【一覧】奈良市内の「花の名所(花の見頃)」まとめ

各種お役立ち情報

この記事では、奈良市内にある有名な「花の名所」とその「見頃」について、季節ごと・お花ごとに一覧形式でご紹介して参ります。

奈良市内は、月ヶ瀬梅林や霊山寺のバラなどを筆頭に、蓮の喜光寺、花しょうぶの柳生花しょうぶ園、萩の白毫寺など季節折々の花を楽しめるような身近な観光スポットが多数あります。

また、混雑が余り見られないスポットもあり、場所によっては比較的静かな環境で花をお楽しみ頂けるようにもなっています。

各スポットの状況(開花状況・拝観などが可能な時間・休業の状況)は各年ごとに変化している場合があります。こちらの情報はコロナ禍前の状況などを前提としたものです。最新の状況は各スポットなどが個別に発信する公式的な情報または観光協会などの発信する情報をご確認下さい。

春の花

月ヶ瀬梅林

規模:10000本 見頃:2月中旬~3月下旬

関西最大規模、全国でも有数の梅の名所である「月ヶ瀬梅林」は、一見「奈良市内」とは思えない奈良市最東端の月ヶ瀬地区の名張川沿いに広がっています。

通常時はアクセスが不便な月ヶ瀬梅林ですが、梅林の見頃にはJR・近鉄奈良駅から臨時急行バスが運行されるほか、JR月ケ瀬口駅からも三重交通の臨時バスが運行(新型コロナウイルスの影響を受ける前の状況)されます。

なお、見頃には「梅まつり」も開催されるなど観光客でにぎわいを見せます。奈良市内の花の名所としては「最大規模」かつ知名度も最も高い観光名所となっています。

奈良公園(片岡梅林)

規模:250本 見頃: 2月下旬~3月中旬

月ヶ瀬梅林などと比較すると極めて小さな梅林ではありますが、奈良公園内「飛火野」の西側、浮見堂の北側に広がる「片岡梅林」は奈良駅周辺では貴重な梅の名所となっています。

追分梅林

規模:数百本 見頃:2月上旬~3月中旬

奈良市西部、矢田丘陵沿いに広がる「追分梅林」。

こちらは平成20年頃までは月ヶ瀬梅林に次ぐ圧倒的な規模を誇る梅林として有名観光スポットとなっていましたが、病害により一度梅の木が壊滅し、現在「復興」が進められている状況となっています。

規模はかつての4千本からは大幅に減少していますが、近年は一部で再び梅が咲きはじめ、小さなイベントなども開催されるようになっています。

その他のスポット

秋篠寺元興寺(極楽坊)東大寺境内・平城宮跡などでも2月~3月頃にはちらほらと咲く梅を楽しむことができます。

椿

白毫寺(五色椿)

見頃:3月下旬~4月中旬

白毫寺の椿は、赤・白・ピンクやそれらが混じった色など、美しくカラフルな「五色椿」と呼ばれる椿で有名となっています。

椿は咲き誇る際のみならず、苔むした地面に落ちてからも大変美しく、見頃には数多くの写真愛好家らが訪れます。

護国神社

見頃:3月中旬~4月中旬

戦没者を祀る奈良県護国神社では、万単位の数で咲き誇る奈良市最大の「椿の名所」を楽しむこともでき、見頃には椿を一目見ようと観光客などの姿も見られます。

なお、見頃の時期には境内では「椿まつり」も開催されます。

伝香寺(ちり椿)

