【唐招提寺礼堂】南北に細長く伸びる建築は伽藍の美しい風景を形作る

ごあんない

南北30メートル以上に渡る長細い建築は3つの区域に分かれる

唐招提寺礼堂(らいどう)は、世界遺産である唐招提寺の境内の主要エリア、「金堂」・「講堂」・「鼓楼」・「宝蔵・経蔵」に囲まれるような位置にある鎌倉時代に建立された大変立派な仏堂です。

礼堂の建築は、南北十九間(35メートルほど)に及ぶなど、南北に長細く伸びる形態となっていることが特色となっているおり、より詳しく見れば建築のうち南側にあたる「8間」の部分が「礼堂」と呼ばれ、北側の10間が「東室」、「礼堂」と「東室」の間にあたる1間は「馬道(めどう)」と呼ばれ、講堂と宝蔵・経蔵方面を結ぶ通路になっています。つまり、一般的には長細い建物の全てが「礼堂」と呼ばれているものの、実際はそのすべてが「礼堂」にあたるわけではないのです。

鼓楼の仏舎利に祈りを捧げる場所となっています

なお、かつては「礼堂」ではなく、建物全体が僧侶が寝起きする場所である「僧坊」として用いられていた歴史も有しているほか、現在でも「鼓楼」と「鐘楼」が東西で対になるような位置に配置されていることと同様に、講堂の西側にこの「礼堂」と同様に長細い建築である「食堂」が設けられていたとも言われています。

「礼堂」と言われている由来は、礼堂部分の西側すぐの位置にある「鼓楼」に丁寧に安置されている仏舎利に「礼拝」する場所と言う意味であり、堂内には釈迦如来立像のほか、仏舎利から一部を分けたものが収められた日供舎利塔(にくしゃりとう)などがあります。

礼堂の一般公開は基本的には行っていないため(かつて特別公開が行われたことはあります。)、内部の様子を見ることは出来ませんが、特徴的な長細い建築は唐招提寺に訪れた際には必見となっています。特に「馬道」と呼ばれる通路を通り抜ける日差しは大変美しく、宝蔵周辺から講堂を馬道越しに眺める風景も趣あるものとなっています。

唐招提寺礼堂の風景

唐招提寺「礼堂」北側

唐招提寺礼堂(鎌倉期・重要文化財)

金堂周辺の建築の中では珍しく「国宝」には指定されておらず「重要文化財」となっている礼堂ですが、その建物の雰囲気はその他の建築に負けず劣らず、時代の流れを感じさせない「唐招提寺」という空間にふさわしい風景を生み出しています。

長く伸びる建築が特徴的な「礼堂」(唐招提寺)

長細い建築のうち、右側に見える二階建ての「鼓楼」の正面にある部分が「礼堂」、そして「馬道」を挟んで左側の部分が「東室」と呼ばれる部分となっています。

講堂・鼓楼の奥に見える礼堂

講堂・鼓楼の後ろに伸びる礼堂の建築。奈良市内では唐招提寺ほどの密度でこのような重厚な建築が並び立っている寺院は他になく、長細い礼堂はそのような風景を生み出す上でとりわけ重要な存在となっています。

拝観情報(唐招提寺境内共通)

拝観料:大人600円、高校・中学生400円、小学生200円

拝観時間:午前8時半~午後5時(拝観受付は午後4時30分まで)

アクセス

各駅からのアクセス

◇唐招提寺境内まで

奈良交通バス

・JR、近鉄奈良駅から「奈良県総合医療センター」行き乗車、「唐招提寺」バス停下車、北にすぐ

近鉄西ノ京駅から北に徒歩8分、近鉄尼ヶ辻駅から南に徒歩15分

※礼堂は鼓楼に隣接しており、金堂の北東側、講堂の東側すぐの位置に建っています。

近隣スポット

唐招提寺内「金堂」は南西にすぐ・「講堂」・「鼓楼」は西に隣接・「鐘楼」は西にすぐ、「宝蔵・経蔵」は東に隣接、「戒壇」は西に徒歩2分、鑑真和上御廟まで北西に徒歩3分

唐招提寺礼堂周辺地図