【JR京終駅】奈良の「新たな観光拠点」として整備された駅は120年以上の歴史を持つ

JR京終駅の入り口 観光スポット・みどころ

当ページの内容を含め、奈良の観光スポットに関連する内容は原則としてコロナ禍前を中心とした状況に基づく「アーカイブ」的内容となっており、その後状況が変化している場合があります。
最新の状況については、各スポットに関する公式サイト、または観光協会などの情報発信などを別途ご確認下さい。

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JR奈良駅の「隣の駅」は予想以上のローカル駅

京終駅(きょうばてえき)は、ならまちエリアの南側一帯に広がる「京終エリア」に位置し、JR奈良駅からは2キロほど離れたJR万葉まほろば線(桜井線)の「隣の駅」にあたる小さな駅です。

「京終」エリアは、「きょうばて」という読みが「難読地名」として知られていますが、その地名の由来としては「平城京」の「終わる場所」、すなわち町のはずれ・玄関口にあたるような場所であったことが由来となっており、現在も「ならまち」エリアとはまた異なった手つかずの魅力を多く残すエリアとなっています。

そのような京終エリアの拠点施設とも言える京終駅は、停車する「万葉まほろば線」の本数自体は30~60分おきと近くを走る「市内循環バス」と比べると大変少なくなっているなど、奈良市内では不便な環境になっており、利用者数は増加傾向とは言え、乗降者数は1日約1500人(2019年)と近鉄奈良駅の「2.5パーセント」程度であるため、鉄道駅としてはローカル線の「田舎駅」に他ならない存在となっています。

京終駅の歴史としては、現在は面影はありませんがかつてはこの京終駅に発着する「奈良安全索道」と呼ばれるロープウェイが運行されており、奈良市内の都祁エリア・田原エリアと言った山間部から資材や高野豆腐などの特産品、農産物を運ぶために用いられていました。また近くには有名なレコード会社である「帝国蓄音機(テイチク)」の本社が長らく存在し、かつては産業を支える重要な駅として機能していたという歴史を持っています。

駅舎は築120年。観光拠点として整備されています

上記のように、「歴史あるローカル駅」である京終駅ですが、近年は「観光拠点」としての整備が行われています。

2019年2月には、京終駅の姿を明治時代の開業当初のものに復元する事業の完成式典が行われ、新たにカフェ・コミュニティ空間が整備されるなど、「ならまち」・「きたまち」に続く新たな観光空間として「京終」エリアを位置付けるための拠点として機能していくことが期待されています。

なお、改修により復元された駅舎ですが、復元にあたっては駅舎を新築した訳ではなく、その基本的な構造自体は当初より1898年(明治31年)5月11日に開業した時の建物の構造をそのまま使用しており、改修においてはインテリアや色調、待合室の部材などをレトロ感あふれるものに変更しています。

京終駅では、各種イベントなども開催される場合がありますので、ぜひ新しい観光拠点に足を延ばしてみてはいかがでしょうか。駅へは必ずJR線でアクセスしなければならないという訳でもなく、市内循環バスの北京終町バス停・ならまちエリア一帯からも徒歩圏となっています。

京終エリア・京終駅に関するイベント情報・店舗に関する情報など各種の内容については、状況が変化している場合がありますので、 特定非営利活動法人京終 のウェブサイトをご覧ください。

京終駅の風景

JR京終駅の外観

復元事業が完成した京終駅舎。レトロ感あふれる駅舎は、奈良市内では珍しい存在であり、地域の拠点にふさわしい美しい外観となっています。

京終駅の待合室
京終駅の内部

駅構内もレトロ感あふれる姿に改修されています。待合室は改札の手前、外側にあるため切符を持っていない場合でも入ることができます。また駅舎の西半分はカフェ「ハテノミドリ」となっており、こちらも切符がなくてももちろんご利用頂けるようになっています(営業に関する情報などは別途公式的な情報をご確認下さい)。

改修前の駅舎の風景

改修前の駅舎は、いかにも手つかずの「田舎の駅」らしい風情を漂わせる駅舎となっていました。

駅構内の風景など

朝夕はそれなりの乗客で賑わう駅のホームですが、昼間は貸し切り状態になることもしばしばで、のんびりとした気分を味わえる空間になっています。(※改札の内側には当然ながら「無料」で入ることはできません。)

こちらは京終駅のホームから奈良駅方面を望む風景。現在では少なくなりましたが、この駅は「天理教」信者を乗せた臨時列車が通過するために鉄道ファンの「撮影スポット」としても知られています。

駅構内の看板。奈良の駅では余り見ることがない「名古屋方面」という表記がかつてのにぎわいをわずかに連想させます。

駅の外側から京終駅を眺めると、比較的広々とした駅であることが良く分かります。また、駅に隣接するJRの事業所ではなぜかJRの直営で「花の苗」が販売されていた時代もありました。

アクセス

近鉄・JR線各駅からのアクセス

JR奈良駅から「万葉まほろば線」桜井・和歌山方面行き乗車約2分(奈良駅の隣駅が京終駅)

奈良交通バス

・近鉄、JR奈良駅から「市内循環内回り」乗車、「北京終町」バス停下車、南に徒歩6分

※近鉄奈良駅方面からの場合、市内循環バス+徒歩のルートがおすすめです。JR線利用の場合本数は決して多くはなく、1時間に約1~2本程度、約30~60分間隔で運行されています。

周辺のみどころ・観光スポット

京終地蔵院から南東に徒歩3分、飛鳥神社(京終天神社)から南に徒歩4分、称念寺から南に徒歩7分、奈良町南観光案内所から南西に徒歩7分、徳融寺から南に徒歩8分

京終駅周辺地図