観光のご案内
大勢の観光客が行き交う真横に佇む知られざる空間
竃殿(へついどの)は、春日大社本殿などからもほど近い「回廊」脇にある檜皮葺の建物(重要文化財に指定されています)であり、北側にある「酒殿」と南北に並ぶ存在となっています。
竃殿は、酒殿と同様平安時代の貞観元年(859年)に建立された深い歴史を持つものであり、一般的な「神社」そのものではありませんが、建物には御祭神としてかまどを守る「食」に関わる神様である「興津彦神(おきつひこのみこと)」・「興津姫神(おきつひめのかみ)」と呼ばれる神様がお祀りされています。
建物の内部では現在も「食べ物(神饌)」の調理が行われる
そのような「竃殿」の建物ですが、その役割としては、その名や御祭神からも想像できるように、春日大社のご祭神の神前にお供えする「神饌(食べ物)」を調理する「調理場」として設けられた場所であり、北側の「酒殿」で神様へのお酒が醸造されるのと同様、こちらも神様の「食」に関係する大変ユニークな施設となっています。春日大社の例祭でお供えされる神饌の「煮炊き」はこの場で行われており、一般の観光客からの知名度はほとんどないのが現状ではあるものの、非常に重要な役割を果たす施設として機能し続けてきた歴史を持っています。基本的に竃殿は外観の見学のみとなっており、内部をご覧いただくことは出来ません。
なお、例祭は春日大社の例祭の約1か月前、毎年2月の「撰日」に酒殿と同じタイミングで行われます。

竃殿の風景
酒殿の南側にあるのが「竃殿」。「へついどの」という呼び方は難読となっていますが、「調理」を行う場ということを意味しています。こちらは酒殿が東西方向に建っているのに対し、南北方向に建っており、近くから見るよりは門を越えて少し高い「回廊」上から眺める方が全体像を確認しやすくなっています。
次項では、周辺神社などについてご案内致します。
周辺神社・施設
「酒殿」:竃殿の北に隣接
「桂昌殿」:竃殿から酒殿横を通り北にすぐ
「内侍門」:竃殿から酒殿横を通り北にすぐ
「清浄門」:竃殿の北東に隣接
「慶賀門」:竈殿の南西に隣接
「砂ずりの藤」:竃殿から南東にすぐ(竃殿近くにある「慶賀門」を通り抜け回廊の内側に入るとすぐの場所にあります。)
次項では、交通アクセスについてご案内致します。
アクセス(電車・バス)
奈良交通バス「春日大社本殿」バス停・ぐるっとバス(通年運行)大宮通りルート「春日大社」バス停(いずれも同じ位置)から東に徒歩3分
※国宝殿北側から「桂昌殿」方面へ抜けて頂いても、国宝殿の南側すぐの位置から社務所・景雲殿方面へ抜けて頂くルートのいずれからでもアクセス可能です。