見頃:3月下旬~4月上旬

花びらが散る様が大変美しいことから、「散り椿」や「武士椿(もののふつばき)」と呼ばれる伝香寺の椿。

お寺の知名度は大規模なお寺ほどではありませんが、奈良市内有数の椿の名所として美麗に散る椿を一目見ようと観光客が訪れる「穴場」スポットとなっています。

その他のスポット

この他には、元興寺(極楽坊)・法華寺(華楽園)・唐招提寺境内・春日大社(若宮神社)周辺でも美しい椿を味わって頂けます。

とりわけ春日大社の「若宮椿」は5月頃まで味わえるなど、その他の椿と異なり見頃が長いという特徴があります。

なお、「椿の名所」としては「東大寺開山堂」も椿の名木「のりこぼし」で有名となっていますが、残念ながら椿の見頃には拝観することができません。

馬酔木

奈良公園・春日大社境内各所(飛火野界隈など)一帯

見頃:3月下旬~ 5月上旬

春の風景に更なる彩りを添える「馬酔木」は奈良公園一帯に広く群生しており、春日大社境内 (ささやきの小径)・ 東大寺境内各所でも見られるようになっています。

雪柳

海龍王寺

規模:150本 見頃:3月下旬~4月上旬

奈良最大の「雪柳(ユキヤナギ)」の名所として知られる古刹「海龍王寺」は、見頃になると白く美しい花に境内が包まれ、幻想的な風景が広がります。

その他のスポット

奈良市内では、このほか法華寺境内・興福院周辺などでも雪柳を味わうことができます。

海龍王寺・法華寺・興福院はいずれも奈良市街地北側の「佐紀・佐保路」に位置するお寺であり、散策しながら複数の「雪柳」の名所を見て回ることが出来るようになっています。

レンギョウ

不退寺

見頃:3月下旬~4月上旬

黄色の美しい花を咲かせる「レンギョウ」は、奈良市内では法華寺などからも近い位置にある在原業平ゆかりのお寺「不退寺」がその名所となっています。

桜については、「佐保川」の桜並木奈良公園や氷室神社の桜平城宮跡の桜、また4月以降の九重桜・八重桜など、奈良市内のあちこちに「桜の名所」があります。

奈良市内の桜の名所は、一部を除き奈良県随一の桜の名所である「吉野山」などのような混雑は見られず、ゆったりと「お花見」がしやすい環境です。

「桜の名所」については、下の記事で詳細に解説していますので、そちらをご覧ください。

ツツジ

依水園

見頃:4月下旬~5月上旬

奈良で最も美しい庭園とも言える東大寺境内に隣接する「依水園」では、春になると平戸ツツジ、霧島ツツジが新緑とともに咲き誇ります。

十輪院

見頃:4月下旬~5月上旬

規模は小さなものですが、石仏で有名な「十輪院」でも、本堂の美しい建築を囲むように平戸ツツジが咲き誇ります。

その他スポット

いわゆる「観光地」ではありませんが、奈良市内を貫く主要な道路である「やすらぎの道」沿いには、近鉄奈良駅から鴻ノ池陸上競技場周辺にかけてや、学園前エリア周辺などでツツジが一面に咲き誇ります。

また、帯解寺や、春日大社萬葉植物園などでも美しいツツジを見ることができます。

ぼたん

元興寺極楽坊

見頃:4月中旬〜5月上旬頃

元興寺塔跡

見頃:4月中旬〜5月上旬頃

一見民家のような空間にも見える穴場観光スポット「元興寺塔跡」では、桜やチューリップが咲き誇った後には、「牡丹(ボタン)」が華やかな色合いで咲き誇り、新緑と美しい共演を見せてくれます。

春日大社境内一帯

見頃:4月下旬~5月上旬

藤原氏の氏神らしく「藤」があちこちに咲き誇る春日大社ですが、その中でもとりわけ立派な「藤」としては、本殿の近くにある「砂ずりの藤」と呼ばれる巨大な藤、また若宮神社を包み込むように咲き誇る「八ツ房の藤」があります。

春日大社萬葉植物園

見頃:4月下旬~5月上旬

天然の藤のみならず、多種多様な藤をじっくりと鑑賞したい方におすすめなのは、春日大社が運営する「萬葉植物園」内の藤。

20品種、200本もの藤が咲き誇る園内は見頃には圧巻の風景となり、日本有数の藤の名所と言っても差し支えない空間が広がります。

興福寺境内

見頃:4月下旬~5月上旬

興福寺境内には、南円堂のすぐそばに「左近の藤(南円堂藤)」と呼ばれる藤があり、朱色が鮮やかな南円堂の建物と藤棚に咲き誇る藤の絶妙なコラボレーションをお楽しみいただけます。

奥飛火野

見頃:4月下旬~5月上旬

一般に観光スポットとしては扱われていませんが、飛火野の更に奥にある「奥飛火野」と呼ばれる空間では、咲き誇る天然の藤をご覧頂けます。

カキツバタ(杜若)

