基本情報
近鉄奈良駅の近くにある立派なお寺
蓮長寺(れんちょうじ)は、奈良観光の拠点である「近鉄奈良駅」からすぐの位置、ほぼ全ての路線バスが通る奈良のメインストリートの一つ「大宮通り」沿いにあるお寺です。
お寺は決して観光スポットとして広く知られている訳ではありませんが、境内の整備や案内板などもしっかりと設置されている行き届いたお寺となっています。
日蓮上人ゆかりの地
歴史は、奈良市内のお寺としても比較的古い部類に入るものであり、その当初は喜見城院と呼ばれ、東大寺別当を務めた「勤操」と呼ばれるお坊さまが多くのお寺の創建に関わった際に造られたお寺の一つであるとされており、創建年代は奈良時代の末期にまでさかのぼると言われています。また、時代は変わり鎌倉仏教の時代になり、日蓮宗の開祖である日蓮上人が仏教研究のために奈良に滞在した際には、「喜見城院」が拠点となり、長期に渡り滞在したとされています。
その後は、その「日蓮上人」滞在の御縁もあってか室町時代には日蓮宗の寺院に改宗し、京都の本国寺から住職をお招きし境内地の整備を行い、その後一時荒廃するものの、江戸時代には再び本国寺などの支援のもと復興を成し遂げ、現在の境内地は江戸時代に整備されたものが基本となっています。
なお、現在も立派にその姿を留めている「本堂」の建物は、かつての大和郡山城城主であった「豊臣秀長」が建立したお寺「西岸寺」の本堂を移設したものと言われており、このお寺は豊臣家ゆかりの地にもなっています。
天井画が面白い
境内は立派な本堂、またお寺の中に神様をお祀りする番神堂、鐘楼などのみどころがありますが、とりわけ興味深いものとしては、本堂の天井下(堂内に入らなくても見える場所にあります)に描かれた天井画があります。
天井画は本堂の入り口付近の天井一面に描かれており、天女や龍が描かれた絵がありのまま保存されている壮観な姿を目にすることが出来ます。
蓮長寺のみどころ・風景
参道

多くのバスなどが行き交う「大宮通り」の北側に細く伸びる参道。一見お寺があるとは気づきにくい場所ではありますが、坂を上れば立派な境内地が広がっています。
山門

坂を上りきると立派な山門が現れます。
本堂

山門を抜けると美しく整備された広々とした敷石の空間が広がり、正面には堂々たる佇まいの本堂が現れます。


本堂は外側に開かれたオープンな構造となっており、天井には龍や天女の描かれた天井画が、外気に触れる形でそのまま保存されています。

天女らの姿がはっきりと描かれた天井画は奈良市内のお寺では珍しい存在となっていますが、その存在を知っている人は少なく、まさに「隠れたみどころ」と言える存在になっています。







番神堂

境内の西端には、日蓮宗が広めた1か月の30日間、毎日違う神様が国家・国土を御守りしてくださるという神仏習合の「番神信仰」に基づく「番神堂」が設けられています。
妙見堂

鐘楼

境内の東側には市内のお寺の中でも有数の規模と言ってよい「鐘楼」が設けられています。

その他境内地
















次項では、交通アクセスについてご案内致します。
アクセス(電車・バス)
近鉄・JR線各駅からのアクセス
近鉄奈良駅から西に徒歩5分
JR奈良駅から北東に徒歩9分
奈良交通バス各路線「油阪船橋商店街」バス停から北東に徒歩3分
周辺のみどころ・観光スポット
西方寺から東に徒歩2分、念仏寺から北西に徒歩3分、称名寺から南西に徒歩6分、漢国神社から北西に徒歩6分、開化天皇陵から北西に徒歩7分