【奈良・猿沢池】中秋の名月の日に行われる「采女祭(うねめまつり)」ってどんなお祭り?【観光】

基礎知識・お役立ち情報

奈良の秋。9月から11月にかけては1年でも最も観光客の多いシーズンの一つとなっていますが、そんな期間中に行われる「お祭り」の中でも特に有名な存在としては、「采女祭(うねめまつり)」というものがあります。

このお祭りは、その名の通り後述する「采女伝説」に由来するというお祭りで、その特徴としては大変訪れやすい場所にある奈良観光の憩いの場猿沢池一帯が会場となっているため、水辺に広がるひんやりとした夜の空気に包まれながら池に浮かぶ船などを楽しんで頂けるという「贅沢な時間」をお過ごしいただけるということが特徴となっています。

ここでは、そんな采女祭の日程や内容などについて、なるべく簡潔にご紹介していきたいと思います。

※2021年は新型コロナウイルス対策のため神事のみ実施され、一般の方は見学できません。

采女祭りの由来

「采女祭り」、それは先ほども述べたように「采女(うねめ)伝説」に由来するお祭りです。

「采女」というのは、天皇にお仕えする女官のことを指す名称です。

この地に伝わる「采女伝説」は、奈良時代、帝(天皇)にお仕えしており、帝の寵愛を受けていたとある采女が、ある時から帝の心変わりにより寵愛を受けることが無くなったことを悲しみ、池のほとりの柳に自らの衣(衣服)を掛けた上で「猿沢池」に自ら入水して亡くなったという伝説になっています。

なお、采女の霊を祀る存在としては、このお祭りを行う際に重要な拠点となる「采女神社」があり、この神社は鳥居に対して本殿が背を向けているという唯一無二といってもよい不思議な境内の造りとなっており、采女が自らの死んだ池を見るのが忍びないとして自ら神社の向きを変えたという奇怪な伝説も残されています。

ちなみに、福島県の郡山市にも同じような采女伝説が伝わっており、その縁で奈良市と郡山市は姉妹都市となっているほか、この采女祭当日にも郡山市から「ミスうねめ」などが来ることがあります。

采女祭りの日程

さて、気になるのは祭りの日程。

采女祭りは、毎年「中秋の名月」の日に合わせて行われることになっています。

旧暦の8月15日にあたる中秋の名月の日は毎年決まった日程にはならず、毎年9月を中心としつつも、時には10月にずれ込む場合もあるなど「日程が大幅に変わる」ことが特徴となっています。

この采女祭りもかつては9月9日に行われたこともあれば、また別の年は10月6日に行われたこともあるなど、「夏祭り」の雰囲気に近い時期に行う事もあれば、「秋祭り」らしい時期に行う事もあるのです。

また、あくまでも「お月見」の日に行われる以上、平日・土日祝日の区別も関係ありません。お祭りが土日などと重なれば人出は増えることが予想されますし、平日であればほどほどの混雑で済む場合も考えられます。いずれにせよ、固定された日程になっていませんので、スケジュールには十分注意して頂くことが必要です。

※2021年の中秋の名月の日は9月20日(月)となっていますが、新型コロナウイルス感染拡大防止のために、大勢の観光客の前で行われる「花扇奉納行列」・「管絃船の儀」は中止され、神事のみ実施される形となります。一般の方は見学できませんのでご注意ください。

お祭りの内容

当日使用される「管弦船」

※2020年は神事のみ実施、一般拝観不可で実施されました。

お祭りは、前日に采女神社で「宵宮祭」が行われ、祭りの本体は「中秋の名月」当日17時頃からはじまります。

まず、17時からは「花扇奉納行列」という儀式が行われます。

これは簡単に言えば、奈良のまちを行列が練り歩くというもので、秋の七草で造られた巨大な「花扇」と呼ばれる飾り物を乗せた御所車や稚児たちや十二単を来た「花扇使」と呼ばれる女性の方のほか、「ミス奈良」「ミスうねめ」などが奈良時代の衣装である「天平衣装」で着飾った上で基本的には「三条通り」をJR奈良駅付近から采女神社まで練り歩きます。

その後、18時からは春日大社の神官により神事が実施され、神事の後には運んできた「花扇」が奉納されます。

19時からは奈良時代の音楽である「雅楽」が演奏される中で、猿沢池の上を「花扇」のみならず「花扇使」や「ミスうねめ・ミス奈良」も乗せた2隻の「管絃船(龍頭・鷁首)」巡ることになり、美しく光り輝く燈籠と池に浮かぶ船と言う幻想的な風景が広がる中で、最終的には「花扇」本体が池に浮かべられ、お祭りはクライマックスとなります。

なお、通常は閉鎖されており縁起物を購入することもできない采女神社」はお祭りの日には参拝可能となります。

采女神社では、このお祭りの際のみ「糸占い」というものを特別に販売しており、この占いは「月明かり」の下で「赤い糸」を針に通すことができれば願いがかなうという占いになっており、若い女性などに人気を集める存在となっています。

ちなみに、当然のことながら「采女祭」では厳かな儀式のみならず、通常の開催時は三条通り周辺などには多数の「夜店・屋台」が出展されますので、「お祭り」らしい雰囲気を子供連れの方でも楽しんで頂けるようになっています(新型コロナウイルスの影響で内容が変更となる可能性があります)。

アクセスについて

采女祭り会場へのアクセスですが、これは燈花会などと比べると非常にアクセスしやすくなっています。

なんといっても、猿沢池(及び隣にある采女神社)」が会場となっていますので、基本的に「駅から徒歩」のみでアクセス可能となっているためです。

近鉄奈良駅からは「行基像」のある広場前から「東向商店街」を抜け、「三条通り」に出ればあとは少しだけ左側(東側)に進んで頂ければ猿沢池は目の前に広がっており、駅からは南東に徒歩5分ほどで到着可能となっています。

JR奈良駅からの場合は、近鉄奈良駅よりも時間はかかりますが、駅前から「三条通り」をひたすら東に進んで頂くだけで15分程度で猿沢池に到着することができます。

いずれにせよ、多くの人が歩いていますので、迷うようなことはまずありません。

ちなみに「采女神社」は、猿沢池の西側に隣接する位置、すなわち「三条通り」の町並みの端に位置しています。神社の前は必ず通ることになりますので、こちらも探すのに苦労するようなことはまったくありません。

まとめ

采女祭は、猿沢池に伝わる悲恋の「采女伝説」にちなんで行われる祭りです。開催日程は毎年「中秋の名月」当日であり、中秋の名月の日付は毎年変わります。

祭りの流れは当日17時より「花扇奉納行列」が、18時からは神事が実施され、19時からは猿沢池の上で雅楽の音色と共に2隻の「管絃船(龍頭・鷁首)」が巡る風景をご覧頂けます。

会場は猿沢池・池の横にある「采女神社」です。駅から徒歩でアクセス可能ですので、訪れやすい環境となっています。

夜の奈良のひんやりとした風情と、池に浮かぶ燈籠や船が織りなす幻想的な風景を味わいながら、「お祭り」気分を楽しんで頂ける「采女祭」。

必ず土日祝日に開催されるという訳ではありませんので、スケジュールを合わせにくいお祭りかもしれませんが、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

采女祭りは夕刻以降の開催ですので、昼間に市内の観光スポットを巡ってからお祭りを見学するという観光コースもおすすめです。