【唐招提寺御影堂】鑑真和上坐像を安置する建物はかつての「興福寺一乗院」由来

ごあんない

興福寺の門跡寺院「一乗院」由来の建築です

唐招提寺「御影堂(みえいどう)」は、唐招提寺境内の北側、開山堂や鑑真和上御廟などのスポットに比較的近い位置にある比較的大きなお堂です。

御影堂の建物は、唐招提寺境内の観光スポットとしては例外的に慶安2年(1649年)に建立された「江戸時代」の建築(重要文化財)となっており、かつ元々は興福寺塔頭の中でも有名な門跡寺院として知られた「一乗院」の宸殿として使われていたものであり、近代以降は奈良県庁や裁判所内の建物としても使用されてきた存在となっています。唐招提寺のこの地へと移築されてきたのは昭和39年(1964年)のこととなっており、唐招提寺境内における御影堂の歴史自体はそれほど古くはありません。

1年に3日しかご覧いただけない傑作「鑑真和上坐像」を安置(現在は大修理中)

現在の御影堂は、鑑真が没した奈良時代の天平宝字7年(763年)頃に鑑真の弟子である忍基により造立されたとされるリアリティ溢れる「鑑真和上坐像」を安置する空間として使用されており、現在も彩色が残される佇まいやその頭部や首元の質感は鑑真和上の「人生」そのものを表現しているかのように見えるほどであり、過去にはパリや北京で展示されたこともある肖像彫刻の傑作となっています。なお、鑑真和上坐像は毎年6月6日に実施される「開山忌」に合わせ、6月5日~7日のわずか3日間のみ特別公開がなされることになっており、ご覧いただける機会が少なくなっていますが(2021年頃までは御影堂で大規模な修理が実施されるため、新宝蔵での公開となっています)、開山堂にも御影堂の像の精巧なレプリカ(御身代わり像)が安置されており、そちらは基本的に通年ご覧いただけるようになっています。

また、修理期間中はご覧頂けませんが、御影堂には昭和の日本を代表する日本画家として知られる「東山魁夷」画伯が長い時間をかけて描いた大作である障壁画も設置されています。こちらは日本の風景を描いた色鮮やかに描かれた「山雲」・「濤声(とうせい)」、また墨だけで描かれた鑑真和上の故郷中国の壮大な風景を描いた「揚州薫風(ようしゅうくんぷう)」・「黄山暁雲(こうざんぎょううん)」・「桂林月宵(けいりんげっしょう)」からなる作品であるほか、坐像を収めた厨子の扉絵も東山氏により描かれています。

なお、近世建築らしい佇まいを見せる御影堂は、周辺の庭園も含めて実に美しい風景を味わえる空間にもなっており、併設されている「御影堂供華園」では鑑真和上の故郷である中国揚州から送られた可憐な白い花を咲かせる「瓊花(けいか)」を4月中旬から5月ごろ(概ね大型連休頃が見頃となります)にかけて楽しんで頂けるようにもなっています。

唐招提寺御影堂の風景

唐招提寺御影堂の門

唐招提寺境内の北側、開山堂や鑑真和上御廟などに近い位置にある御影堂。入り口には唐招提寺境内では珍しくお屋敷の玄関口のような重厚な門が設けられています。

御影堂の門からは、御影堂の建物へ向けて美しい石畳が伸びる風景をご覧いただけるようになっています。

平成の大修理中の唐招提寺御影堂

現在の御影堂は、「曳屋」によって移動された上で解体修理がなされており、内部をご覧いただくことは出来ません。

御影堂の西側のお庭には、鑑真和上の故郷である中国揚州から送られた「瓊花(けいか)」が咲き誇ります。見頃は概ね大型連休頃(当年の気候によりシーズンが異なる場合もあります)となっており、その期間は「供華園」として一般開放されます(御影堂修理中も開放されています)。

拝観情報

◇唐招提寺境内共通

拝観料:大人600円、高校・中学生400円、小学生200円

拝観時間:8時30分~17時(拝観受付は16時30分まで)

※御影堂は平成27年から約5年間は大規模修繕につき拝観は一切できません。

アクセス

各駅からのアクセス

◇唐招提寺境内まで

奈良交通バス

・JR、近鉄奈良駅から「奈良県総合医療センター」行き乗車、「唐招提寺」バス停下車、北にすぐ

近鉄西ノ京駅から北に徒歩8分、近鉄尼ヶ辻駅から南に徒歩15分

※御影堂は境内の北側、講堂や礼堂の裏手にあたる高台に位置しています。

境内の近隣スポット

唐招提寺内「礼堂」から北にすぐ・開山堂から北東にすぐ・宝蔵及び経蔵から北にすぐ・鑑真和上御廟から西に徒歩2分・講堂から北東に徒歩2分・鼓楼から北に徒歩2分・金堂から北東に徒歩2分

唐招提寺御影堂周辺地図