興福寺とはどんな所?

観光スポット・みどころ

当ページの内容を含め、奈良の観光スポットに関連する内容は原則としてコロナ禍前を中心とした状況に基づく「アーカイブ」的内容となっており、その後状況が変化している場合があります。
最新の状況については、各スポットに関する公式サイト、または観光協会などの情報発信などを別途ご確認下さい。

興福寺とは?

概要

興福寺(こうふくじ)は、「奈良観光」において「東大寺」・「春日大社」と肩を並べる存在感を持つ奈良を象徴する寺院です。興福寺の境内地は玄関口である近鉄奈良駅のすぐそばにあり、境内は奈良公園と一体化した存在となっており、塀などのない広々とした空間の中に中金堂・南円堂・五重塔といった各仏堂・建物が並んでいます。

藤原氏の氏寺として知られ、江戸時代までは奈良のまちに大きな影響力を及ぼし続けていた興福寺は、「国宝の宝庫」とも言えるほど多数の文化財(仏像など)を所蔵しており、阿修羅像に代表される仏さまは、専用の展示施設である「国宝館」をはじめ各お堂に多数安置されています。

歴史

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興福寺は奈良時代に創建された寺院ですが、ルーツをたどると藤原(中臣)鎌足ゆかりの「山階寺」・「厩坂寺(うまやさかでら)」に遡ります。

そのルーツからも分かるように、奈良時代の創建時も、それ以降においても「藤原氏」の氏寺としての機能を一貫して持ち続けて来たお寺であり、平安時代には藤原氏の権勢が強まるに応じて興福寺も大いに繁栄した歴史を持っています。

その後は幾多の戦災などにより大きな打撃を受けつつも、奈良における支配的な地位を保ち続け、江戸時代にかけてもかつてほどの勢力は失われたものの、東大寺と並び奈良を代表する寺院であり続けました。

最も苦難の時代となったのは、明治初頭の廃仏毀釈・神仏分離の時代であり、この時期に一時廃寺同然となるような状況に追い込まれますが、その後は観光寺院として復活し、平成の終わりには中金堂の再建という象徴的な「復興」を成し遂げて現在に至っています。

主な仏像・文化財

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興福寺は、20件を越える仏像彫刻の国宝をはじめ、膨大な数の文化財を保有しており、日本全国を見ても有数の規模の「国宝の宝庫」とも言える存在となっています。

特に有名な存在としては、阿修羅像で知られる「乾漆八部衆立像」・圧巻の表情を見せる「木造無著菩薩・世親菩薩立像」・飛鳥時代の「銅造仏頭」などがある他、その他にも多数の国宝仏像があり、比較的狭い境内でありながら、特別公開開催時などはじっくり拝観すれば半日以上は掛かるほどに多数の文化財をご覧頂けるようになっています。

境内・みどころのご案内

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興福寺については、東金堂・五重塔・中金堂をはじめ多数のみどころがありますが、東大寺や春日大社等と比べると境内は小さくなっており、長距離歩くようなことなくスムーズな拝観が可能なお寺となっています。

中金堂2018年に落慶した興福寺最大の仏堂・釈迦如来像が本尊
東金堂本尊薬師如来をはじめ多数の仏像を安置する空間・室町期の国宝建築
五重塔高さ50mの奈良を象徴する仏塔・現在の塔は室町期の国宝建築
南円堂朱色の美しい八角円堂(重文)は「西国三十三ヶ所」第九番札所
北円堂春と秋に特別公開される国宝建築は「無著・世親菩薩像」で有名
三重塔境内最古(平安期)の国宝建築・七夕の日のみ内部が特別公開
仮講堂通常非公開の空間・今後は「講堂」として整備の計画も
国宝館阿修羅像を筆頭に多数の国宝仏像が安置される「国宝の宝庫」
不動堂護摩法要が行われる空間・ススで真っ黒の不動明王像等が安置
一言観音堂「一つの願い」を成就するご利益が信仰を集める・「放生会」の会場
大湯屋非公開の「お寺のお風呂」(重文)・外観は沿道から見学可能
南大門跡基壇のみが復元された空間・中金堂を見渡す風景が広がる
西金堂跡(八重桜)礎石のみが残される・「八重桜」の隠れた名所として知られる
摩利支天石「宝蔵院流槍術」ゆかりの巨石
菩提院大御堂境内南側にある興福寺子院・「十三鐘」で知られる
旧大乗院庭園(境内外)境内から離れた場所にあるかつての門跡「大乗院」の庭園
本坊通常は非公開の寺務を行う空間・「涅槃会」や「三蔵会」の会場
會津八一歌碑大湯屋近くにある歌碑・興福寺を詠んだ歌が記される

