【薬師寺玄奘三蔵院伽藍】玄奘三蔵の遺徳を偲ぶ美しい空間には平山郁夫氏の壁画も展示される

ごあんない

「三蔵法師」を偲ぶ空間は薬師寺らしく真新しい建築が立ち並ぶ

薬師寺「玄奘三蔵院伽藍」は、奈良を代表するお寺の一つである薬師寺の「金堂」や「東塔」などがある「白鳳伽藍」の北側に広がる平成3年(1991年)に新築された真新しい伽藍です。

伽藍の名称に使われている「玄奘三蔵」いわゆる「三蔵法師」として「西遊記」などに登場する有名な古代中国の僧侶であり、インドに渡り仏教研究を行い中国にその成果や多数の経典を持ち帰り、東アジアの仏教文化の発展に大きな役割を果たした人物として知られています。また、その玄奘の弟子にあたる「慈恩大師基」と呼ばれる僧侶が開基した「法相宗」は日本ではこの薬師寺と興福寺が所属する宗派となっており、薬師寺・興福寺は玄奘三蔵を事実上の開祖としてその教えを受け継ぐ存在となっています。

「玄奘三蔵院伽藍」はそのような玄奘三蔵の教学を現代に伝えるお寺としてふさわしい環境を整備し、遺徳を顕彰するために建立されたものであり、基本的に全ての建造物・展示品が新調されたものとなっている奈良市内のお寺としては極めて珍しい空間となっています。

実際の「ご遺骨」や平山郁夫氏の大壁画も

玄奘三蔵院伽藍は、回廊に取り囲まれる形で大川逞一仏師により造像された筆を取ったお姿の玄奘三蔵の像玄奘三蔵の実際のご遺骨を納める「玄奘塔」が中心に建つ形式となっており、その北側には広々とした大唐西域壁画殿という施設も設けられ、こちらには故平山郁夫氏(日本画家)により描かれた玄奘三蔵がシルクロードを辿り天竺まで旅した姿を辿る圧巻の「大唐西域壁画」が展示されています。

なお、遺骨については日中戦争当時に中国の南京で発見された玄奘三蔵の墓所に埋葬されていたものを日中双方で分骨したものであり、この遺骨をお祀りするお寺は中国にも複数あるほか、日本ではさいたま市にある慈恩寺にも納められています。

なお、玄奘三蔵院伽藍は比較的大規模なものですが、「白鳳伽藍」と異なり「公開期間」が設定され、1年の半分程度しか公開されていませんので、拝観をされる場合はあらかじめ公開期間をご確認の上ご訪問になるようにしてください。

薬師寺「玄奘三蔵院伽藍」の風景

玄奘三蔵院伽藍の礼門

白鳳伽藍から北に徒歩2分ほどの位置にある玄奘三蔵院伽藍。薬師寺らしい朱色が目立つ華やかな礼門の先には、玄奘三蔵の遺骨を祀る「玄奘塔」が垣間見えるようになっています。

玄奘三蔵のご遺骨を納める「玄奘塔」

礼門の西側にある入り口から内部へと入ると、すぐに玄奘三蔵をお祀りする玄奘塔の正面に辿り付きます。堂内には玄奘三蔵の木像及び遺骨がお祀りされており、玄奘三蔵に関わるスポットとしては日本で最も立派な佇まいを見せる空間となっています。

玄奘三蔵院伽藍の回廊部分

回廊に取り囲まれたしっかりとした伽藍は、奈良の寺院としてはかなり異色の存在であり、ここでしか感じられない独特の風情を味わって頂けるようになっています。

大唐西域壁画殿

故平山郁夫画伯の巨大な壁画が展示される大唐西域壁画殿。内部の撮影は禁止されていますが、玄奘三蔵の旅路・シルクロードの文化を描いた圧巻の壁画は必見の存在になっています。

拝観情報

公開期間:毎年1月1日~1月15日・3月1日~6月30日・8月13日~8月15日・9月16日~11月30日

拝観料:大人1100円・中高生700円・小学生300円

※拝観料は玄奘三蔵院伽藍・白鳳伽藍共通であり、この拝観料で金堂・大講堂・東院堂なども含めて拝観して頂けます。

拝観時間:8時30分~17時(受付は16時30分まで)

アクセス

交通アクセス

近鉄西ノ京駅からから南西に徒歩3分

奈良交通バス「薬師寺」バス停から南西に徒歩3分

※白鳳伽藍北側拝観受付まで

近隣スポット

薬師寺白鳳伽藍北側拝観受付から北に徒歩2分・聚寶館から北に徒歩2分・鐘楼から北に徒歩3分・大講堂から北に徒歩3分・金堂から北に徒歩4分

薬師寺玄奘三蔵院伽藍周辺地図