【カメラ日和】奈良の「天気・気候」の特徴ってどうなってるの?【春夏秋冬】

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奈良市は日本屈指の「安定した気候」を持つまちの一つです

この記事では、奈良市へ移住を検討されている方へ、また奈良観光に訪れる方のちょっとした参考にして頂けるように、「奈良」のまちの気候・天候の特徴についてそれぞれの季節ごとにまとめていきたいと思います。

奈良市は四季折々の寒暖差が明瞭な土地ですが、荒れた天気になることは少なく、雪もあまり降らないなど、非常に穏やかな気候が特徴となっています。

季節ごとの気候を確認する前に

地域によって全く違う「気温」

大阪や東京23区内のように、それほど極端な標高差がないまちであれば余り考える必要はないのですが、奈良市は市街地エリアと東部の大和高原エリアで驚くほど違う気候となっています。

大和高原エリアは市街地と比べて5~6度程度気温が低くなることもあり、冬などは新潟市や仙台市などよりも寒い気温になるため、かなり寒い地域となっています。逆に言えば、市街地は大阪の都心部と比べれば幾分かは気温が低いとは言え、どちらかと言えば温暖なエリアとなっており、京都や大津などと大きな違いを感じるような気温にはなっていません。

天気予報などの見方

恐らく誰でもわかることであるとは思いますが、奈良市街地の天気を考える際には、天気予報では「奈良県北部」のマークをご覧いただくことになります。

また、週間予報で「大阪」の気温だけが表示されているような場合は、奈良の気温は基本的には最高気温は大阪と同じくらい、最低気温は大阪よりも2度から3度ほど低いと考えて頂ければよいでしょう。

また、警報は「奈良市」という単位で発表されています。警報に関しては、奈良市内の一部地域で土砂災害が起こりやすいエリアがあるために、「洪水警報」以上に「大雨警報」が発令されやすい傾向にあります。

奈良の気候・天気の特徴 <春>

4月下旬までは時々寒い

奈良の春。それは、基本的にはかなり「穏やかなシーズン」と言える存在ですが、気温差は一年でも最も大きなシーズンとなっています。

とりわけ、朝に「布団から出たくない」寒さ、すなわち0度近くの寒さになるようなことは4月でもあったりしますので、決して昼間の温かさに油断することのないようにしてください。

昼間は30度近くなることも多い

その「昼間の温かさ」。全ての日で温かくなる訳ではありませんが、4月中旬を過ぎる事には既に25度以上くらいになることもあったりするなど、汗ばむ陽気になることは珍しくありません。

気温差が大きい日は、昼の気温は25度前後くらいでも朝の気温が10度未満となる場合があります。昼間は半袖に近い服装で、夜はしっかりとした上着を着たくなる、このような気温差は東京や大阪ではあまり見られない気温差ですので、体調管理には少しばかりお気を付け頂ければと思います。

5月はとにかくよく晴れる

寒暖の差の大きい4月を越えて、朝の寒さが和らぐ5月になると、梅雨が早いような年でない限りは、とにかく良く晴れた日が続きます。夏や冬のように、午後になるとなんだか雲が多くなる。といったようなことも少なく、まさに美しい五月晴れが続くシーズンは、一年で最も観光しやすい時期としても知られています。


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奈良の気候・天気の特徴 <夏>

梅雨シーズンはそれなりにある

奈良は、一般には雨の少ないエリアと言われていますが、だからといって梅雨シーズンがない訳ではありません。

確かに、「雨量」自体はもっと多い地域はあると言えますが、「晴れの日の少なさ」、「雨の日の多さ」という意味では、全国各地とそれほど変わりはありません。

ひどい年は、7月に入ってから10日くらいほとんど晴れ間が見られないような年もありますので、奈良のまちで暮らしても、「空梅雨」でないしっかりとした梅雨シーズンの年には「洗濯物」の処理で困ることにはなるわけなのです。

雷は鳴るけど雨が降らないことも

全国各地で問題となっている「ゲリラ豪雨」。奈良市でも時折とんでもない強さの雨が降ることがあり、一部で浸水被害が出たようなこともありますが、基本的にはその頻度自体はそれほど多くないというのもまた確かです。

