【おふじの井戸】柳生家当主の「馴れ初め伝説」の舞台

ごあんない

柳生街道沿いにある小さな古井戸です

「おふじの井戸」は、奈良市東部の農村・山間部を貫く「柳生街道」沿い、「大柳生」地区と「柳生」地区の狭間に位置する小さな盆地のような空間である「阪原」地区と呼ばれるエリアにある古井戸です。

この井戸は、その「おふじ」というユニークな名の通り、「お藤」と呼ばれる阪原の里に住んでいた若い女性を、徳川家の剣術指南役として有名な「柳生一族」の当主であり柳生藩初代藩主でもある柳生宗矩(やぎゅうむねのり)が見初めた場所であり、少し珍しい「馴れ初め伝説」の舞台となっています。

柳生宗矩の馴れ初めは「意地悪な質問」がきっかけ

その「馴れ初め」のエピソードは、「お藤」がこの井戸を利用していつもと同じように洗濯をしていたところ、偶然柳生宗矩がこの井戸の近くを通りかかり、美しい顔立ちのお藤を見つけて名を尋ねるのみならず、何を思ったのかお藤に対し、「洗濯桶の中にある波の数はいくつか?」といった少し意地悪な質問をしたところ、お藤は決してひるむことなく「波の数は二十一でございます。」と答えたばかりか、「お殿様がここまでやって乗って来られた馬は何歩歩いたのですか?」と言うように言い返し、結果宗矩の方が恥をかくような格好となりますが、宗矩はむしろそのお藤の機転の利く姿、才気に惚れ込んで自らの妻としたというエピソードとなっています。

なお、このエピソードにちなみ、阪原の里には現在まで「仕事せえでも器量さえよけりゃ、お藤但馬の娘になる」という里歌が残されています。

柳生家ゆかりのスポットはその他にも多数存在しますが、どこか微笑ましいこのような伝説の伝わる地はここだけですので、柳生一族ゆかりの地を巡る際にはぜひお立ち寄りになってみてはいかがでしょうか。

「おふじの井戸」の風景

おふじの井戸

柳生街道沿いのみどころの一つになっている「おふじの井戸」。周辺は阪原集落の家並みのほか、畑や田んぼが広がるのどかな農村となっており、かつてこの井戸で洗濯をしていたとされる「お藤」の姿がイメージできそうな情景が広がっています。

古井戸は現在でも水をたたえており、お藤伝説に関わらず現在では少なくなった「井戸」そのものの姿を見ることができる貴重な空間にもなっています。

アクセス

各駅からのアクセス

JR奈良駅西口・近鉄奈良駅から奈良交通バス「柳生」・「邑地中村」・「石打」行き乗車、「阪原」バス停下車、東に徒歩4分

近隣スポット

南明寺から北東に徒歩3分・北出磨崖仏から南に徒歩11分・長尾神社から南東に徒歩11分

おふじの井戸周辺地図