観光のご案内
南円堂と向かい合う位置に佇む「不動明王」を祀るお堂
興福寺不動堂は、世界遺産「興福寺」境内でもとくに参拝者の多い観光スポットである「南円堂」のすぐ近く、東を向く南円堂と向かい合う位置に西向きに建っているごく小さなお堂です。
お堂は「不動明王」をお祀りする空間となっており、一見地味な外観ながらも、時折熱心な参拝者が訪れる場所としても知られています。
護摩供養が行われる堂内はススだらけ
不動堂のユニークなみどころとしては、堂内で火を焚きあげながら行われる「護摩法要」が実施されるという特徴があり、その証明ともいえるように、お堂は外壁の一部まで黒くススに覆われているほか、堂内は不動明王像も含め、あちこちが黒いススで覆われた独特の風景を見せています。
ちなみに、お堂の内部は基本的に外から眺めることが出来るようになっているため、誰でも貴重な「漆黒の不動明王像」を気軽に拝観して頂けるようになっています。
なお、このような不動堂は、「東大寺」の三月堂・二月堂の裏手にもあり、こちらでもやはり火を焚きあげる法要が行われています。
護摩木の奉納も
お堂の前には「護摩法要」で焚き上げられると思われる「護摩木」が300円で販売されており、こちらを奉納することで、厄除け祈願などを行うことも可能となっています。
「南円堂」界隈にお越しの際は、南円堂本体、そして隣接する「一言観音」にお参りするのみならず、この「不動堂」にもお参りして、護摩木を奉納してみてはいかがでしょうか。
興福寺不動堂の風景
南円堂の正面にあるお堂は、外観自体はかなり質素なものであり、近くにある「一言観音堂」と並んで気づきにくい存在となっていますが、よく見ると焚き上げられた煙がのぼる向きに合わせる形でお堂の外壁にも「スス」が付着していることが分かります。
お堂の前には、奉納するための護摩木が一つ300円で提供されています。なお、こちらは御朱印授与・納経所で受け付けるものではなく、「セルフサービス」となっています。
堂内は立ち入りは出来ませんが、扉が開いているため外から拝観して頂けるようになっています。お堂の奥に並べられた仏さまが一様にススを被って黒ずんでいることが良く分かります。
漆黒の不動明王像は、お顔はススに覆われているためよく見えませんが、違う時間が流れているかのような独特の雰囲気を漂わせています。
次項では、交通アクセスについてご案内致します。
アクセス(電車・バス)
近鉄・JR線各駅からのアクセス
近鉄奈良駅から南東に徒歩6分
JR奈良駅から東に徒歩15分(近鉄奈良駅までバスを利用してそこから徒歩でアクセスして頂いても構いません。)
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