【比賣神社】「高貴な姫君の墓」と伝わる小さな古墳の上に建つ神社

比賣神社(奈良・高畑) 観光スポット・みどころ

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新薬師寺正面に「鏡神社」と共に並ぶ

比賣神社(ひめじんじゃ)はならまちエリアからの町並みが続く「高畑」エリアの東端部、「新薬師寺」に隣接する位置にある小さな神社です。

神社は隣接する「南都鏡神社」の摂社となっており、新薬師寺を守護するように新薬師寺の門前に南都鏡神社本体と比賣神社が並ぶような形となっています。

神社は「姫君の墓」と伝わる古墳の上に建つ

神社自体はその創建が昭和56年(1981年)と大変新しいものとなっていますが、元より神社のある小さな空間は「比賣塚」と呼ばれる小さな古墳がある場所であり、「高貴の姫君の墓」という言い伝えのある場所として知られていました。また日本書紀の記述によると「天武天皇6年(678年)4月14日に十市皇女(天武天皇第一皇女)を、天武天皇10年(682年)に氷上娘(藤原鎌足の娘)を『赤穂』の地に埋葬した」とされており、その「赤穂」の地と呼べる場所は近隣の「赤穂神社(こちらも南都鏡神社の別社)」周辺しか見られないため、比賣塚がその墓所であると推定できることもあり、地元住民などの尽力により神社が創建されることになりました。

神社の主祭神は十市皇女(とうちひめみこ)、脇座は市寸嶋比売(いちきしまひめ)となっており、小さな境内地にはしっかりとした本殿の建物が設置されています。また小さな境内の西側には「神像石」と呼ばれる4つの比較的大きな石が置かれており、こちらは大友皇子・十市皇女(祭神)から葛野王とその王妃(祭神の子)、池辺王とその王妃(祭神の孫)淡海三船公とその公妃(祭神のひ孫)までをお祀りする石となっています。また絵馬が奉納されている脇には万葉集の「河の上の斎つ岩群に草むさず 常にもがもな常処女にて」という歌が記された小さな歌碑も設置されています。

現在は「縁結び」の神様として信仰されている比賣神社(ひめじんじゃ)。神社は新薬師寺の拝観を行う際にも必ず通り過ぎる場所(新薬師寺の拝観受付の真横)に位置していますのでぜひ周辺を訪れた際には参拝してみてはいかがでしょうか。

比賣神社のみどころ・風景

比賣神社(奈良・高畑)

新薬師寺境内に隣接する道路脇にひょっこりと佇む比賣神社。小さな境内には、確かに「古墳」のある場所に神社を設置していることが分かるような高低差が確認できます。

比賣神社(奈良)本殿

昭和に建てられた本殿の建物は神社の規模にしては重厚感を感じさせるものとなっています。

比賣神社の神像石

本殿の脇にあるのが十市皇女以降4代をお祀りした神像石。古墳の上にある巨石からは、どことなく神秘的な雰囲気が感じられます。

神像石について解説した案内板も設置されています。

皇女の姿を象ったと思われる比較的新しい石像も設置されています。

神社の主祭神は十市皇女・脇座は市寸嶋比売となっています。

アクセス(電車・バス)

近鉄・JR線各駅からのアクセス

奈良交通バス

・JR、近鉄奈良駅から「市内循環外回り」・「中循環外回り(近鉄奈良駅からのみ)」・「山村町」・「藤原台」・「鹿野園町」・「奈良佐保短期大学」行き乗車、「破石町」バス停下車、南東に徒歩10分

比賣神社周辺地図

新薬師寺周辺は破石バス停からはやや離れていますが、徒歩でアクセス可能な範囲です。