【霊山寺三重塔】鎌倉時代から残される美しい朱色の塔は山中にひっそりと佇む

ごあんない

霊山寺「三重塔」は、バラで有名な「霊山寺」の境内、本堂などのある高台と向かい合う位置にあるもう一つの高台(山中)に位置する高さ17メートルの塔(重要文化財)です。

朱色が目立つ華やかな雰囲気を感じさせる塔は鎌倉時代の後期にあたる弘安6・7年(1283・1284年)頃の建立と推定されるものであり、市内にある「興福寺」の五重塔よりも古い歴史を持つ建築となっています。様式としては鎌倉時代の「和様」に忠実な佇まいとなっており、檜皮葺の屋根(屋根瓦は用いられていません)や「連子窓」と呼ばれる細い部材が並ぶ形の窓を持つほか、軒を支える部分には美麗な「三手先組物」と呼ばれる構造が用いられ、軒(屋根)の部分は「二軒繁垂木」と呼ばれる形で二重に部材が重なるようになっており、重厚感を感じることが出来るようになっています。また毎年11月3日の特別公開時を除き非公開ではありますが、「初重(1階部分)」の内部には平安時代の宮廷画家である「巨勢金岡」が描いたとも言われる極彩色の壁画があることでも知られています。

なお、三重塔のある空間は、本堂とは反対側の高台に位置していることもあり、その美しい佇まいや深い歴史の割には訪れる参拝者の数は少なくなっており、年間を通して実に静かな雰囲気が広がっている状況となっています。「塔の風景」を「独り占め」して頂けるケースも多くなっていますので、霊山寺参拝時にはぜひ重厚で華やかな塔の風景を一目見に高台まで足を運んでみてはいかがでしょうか。

霊山寺三重塔の風景

霊山寺三重塔

山の中の高台にひっそりと佇む塔は、改修を経つつも鎌倉時代の和様の姿を現在に伝える貴重な存在となっており、森に囲まれた風景も含め、奈良市内の「塔」では興福寺や薬師寺のものとは一線を画した異色の存在にもなっています。

檜皮葺の塔は内部の拝観は出来ませんが、塔の間近からその「組物」や「連子窓」をはじめとする建築技法をご覧いただけるようになっています。

裏手にある菩提僊那供養塔の近くからは、檜皮葺の屋根を上からご覧頂き、木々に囲まれた自然豊かな塔の風景を味わえるようにもなっています。

拝観情報(境内共通)

◇拝観時間

境内・バラ園8時~17時・本堂10時~16時

◇拝観料(通常期)

大人(高校生以上)500円・小中学生250円

※団体(50名以上)の場合は大人400円・小中学生200円

◇拝観料(バラ見頃の5月・6月・10月・11月)

大人(高校生以上)600円・小中学生300円

※団体(50名以上)の場合は大人500円・小中学生250円

※いずれの期間も、障害者は手帳呈示により本人様のみ無料

アクセス

三重塔は霊山寺の拝観受付から南西に徒歩3分ほど離れた山中の高台に位置しています。本堂とは谷を挟んで向かい合うような形となっており、谷筋に伸びる参道からは長い坂道や石段を上ってアクセスして頂く必要があります。

奈良交通バス

近鉄富雄駅から「若草台」行き乗車、「霊山寺」下車、南に徒歩2分

近鉄学園前駅から「西千代ケ丘二丁目」行き乗車、終点「西千代ケ丘二丁目」下車、南に徒歩15分

※霊山寺拝観受付までのアクセス

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