法華寺

見頃:5月中旬

春季と秋季のみ特別公開される「名勝庭園」では5月になると「カキツバタ」が咲き誇り、庭園の水辺が美しい紫色に包まれます。

依水園

見頃:5月中旬

薔薇

霊山寺

規模:約200種2000本 見頃:5月上旬~6月上旬

奈良市内最大の「バラ」の名所として知られる「霊山寺」のバラ園。

多種多様な色合いのバラが咲き誇るバラ園は、一般的「奈良」のイメージとはまた少し違ったエキゾチックな風景を楽しめる空間として、大勢の観光客でにぎわいを見せます。

夏の花

黄菖蒲

不退寺

規模:800本 見頃:5月下旬~6月中旬

杜若と同じ時期、もしくは少し後に咲き誇る「黄菖蒲」は、不退寺境内の池の水辺などを黄色に染め上げ、春から初夏へと移り変わる季節感を感じさせる風景を生み出しています。

菩提樹

西大寺

見頃:6月中旬

西大寺には、「愛染堂」の前に西大寺中興の祖である叡尊上人が直々にお手植えになったとも伝わる樹齢約800年の菩提樹があり、美しい黄色い花々が初夏を彩ります。

十輪院

見頃:6月中旬

花ショウブ

柳生花しょうぶ園

規模:園面積1万平方メートル 見頃: 6月上旬~7月上旬

奈良市唯一かつ最大規模の「花しょうぶ」の名所は、奈良市街地から離れた奈良の奥座敷、「剣豪の里」柳生エリアにある「柳生花しょうぶ園」。

こちらでは圧倒的な規模のしょうぶ畑のみならず、アジサイも数多く咲いており、初夏のみずみずしい風情を存分に味わって頂くことができます。

アジサイ(紫陽花)

般若寺

見頃:6月

新薬師寺

見頃:6月

元興寺境内

見頃:6月

柳生花しょうぶ園

見頃:6月

奈良春日野国際フォーラム甍内日本庭園

見頃:6月

※奈良市内には、隣の大和郡山市の「矢田寺」ほどのあじさいの名所はありませんが、お寺などの境内にちらほらと咲くあじさいを楽しむことが出来ます。

コスモス(初夏咲き)

般若寺

規模:万単位で多数咲き誇る 見頃:6月

「コスモス寺」として広く知られる般若寺は、「秋咲き」コスモスほどの規模はありませんが、初夏にもたくさんのコスモスが咲き誇り、「アジサイ」と「コスモス」の共演を楽しんで頂くこともできます。

蓮(ハス)

喜光寺

規模:200鉢 見頃:6月下旬~8月上旬

奈良で最も有名な「蓮の寺」として広く知られる「喜光寺」。

本堂を背景に咲き誇る蓮の花を写真におさめようと、蓮の見ごろには数多くの写真愛好家、観光客が訪れます。

なお、蓮の花はどのスポットでも基本的に朝早いほど美しく花が開き、昼から午後にかけては花が閉じてしまう傾向がありますのでご注意下さい。

薬師寺

規模:250鉢 見頃:6月下旬~8月中旬

世界遺産「薬師寺」も蓮の名所として知られており、鐘楼周辺などの境内に蓮の鉢が並べられています。

唐招提寺

規模:50鉢 見頃:7月~8月

同じく世界遺産の「唐招提寺」の境内にも本坊前など複数の場所に蓮の鉢が並べられており、緑の多い境内を一層さわやかな風情で包み込んでいます。

元興寺

規模:50鉢 見頃:7月~8月

その他のスポット

この他には、ならまちの十輪院や奈良国立博物館前の池などでも蓮を見て頂くことができます。

百日紅(サルスベリ)

奈良公園

見頃:7月中旬~8月下旬

「花」の名所が少し少なくなる夏場のシーズンですが、奈良公園内では浮見堂周辺と浮雲園地周辺を中心にたくさんの「百日紅(サルスベリ)」の可憐な花を目にすることが出来ます。

東大寺講堂跡

見頃:7月中旬~8月下旬

秋の花

白毫寺

見頃:9月下旬

「萩の寺」として広く知られる白毫寺は、とりわけ参道(石段)周辺に群生する萩はお寺の古めかしい風情とあいまって大変美しい風景を生み出します。

また、萩の近くから生駒山と奈良市街地へ向けて広がるすがすがしい眺めも魅力です。

元興寺(極楽坊)

