法華寺本堂

【法華寺本堂】日本有数の仏像「十一面観音菩薩立像」を安置する空間

ごあんない

「淀君」と「豊臣秀頼」の寄進で建立された仏堂

法華寺本堂は、光明皇后ゆかりのお寺として有名な法華寺の本尊「十一面観音菩薩立像」をお祀りする空間であり、法華寺でご覧いただける仏像のほとんどがこの本堂に安置されています。

奈良時代にさかのぼる歴史を持つ法華寺ですが、この本堂の建築は江戸幕府の時代が始まる直前の慶長6年(1601年)に再建されたものとなっており、本堂の建築及びご本尊を安置する台である須弥壇(しゅみだん)は、豊臣秀吉の側室として有名な「淀君」が豊臣秀頼とともに寄進したものとして知られています。再建に当たってはかつて存在した金堂(鎌倉時代)・講堂(室町時代)の部材を再利用する形で建設が行われ、寄棟造・本瓦葺き・正面7間・側面4間のスケールを持つ仏堂はその建立年代以上に「古風な仏堂」としての佇まいを見せる存在となっています。

主な仏像について

本尊十一面観音菩薩立像(国宝)

法華寺の象徴である本尊十一面観音菩薩立像(国宝)は、春・夏・秋の一部期間のみ特別公開される秘仏であり、光明皇后のお姿を彫り上げたとも言われるそのなまめかしい優美な佇まいは広く知られ、ほぼ1本の木材のみを彫りぬいて造り上げた仏像としては日本有数の存在となっています。

像は平安時代初頭の造立当初より金箔などが貼られることも、また唇など一部を除いては彩色も大規模に施されることもなく「木材」の質感を最大限活かした仏さまとなっていることも特徴であり、右手で衣の裾をつかんでいる様子や右足が動き出そうとしているように見える姿などもすっきりとした印象を感じさせる軽やかなアクセントとなっているなど、優美な佇まいの中にも素朴さを感じさせる仏さまにもなっています。

なお、法華寺の本尊は当初はこの十一面観音ではなく別の仏さまであったとされており、この像が本尊となったのは近世以降であると考えられています。

維摩居士坐像(国宝)

奈良時代後半に造立された像高90センチほどの国宝維摩居士坐像(ゆいまこじざぞう)は、興福寺における重要な法会である「維摩会」が奈良時代の一時期に法華寺で執り行われていたことに関連して造立されたと考えられている像で、口を開けて言葉を発する瞬間が巧みに表現されたリアリティ溢れるお姿が特徴的な存在となっています。

なお、当初は木心乾漆像であると考えられていましたが、X線撮影などで木彫像であることが確認され、平成29年には新たな国宝に指定されました。

文殊菩薩騎獅像(重文)

重要文化財の文殊菩薩騎獅像は、本尊などと比較すると新しく鎌倉時代に造立されたと考えられている仏像で、本堂においては維摩居士坐像と向かい合うように配置され、維摩経の問答を繰り広げる様子が再現されています。この文殊菩薩さまを巡っては、X線検査により舎利容器・巻物など約180個にのぼる多数の納入品が造立時より内部に納められていることが判明しており、寄進者の多さなど鎌倉時代における仏教文化の裾野の広さを感じさせるものとなっています。

二天頭(重文)

仏さまの頭部のみが2組残されている「二天頭」は、奈良時代末~平安時代初頭に造られたと考えられており、かつて存在した梵天・帝釈天像の頭部であったと考えられています。大きさは頭部だけでも60センチほどあるため、かつての像全体は現在の本尊などよりもかなりスケールの大きなものであったことが想定されます。

仏頭(重文)

二天頭の間に置かれたもう一つの仏頭は、鎌倉時代のものと考えられており、東大寺の復興に尽力した重源ゆかりの像であるとされています。スケールは大変大きく、二天頭よりも更に大きな80センチの頭部となっていますが、かつての本尊であったのかどうかなどその系譜は定かではありません。

その他の仏像

この他、平安時代後期に造立された四天王像は平安後期に造立されたものであり、兜の意匠などが興味深いそれぞれの像高は1メートルほどとなっています。また本尊とは異なるもう一つの十一面観音像は法華寺の鎮守社の本地仏であったものとされ、室町期の作となっています。

【法華寺】光明皇后ゆかりのお寺は「庭園」の美しさでも知られる

法華寺本堂の風景

本堂は拝観受付から北西にしばらく進んだ場所にあり、お堂の前には広々とした空間が広がっています。

境内の外側からは門越しに本堂をご覧いただけるようにもなっています。

拝観情報(法華寺)

拝観時間:9時~17時(16時30分までに受付をお済ませください)

本尊十一面観音の公開期間:3月20日~4月7日・6月5日~10日・正倉院展の期間

◇拝観料(本堂通常期)

大人(高校生以上)500円・中学生300円・小学生200円・身障者250円

◇拝観料(本尊公開時の本堂)

大人(高校生以上)700円・中学生500円・小学生300円・身障者350円

◇拝観料(華楽園)

大人(高校生以上)300円・中学生200円・小学生100円・身障者150円

※御朱印の授与は本堂で行われています。

※境内の写真撮影は、個人が観光目的で撮影する場合は許諾なく可能ですが、メディアに掲載するような場合は事前の許可が必要です。

アクセス

※法華寺拝観受付まで

奈良交通バス

・JR奈良駅(西口)15番バス乗り場、近鉄奈良駅13番バス乗り場から「大和西大寺駅」行き乗車、「法華寺」下車、西に徒歩4分

ぐるっとバス(土日祝日・観光シーズンのみ運行)

・近鉄奈良駅8番バス乗り場、JR奈良駅(西口)16番バス乗り場から「ぐるっとバス平城宮跡ルート」乗車、「法華寺・海龍王寺」下車、西に徒歩4分

近鉄新大宮駅から北西に徒歩16分

法華寺拝観受付から北西にすぐ

※駐車場有り(普通車約50台・拝観者は無料)

周辺地図