【不退寺本堂】美麗な「聖観音菩薩立像」などが安置される格子が美しい小さなお堂

ごあんない

不退寺本堂は、奈良市街地の北の端、「佐保山」の麓にひっそりと佇む小さなお寺「不退寺」境内で最も大きな仏堂であり、本尊聖観音菩薩像をお祀りする空間となっているお堂です。

本堂の建物は重要文化財に指定されており、鎌倉時代後期に建立された桁行5間・梁間4間の本瓦葺・寄棟造の建物となっていますが、その佇まいは在原業平ゆかりの「業平寺」という別名の通り、こじんまりとした「貴族の隠れ家」とも言えそうな空間となっています。

意匠としては、外陣と内陣を区切る部分に設けられた「吹寄菱欄間(業平格子)」と「木連格子」が印象的な存在となっているほか、内陣・外観ともに神社の社殿のごとく「朱色」が使われている(老朽化などで目立ちにくくなっています)のも印象的な佇まいとなっています。

聖観音菩薩立像(重要文化財)

不退寺を代表する仏さまとして知られる「聖観音菩薩立像」は、像高は190センチほどで桂の木を彫りぬいて造り上げたものであり、平安時代初頭の不退寺創建時に在原業平自身が造像を行ったとされる伝説の残される仏像となっています。その佇まいは巨大な「リボン」のような飾りを付け、平安時代の「美しい女性」を象徴するような、また有名な少女マンガに登場するキャラクターのような印象を見せる存在となっており、劣化も進んでいるものの、白い彩色の部分が多く残されていることもあり、実になまめかしい雰囲気を漂わせています。

五大明王像(重要文化財)

五大明王像は、平安時代に弘法大師空海が中国から持ち込んだとも言われる密教独自の存在であり、中央=不動明王(剣と羂索を持つ)・東=降三世明王(3つの顔と8本の腕を持つ「三面八臂」)・南=軍荼利明王(8本の腕を持ち、腕組みをする佇まい)・西=大威徳明王(水牛に乗り、「六面六臂」かつ足も6本有する)・北=金剛夜叉明王(6本の腕)という像の配置を有するものとなっています。不退寺の五大明王像は、一般的なものが強い怒りの表情を見せることが多い中、比較的穏やかな佇まい、むしろかわいらしさすら感じさせる表情を見せることで知られており、五大明王像としては奈良では唯一現存し、京都東寺の五大明王像とも肩を並べるような代表的な仏さまとして知られています。

また、この他にも地蔵菩薩像が安置されているほか、須弥壇の奥の厨子には業平のお姿を描いた在原業平朝臣画像が、また須弥壇の左右に設けられている小部屋には、東側にかつての「神仏習合」文化の面影が残される形で現在では非常に珍しい存在として「伊勢太神宮」が奉安されているほか、西側には在原業平の父親に当たる「阿保親王」の坐像と平城天皇・伊都内親王の尊儀もお祀りされています。

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不退寺本堂の風景

不退寺本堂

拝観情報(不退寺)

拝観時間:9時~17時

拝観料:大人500円・中高生300円・小学生200円

※20名以上の団体の場合、大人450円・中高生250円・小学生150円

アクセス

本堂は不退寺南大門・拝観受付の北側すぐの位置にあります。

※不退寺境内までのアクセス

奈良交通バス

・JR奈良駅西口、近鉄奈良駅から「大和西大寺駅」・「航空自衛隊」行き乗車、「一条高校前」下車、北に徒歩4分

・近鉄大和西大寺駅から「JR奈良駅西口」行き乗車、「不退寺口」下車、北に徒歩4分

近鉄新大宮駅から北に徒歩14分

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