見頃:9月中旬~ 9月下旬

ならまちの世界遺産、「元興寺(極楽坊)」でも、本堂を包み込むように数多くの萩の花が咲き誇ります。

元興寺塔跡

見頃:9月中旬~ 9月下旬

知名度は低いですが、「元興寺」の「塔跡」では、境内一帯が萩の花に包まれるような風景が広がり、ならまちの「裏庭」とも言えるような独特の風情を味わうことが出来ます。

新薬師寺

見頃:9月下旬

十二神将像で知られる薬師寺も萩の名所となっており、「白毫寺」とも近いため、萩の名所を合わせて巡るのもおすすめとなっています。

唐招提寺

見頃:9月下旬

世界遺産の唐招提寺でも境内に萩が美しく咲き誇り、美麗な奈良時代の建築である「金堂」を背景に萩の花の写真を撮影することも出来ます。

その他のスポット

薬師寺秋篠寺円成寺などでも9月中旬~下旬ころを中心にちらほらと咲く萩の花をお楽しみいただけます。

コスモス

般若寺

規模:万単位で多数咲き誇る 見頃:9月下旬~10月下旬

関西有数のコスモス畑が広がる「般若寺」は、初夏咲きのコスモスも美しいですが、秋咲きのコスモスはそれを上回る圧倒的な規模を誇るものとなっています。

お寺が完全にコスモスに包み込まれたような幻想的な風景を一目味わおうと、見頃には平日・休日を問わず多くの観光客でにぎわいを見せます。

阪原の里

見頃:10月上旬~10月下旬

奈良市街地から柳生方面へ向かうバスで40分ほどの位置にあるのどかな農村「阪原」地区では、国道沿いの田畑一帯にコスモスが咲き誇り、農村風景とコスモスを同時に楽しめる空間となっています。

ススキ

平城宮跡

規模:宮跡内全体 見頃:10月~11月

奈良県内では曽爾高原が有名な「ススキ」の名所として知られていますが、奈良市内では有名な「平城宮跡」が驚くほどのススキの名所となっています。

草原にあまりにもごく普通に群生しているので、「観光資源」として扱われている訳ではありませんが、美しいススキと大極殿・朱雀門の共演は実に感動的な風景となっています。

なお、平城宮跡は近鉄電車で奈良駅に行く際に必ず通過する場所ですので、車窓からススキを眺めてみるのもおすすめとなっています。

若草山

見頃:10月~11月

平城宮跡以外には、奈良を代表する観光地である「若草山」も山頂付近などに数多くのススキが群生しており、奈良盆地の眺めを味わいながら秋の風情を存分に感じて頂くことが出来ます。

ウワナベ古墳・コナベ古墳周辺

見頃:10月~11月

薔薇

霊山寺

規模:80種500本 見頃:10月中旬~11月中旬

春にもバラが咲く霊山寺では、秋咲きのバラもまた見事なものとなっており、園内で花を見るのみならず、お寺の喫茶店ではローズティやバラのアイスクリームなどもお楽しみいただけます。

紅葉

奈良市内の紅葉の名所は、奈良公園周辺を中心に、正暦寺、円成寺、また平城宮跡や月ヶ瀬湖界隈など様々なスポット、エリアで楽しんで頂けるようになっており、紅葉シーズンは1年で最も観光客の多い時期の一つにもなっています。

紅葉スポットの詳細については、以下の記事で詳しく解説していますので、そちらをご覧ください。

奈良市内には、京都などと比べると有名スポットは少ないものの、美しい紅葉を味わえる空間が多数あります。

冬の花

南天

正暦寺

規模:1000株以上 見頃:11月下旬~12月上旬

さざんか

平城宮跡・新薬師寺・不退寺・漢國神社

見頃:1月~2月

冬に見頃を迎える花はその他の季節と比べると少なくなりますが、「さざんか」はとりわけ平城宮跡では数多く咲き誇る他、この他に新薬師寺不退寺漢國神社でもご覧頂けるなど、冬の寒々とした奈良の風景の中ではひときわ目立つ存在となります。

スイセン(水仙)

般若寺

見頃:12月~2月

コスモスの印象が強い般若寺ですが、冬になると境内は美しいスイセンの花で彩られ、コスモスの鮮やかさとはまた違った雰囲気を味わうことが出来ます。

コスモスのシーズンと比べると観光客も少なめですので、落ち着いた雰囲気の中で「花のある風景」を楽しみたいのであれば、冬の般若寺は強くおすすめ出来るスポットです。

元興寺

見頃:1月~3月