7月や8月には、午後になると急に空が暗くなり、雷が鳴るというようなことはかなり頻繁にありますが、近くで雨が降っていても、それが奈良市街地を必ずしも直撃しない場合も多かったりするのです。

もちろん、運が悪いときはとんでもない雨が降ることがあります。後ほども述べるように、奈良は雨にはかなり弱いまちです。少しの時間の雨でも浸水被害に発展する場合がありますので、用心するに越したことはありません。

暑いが極端な猛暑は少ない

奈良の夏。それは間違いなく「暑い」。それ自体には間違いありません。しかしながら、全国を見渡すともっと暑いまちはいくらでもあることも確かです。

奈良は関東平野の一部のように40度近い暑さになることは異常事態が起こらない限りまずありませんし、京都が37度くらいの暑さになる時でも、奈良はどうにか35度くらいでおさまる場合が多くなっています。

また、冬が寒いのと同様、朝の気温は近畿地方の県庁所在地で一番涼しいまちになっており、毎晩が「熱帯夜」になるというほどのことはありません。

雨は少ないが、雨にも弱い

さて、夏のシーズンは梅雨前線や台風の影響で、全国各地で大雨になることも多いシーズンとなっています。

そんな中、奈良のまちは、統計的に見ると、「日本屈指の大雨の少ないまち」といってもよいくらい、豪雨・大雨の頻度自体は少なくなっています。

しかし、それは裏返して言うと、大雨対策は余り十分とは言えず、雨が少ないからこそいざという時の雨にも弱い。ということにもなってしまいます。

例えば、九州や四国地方、また奈良県南部などの紀伊半島では、一日に150ミリや200ミリといった雨量は決して珍しいものではありません。しかし、奈良市内でそのような雨が降ると、間違いなく多くの河川で氾濫危険水位に達してしまい、場合によっては被害が発生する恐れがあったりするわけなのです。

過去のデータを見ると、確かにそこまでの雨になった記録がわずかしか残っていないので、大雨災害自体は少ない訳なのですが、いざというときに、「雨の多いエリアでは当たり前」の雨が降った時にはかなり用心が必要になる訳なのです。

台風被害はどちらかと言えば少ない

日本の夏の天候を左右する最大の要素と言えば、間違いなく挙げられる存在、「台風」

大雨災害と同様、奈良は「台風」災害も比較的少ないことが特徴になっています。

特に、奈良市では平成以降の顕著な台風被害は1998年・2018年などそれほど多くなく、台風が原因の目立った災害の頻度は限られているため、台風への備えは比較的ゆるいのが現状と言えます(奈良県でも南部に限って見ると、台風による「豪雨災害」は頻繁に発生しています)。

しかし、かつては伊勢湾台風の直撃でとんでもない被害が発生しましたし、1998年の台風では県内各地で家屋に被害が出たり、文化財が倒壊したりする被害が出たこともあるなど、台風が来ても風は吹かない。雨が降らない。と決めつけてはいけません。

奈良の気候・天気の特徴 <秋>

9月下旬から肌寒い年も

奈良の秋。それは春先と同様、観光にはもってこいの気持ちの良いシーズンです。

気温は暑い年も涼しい年もありますが、平均すれば、9月下旬ころには最低気温が15度を下回る肌寒い日が増えてくるなど、秋は大阪などと比べると足早にやって来るのが特徴になっています。

台風と雨のダブルパンチには念のため用心

さて、夏にも警戒が必要な「台風」ですが、もちろん秋に入っても、場合によっては10月下旬ころまでは台風が来襲しやすいですので注意が必要です。

特に台風に伴う大雨は数年に1回は奈良市でも発生しており、大規模な災害に発展したようなことはそう多くありませんが、一日で100ミリ程度の大雨になり、一部河川の水位が大幅に上昇したり、学校がお休みになったりすることは時に見られます。一般に穏やかな気候を持つとされる奈良でも、そのような場合もあるということは念頭に置いておいてください。

