中で重病の方のお世話もしたところ、その病気の方が「阿閦(あしゅく)如来」であったというエピソードも伝わっています。

現在もお風呂が稼働しています

江戸時代の再建後「蒸し風呂」として実際に使用されてきた「浴室」は、昭和以降には老朽化で使用できない時期もありましたが近年解体修理が行われ、その後は法華寺の信徒を中心に毎年1回6月に実際に「蒸し風呂」体験が出来るように開放されています。内部には2室が設けられており、使用している最中には蒸気が吹きあがる光景も見られますが、一般の方がお風呂を使用できる機会は限定されていますのでその点はご留意ください。

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「浴室」はたくさんの草花が咲き誇る「華楽園」の西側すぐ、「光月亭」と呼ばれる茅葺き屋根の建築の南東側すぐの位置にある重厚感ある建物です。内部の見学は基本的に出来ませんので、「蒸し風呂」の構造などをうかがい知ることは出来ませんが、「浴室」と記された巨大な扁額がその歴史を物語っています。

法華寺「浴室」脇にある古井戸

隣接する位置にある井戸はこの浴室で使用される水を確保するために用いられていたと考えられ、浴室とともに長い歴史を刻んできた存在となっています。

拝観情報

※浴室をご覧いただく場合、本堂の拝観のみならず「華楽園」の拝観料もお支払い頂く必要があります。

拝観時間:9時~17時(16時30分までに受付をお済ませください)

◇本堂及び周辺境内(括弧内は本尊公開時)

大人(高校生以上)500円(700円)・中学生300円(500円)・小学生200円(300円)・身障者250円(350円)

◇華楽園(浴室を含む)

大人(高校生以上)300円・中学生200円・小学生100円・身障者150円

アクセス

※法華寺拝観受付まで

奈良交通バス

・JR奈良駅(西口)、近鉄奈良駅から「大和西大寺駅」行き乗車、「法華寺」下車、西に徒歩4分

ぐるっとバス(土日祝日・観光シーズンのみ運行)

・近鉄奈良駅、JR奈良駅(西口)から「ぐるっとバス平城宮跡ルート」乗車、「法華寺・海龍王寺」下車、西に徒歩4分

近鉄新大宮駅から北西に徒歩16分

法華寺拝観受付から北にすぐ

※駐車場有り(普通車約50台・拝観者は無料)

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