【福智院本堂】立派な地蔵菩薩さま=地蔵大仏をお祀りする鎌倉時代のお堂

ごあんない

福智院本堂は、ならまちエリアの小さなお寺である「福智院」境内最大の仏堂であり、内部には本尊である地蔵菩薩坐像がお祀りされています。

比較的狭い敷地となっている福智院の境内には、この本堂以外には大きな建物は一切なくこじんまりとした雰囲気のお寺となっていますが、「本堂」の建築自体は外側の町並みを歩きながらでもよく目立つ存在となっており、建築様式としては建長6年(1254年)に建立されたといわれる鎌倉時代の仏堂建築らしく内部(内陣)には一部で日本と中国の建築様式を合わせた「天竺様」と呼ばれる建築様式が採用されており、わずかに「異国情緒」を感じさせるものともなっています。なお、見た目からは1階部分と2階部分があるように見える本堂ですが、実際は2階部分に見える屋根は「裳階」と呼ばれる装飾性の強いものとなっており、内部(内陣)は2階部分がないために比較的上下の高さを感じさせる広がりのある空間となっています。

内陣に安置されるご本尊「木造地蔵菩薩坐像」は、鎌倉時代初頭の建仁3年(1203年)に造立されたと伝わる巨大な像であり、像高は3メートル近く、また台座や千体地蔵とも言われる500体にも及ぶ多数の小さな地蔵菩薩様を含んだ「光背」を含む高さは7メートルに及ぶ壮大なものであり、「地蔵大仏」と呼ばれるその存在は、近くにある十輪院の立派なご本尊のお地蔵様を越える規模を持っているほどです。なお、当初はこの立派な地蔵菩薩様は当時は「福智庄」と呼ばれた現在の奈良市下狭川町付近(東部山間部)にあったとされており、本堂建立とともにこのお寺に迎えられることになったとされています。

なお、本堂内陣にはこの他には伊勢の地から明治の廃仏毀釈の折に持ち込まれた秘仏であり宝冠を頂いた珍しい佇まいで知られる「宝冠十一面観音像(※春季・秋季の特別公開期間のみ拝観可能)」、南北朝時代に造立された中興の祖である「興正菩薩」の像も安置されています。

福智院(奈良)の本堂

福智院の案内板

【福智院】ならまちにある「玄昉ゆかりの寺」は巨大な地蔵菩薩坐像でも知られる

アクセス

名勝旧大乗院庭園から南東に徒歩2分、瑜伽神社から南に徒歩2分、奈良町天神社から南西に徒歩4分、十輪院から北西に徒歩4分、元興寺(極楽坊)から東に徒歩6分、史跡頭塔から西に徒歩7分

奈良交通バス

・JR、近鉄奈良駅から「天理駅」・「下山」・「窪ノ庄」行き乗車、「福智院町」バス停下車、北西に徒歩2分

近鉄奈良駅から南東に徒歩18分

JR奈良駅から東に徒歩22分

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