【轟橋(南都八景)】歩道に埋め込まれた石材が小さな橋の唯一の面影

概要

「轟橋」は、室町時代以降に伝わるようになった奈良の風光明媚な風景を集めた「南都八景」のうちの一つに含まれる「轟橋旅人」の舞台となったかつて存在した小さな橋です。橋は現在の「みとりい池」の脇の京街道と交差する小川に掛かっていたとされており、現在は「轟橋」の石碑とともに、道路わきの歩道に橋の石材の一部と思われる長方形の石が埋め込まれています。

なお、「轟橋」を巡っては、少し北の京街道沿いに流れる吉城川に現在も掛かる「威徳井橋」が「轟橋」であるという説もあり、歩道の石は単なる樋口に設置された石蓋であるとの解釈もあるようですが、現在一般にはこちらのみとりい池西側の部分が「轟橋」であると解釈されています。

轟橋を巡っては、「轟橋旅人」という「風景」がどのようなものであったのか記録に乏しい状況ですが、往時の雰囲気を感じさせるものとして、藤原定継により以下のような和歌も残されています。

「うち渡る人めも絶えず行駒の踏むこそならせととろきのはし」

なお、周辺は南都八景のうち「雲井坂雨」の舞台にもなっており、その「雲井坂」にもあたる場所となっており、そちらも是非確認しておきたいところです。

雲井坂―かつての急坂はバス通りに姿を変える

アクセス

近鉄奈良駅から東に徒歩11分

JR奈良駅西口・近鉄奈良駅から奈良交通バス「青山住宅」・「州見台八丁目」行き乗車、「押上町」下車、南東にすぐ

周辺地図