10月以降はよく晴れる

10月になると、その年の状況次第ではありますが、多くの場合「5月」のようによいお天気になることが多くなっています。また、5月と比べるとお日様は低い位置を通りますので、春と比べると夜は早く、お仕事が終わる時間帯に見える夕焼けがとても美しいシーズンにもなっています。

11月に市街地で霜がおりることも

大阪と比べると朝の気温が2~3度低い奈良は、当然ながら「初霜」・「初氷」のたよりも早く届きます。近年は「初氷」こそ12月にずれ込むことも増えてきましたが、初霜は相変わらず11月におりることもあり、山間部に至っては9月には10度を下回り、10月から既に氷の張る気温になる場合すらあったりします。もちろん、冷え込む分美しい紅葉も楽しんで頂けます。


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奈良の気候・天気の特徴 <冬>

近畿の県庁所在地で一番寒い

奈良の冬は、大阪などと極端な気温差になる訳ではありませんが、統計的には近畿地方の各県庁所在地の中で、大津などと並んで一番寒い都市となっています。

最低気温が「氷点下」になることも決して珍しくはなく、氷や霜が張ることはごく日常的な風景となっています。但し、マイナス5度を下回るようなことは近年はほとんどなく、水道管があちこちで破裂したというような事態になることは余りありません。

雨は少なく、晴れ渡ることも多くない

奈良の冬は、暖冬の場合は比較的雨量は多くなりますが、基本的には雨量は少なくなっており、寒い冬になると1か月近く雨が降らないようなことさえあるほどです。

しかし、だからといって、関東地方のようにびっくりするほど「よいお天気」が続くような「冬」にはなりません。

もちろん、すっきりと晴れる日もそれなりにありますが、北風が吹くような寒い日には、なんだかどんよりとした空が広がり、あまり多くはありませんが、時には小雪が舞ったりするようなこともあったりします。

もちろん、「湿度」自体は概ね低いので、洗濯物が乾きやすいかとは思われがちなのですが、気温がそれほど高くなく、日照時間がそれほど多くもないため、そういう訳でもないのです。

積雪は少ないけど、甘く見ると…

奈良と「雪」。それは素晴らしい「風景写真」を映すチャンスである最高の巡り合わせなのですが、簡単に言ってしまえば、「雪」はかなり少なくなっています。

雪の量で言えば、京都と比べるとかなり少なくなりますし、大雪となる機会で言えば関東地方の都市部の方が間違いなく多いでしょう。

奈良の積雪は、平均すれば数年に1度くらい「10センチ以上」のそれなりの雪が降ることがありますが、基本的には、何も積もらないか、1~3センチくらいの雪化粧が年1・2回見られるか、その程度となっています。

しかし、奈良市内でも山間部は全く話が違ってきます。

山間部は、奈良市街地が雨でも雪になるようなこともあり、多くの年で10センチ近い積雪となるようなことは珍しくありません。また、奈良市内でもそれなりの積雪になるような場合には、山間部は20センチ程度~になることもあり、全くの別世界となってしまいます。

寒い年で、雪が降ったような際には、比較的長期間凍結した路面が一部で残るようなケースもないとは言い切れませんので、雪が降りそうな時や寒い時期に安易にノーマルタイヤで奈良市山間部へアクセスすることは「市街地に雪がない場合」であってもおすすめできません。


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まとめ

以上、奈良市の気候・お天気の特徴をまとめてきました。

言うまでもなく、奈良市はやはり本当に「穏やか」な気候となっています。

もちろん、ゲリラ豪雨や台風、大雨など、日本全国どこでも起こり得る気象災害のリスクは奈良にも確かにあります。

しかし、一年間を平均して見れば、確かに冬の寒さは京阪神の都市部と比べればこたえるものがあるとは言え、また関東地方のようなすっきりした晴れ間はそれほど多くないとは言え、激しい天候の発生頻度の低さという意味では、やはり日本屈指の安定した気候を持つ地域であることは間違いありません。

なお、これはあくまでも「奈良市」に限られます。県南部は豪雨が多く、日本でも厳しい気候の条件を持つ地域で、県内でも大きな違いがある点に注意が必要です。

ぜひ、穏やかで安定した天候が売りの「奈良」のまちへお越し頂き、観光をお楽しみいただければと思います。


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