観光のご案内
奈良時代の「お役所」を復原した建物です
推定宮内省は、奈良「平城宮跡」エリアの北東部、発掘の成果を展示する「遺構展示館」に近い位置に設けられた比較的大規模な「復原建物」です。
復原されている建物はかつてこの地に設けられていたとされる「宮内省」の建物であり、発掘調査の結果、奈良時代の間にも何度も建て替えられている事が判明していますが、奈良時代後半の宮内省の姿を再現したものとなっています。なお、宮内省は現在の宮内庁と同様、天皇家の身の回りに関わる業務を行うお役所であったと考えられています。
現在の平城宮跡では珍しく「朱色」の建材が用いられていません
かつての宮内省の建物は、重厚な瓦葺の「正殿」と周辺の檜皮葺の脇殿や倉庫などで構成されていたと考えられていますが、復元建物はそのうち檜皮葺の建物の方を復原しており、現在の平城宮跡では珍しいきらびやかな「朱色」の建材が含まれていない質素な雰囲気を漂わせる建築となっています。なお、周辺に復原されている築地塀については、格式の高さを感じさせる朱色の門も含めて復原されています。一部の檜皮葺の建物については、内部にかつての役人の執務で用いられたと推定されている椅子・机(正倉院宝物である多足机を復原)・書類を置いた棚厨子なども再現されており、大極殿や朱雀門といったダイナミックな復原建物とは異なり、かつての「平城宮の日常」に思いをはせることが出来るような空間にもなっています。
推定宮内省の風景
推定宮内省の周囲には重厚な築地塀が設けられており、こちらについては朱色の門・瓦葺という豪華な佇まいとなっています。
復原されたのは檜皮葺の建築のみであり、最も大きな建築であった瓦葺の「正殿」については復元されておらず、礎石のみが置かれている状況となっています。
檜皮葺の建築は複数棟が復原されており、平城宮跡では唯一建物が密集したエリアとなっています。
一部の建物は内部に正倉院宝物(多足机)を参考に復原された机、また椅子や棚厨子といった役人の執務に関わる備品も再現されており、当時の雰囲気に思いをはせることが出来ます。
推定宮内省は、立派な復原建物でありながら基本的に観光客は少なく、混雑することは基本的にない空間となっており、じっくりと歴史を味わうにはもってこいの観光スポットとも言える存在になっています。
次項では、施設情報をご案内致します。
施設情報
開館時間:9時~16時30分(入館は16時まで)
入館無料
休館日:月曜日(月曜が祝日の場合その翌日)・年末年始期間(12月29日~1月3日)
次項では、交通アクセスについてご案内致します。
アクセス(電車・バス)
近鉄・JR線各駅からのアクセス
・JR・近鉄奈良駅から「西大寺駅」行き乗車、「平城宮跡」下車、南西に徒歩2分
・近鉄大和西大寺駅から「JR奈良駅西口」行き乗車、「平城宮跡」下車、南に徒歩2分
ぐるっとバス(土日祝日・観光シーズンのみ運行)
・近鉄奈良駅から「ぐるっとバス大宮通りルート」乗車、「朱雀門ひろば」下車、北東に徒歩18分
近鉄大和西大寺駅から東に徒歩20分
※平城宮跡遺構展示館の近くには観光客向け駐車場(20台・無料)もありますが、この周辺の混雑状況に関わらず「平城宮跡エリア」全体の駐車場が少ないため、こちらに車が流れてきて満車となる可能性もあります。平城宮跡エリアへのおでかけには公共交通機関の利用を強くおすすめします。
周辺のみどころ・観光スポット
平城宮跡遺構展示館から南西にすぐ・第二次大極殿跡から北東に徒歩2分・造酒司井戸から南西に徒歩3分・平城天皇陵(市庭古墳)から南東に徒歩5分・第一次大極殿から東に徒歩5分・東院庭園から北に徒歩7分
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