特別公開

興福寺の境内では、中金堂・東金堂・国宝館は通年拝観可能ですが、北円堂・南円堂・三重塔は特別公開期間または年1回のみの公開となっています。また五重塔などは定期的な特別公開が行われていません。

最新の状況については変化している場合があります。興福寺の発信する公式的な情報で別途ご確認下さい。

場所日程
北円堂春と秋の年2回・それぞれ2週間程度公開
本尊木造弥勒如来坐像(国宝)
木造無著菩薩・世親菩薩像(国宝)
乾漆造四天王立像(国宝)
南円堂毎年10月17日
本尊木造不空羂索観音菩薩坐像(国宝)
木造四天王立像(国宝)
木造法相六祖坐像(国宝)
三重塔毎年7月7日
初層内部(本尊弁才天坐像・十五童子像・壁面仏画)

拝観情報

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拝観時間:国宝館・東金堂・中金堂共通:9時~17時(最終入場16時45分)
※境内散策は24時間自由

拝観料一般
国宝館700円
東金堂300円
中金堂500円
国宝館・東金堂共通券900円

興福寺については、通年拝観可能な場所は国宝館・東金堂・中金堂となっており、北円堂等については特別公開時のみ拝観可能となります。なお、南円堂については参拝は随時可能ですが、内部の拝観は特別公開時に限られます。

拝観料金は、国宝館・東金堂の連帯共通券を除きそれぞれの場所ごとに設定されており、北円堂・南円堂の特別公開時についても別途拝観料金が設定されます。

なお、一般・大学生以上の料金のほか、中高生・小学生・団体・障害者の料金種別も設けられています。

興福寺へのアクセス

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最寄り駅「近鉄奈良駅」から南東に徒歩約5分

JR奈良駅1・2番のりばからのバス利用・「県庁前」バス停下車、南に徒歩約3分
JR奈良駅から東に徒歩約15分

東大寺大仏殿から南西に徒歩約18分
または「東大寺大仏殿・国立博物館」前バス停からのバス利用・「県庁前」バス停下車、南に徒歩約3分

興福寺へのアクセスについては、最寄り駅「近鉄奈良駅」からの場合は徒歩5分ほどと、奈良市の主要観光地の中で最も交通の利便性の高い場所になっています。

JR奈良駅からの場合はバスのご利用がおすすめですが、徒歩でも15分ほどでアクセスすることが可能です。

また、東大寺・春日大社をはじめ市内各地の観光スポットからも比較的アクセスしやすい環境となっています。

車でのアクセスについては、渋滞や駐車料金の問題・駐車場混雑の可能性がありますので基本的には公共交通機関のご利用がおすすめですが、興福寺直営の駐車場がありますので、そちらをご利用頂くことも可能です。

周辺のみどころ・観光スポット・周辺地図

奈良公園界隈は、興福寺の東側から広がっています(登大路園地)。

猿沢池から北にすぐとなっています。猿沢池西端付近の石段を登ると「南円堂」前へ、東端付近の石段「五十二段」を上ると「五重塔」方面へアクセスできます。

奈良国立博物館から西に徒歩5分程度、春日大社参道またはバス通り沿いの歩道を通ってアクセス可能です。

荒池園地から北西に徒歩5分程度です。荒池園地にはかつての興福寺塔頭に関連すると推定されている「土塀」があることでも知られています。

奈良県庁(屋上広場)から南に徒歩5分程度です。県庁南西側の横断歩道を渡ると、そのまま興福寺の北参道へと入ります。

元興寺(ならまち界隈)から北に徒歩7分ほどです。元興寺東門を出たら左側(北)に真っすぐ進んでいくと、猿沢池前の石段(五十二段)に差し掛かり、そのまま石段を上ると興福寺境内に入ります。