元興寺禅室

【元興寺禅室】世界最古?の建築木材を使用した建物は本堂と同じルーツを有する

ごあんない

元興寺本堂と同じ「僧坊」を改造した建物

元興寺禅室(ぜんしつ)は、世界遺産「元興寺」の「本堂」の西側にほぼ一体化するような形で隣接する東西に長細い建物です。

禅室の歴史は、本堂と同じように鎌倉時代に東西に長く伸びる「僧坊」の建物を改造して設けられたものであり、現在は本堂とはわずかに切り離された形となっているものの、鎌倉時代の改築まではひとつながりの建物として機能していたものとなっています。

世界最古の「木造建築部材」を使用した?極めて貴重な建築です

禅室となった僧坊は本堂と同じく「新和様」の建築様式を持つ鎌倉時代の建築として、挿肘木・鼻隠板といった大仏様の意匠を持つなどかなりの部分で改造されているものの、平面構造などは本堂以上にかつての僧坊の佇まいを温存したものとなっており、使用されている部材は木材・瓦ともに僧坊時代からの部材が数多く残されています。瓦屋根については本堂西側の屋根瓦と同様、やはり禅室のの一部にも「飛鳥時代」の元興寺の前身寺院(法興寺・飛鳥寺)があった頃から使用され続けている大変古い屋根瓦が残されているほか、木材については敏達天皇11年(582年)に伐採された樹木が使用されているという研究結果もあり、飛鳥寺から元興寺に「移築」され、僧坊として使用されてきた建物が本堂や禅室のルーツとなっている可能性が高いと考えられているばかりか、世界最古の木造建築として名高い「法隆寺」を少なくとも「部材」の古さとしては上回るものになるという大変貴重な存在となっています。

禅室は、本堂と異なり通常時に内部を拝観することは出来ませんが、外観は周囲を1周する形でご覧になって頂けるようになっているほか、石仏・石塔がひしめきあう「浮図田」の風景・本堂の風景と合わせて写真に収めて頂く構図もおすすめとなっており、本堂と一体化した風景を境内のあちこちから味わって頂けるようにもなっています。

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元興寺禅室の風景

収蔵庫近くから望む禅室。東西に長細い建物は一見地味な存在ですが、屋根瓦に注目するととりわけ本堂に接する側の瓦が「行基葺」と呼ばれる末広がりの形をした瓦を組み上げた構造となっており、この中に「飛鳥時代」から変わらず使用され続ける瓦が現在も残されています。

軒の周りなどの建築様式は、「大仏様」と呼ばれる鎌倉時代特有の建築様式を見せる存在となっている禅室は、その「僧坊」というルーツ、そして同時期に改造されたという経緯も含め、本堂に似た部分も多い建物となっています。

北側から望む元興寺禅室

かつてはひとつながりであった本堂と僧坊は、わずかな隙間を設ける形で鎌倉時代以降は分離された構図となっています。

アクセス

元興寺本堂(極楽堂)は東に隣接・浮田図は南に隣接

近鉄奈良駅から南東に徒歩15分

JR奈良駅から東に徒歩20分

奈良交通バス

・JR奈良駅、近鉄奈良駅から「天理駅」・「下山」・「窪ノ庄」行き乗車、「福智院町(元興寺東口)」下車、西に徒歩5分

※元興寺境内まで

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