なら燈花会の風景

【奈良の夏】「なら燈花会」完全ガイド―各会場・アクセス・楽しみ方など【観光】

奈良の「夏」といえば、やはり「燈花会」。上質な夜の時間を静かに過ごすひとときを

古都「奈良」の夏。

奈良の夏は、春や秋などの過ごしやすいシーズンと比べれば、決して観光客の多い時期とは言えない季節ですが、そんな「オフシーズン」にも観光を楽しんで頂こうと始められ、現在ではすっかり「夏の風物詩」として定着したイベントとして挙げられるのが、「なら燈花会(とうかえ)」

「燈花会」は、「光のイベント」として奈良の名所、まちなみがほのかな光に包まれることで知られていますが、その穏やかな雰囲気が人気を集め、現在ではカップルやファミリー層のみならず、高齢の方も含めてあらゆる方に人気のイベントとなっています。

ここでは、よく知られている内容もあるとは思いますが、あらためてそんな夏の一大イベントである「燈花会」について内容などを解説していきたいと思います。

燈花会とはどんなイベント?

さて、ご存知の方も多いかとは思いますが、「燈花会(とうかえ)」「奈良公園」や「東大寺」「春日大社」「ならまち」などの奈良の主要観光ゾーン・観光スポットにおいて、夜になると一面に「ろうそく」の火を灯すというイベントとなっています。

日程は基本的に

毎年8月5日~14日

の日程で開催されています。

地面に多数設置された「ろうそく」の灯る小さな燈籠は、決して明るい光というわけではありませんが、むしろその「ほのかな光」が、奈良らしい落ち着いた風情を深く感じさせてくれるような風景を生み出すため、「雰囲気」あるイベントとして、広く人気を集めることになっているわけなのです。

なお、ろうそくに点火するのは、基本的にボランティアにより行われているため、地元では「地域の力」を挙げて行われるイベントとしても知られており、観光客のみならず、市民も参加して楽しむイベントとして位置付けられています。

ちなみに、「燈花会」自体は、「ろうそく」を一面に灯して「雰囲気」をつくることに徹するイベントとなっているため、何か「ステージイベント」や一般向けの「体験イベント」などがあったりするわけではありませんので、その点はあらかじめ確認しておいてください。

燈花会の楽しみ方と注意点

夏らしい雰囲気あふれる「燈花会」。

燈花会の楽しみ方は人それぞれ、あらゆる形で楽しんで頂けます。

例えば、「カップル」や「ファミリー」で夏の夜のよい雰囲気を味わいながらゆっくりとした時間をお過ごし頂くのもよいでしょうし、おひとりで夏の奈良の風景を写真におさめるのもよいでしょう。また、浴衣を着て雰囲気を出すのもよいでしょうし、ラフな格好で気軽に散策してもよいでしょう。

また、この日は「浮見堂」脇では貸しボートが夜間営業されるほか、会場周辺では露店が開かれたりもしていますので、ろうそくの光に囲まれながらちょっぴり「夏祭り」気分を味わうのもよいでしょう。

なお、燈花会は大勢の人でにぎわいますが、基本的に「静か」な雰囲気が守られた空間づくりがなされています。そのため、大混雑するお祭りが少し苦手な方や、高齢の方でも参加しやすいイベントとなっています。

要するに、どんな人でも、どんな目的でも、ろうそくのほのかな光を楽しむことさえできれば、十分に楽しんで頂けるイベントとなっているわけなのです。

一方で、注意点としては、混雑を防ぐ為に「順路」が設定されていることが挙げられます。「順路」は全てのエリアで設けられている訳ではなく、浮見堂界隈などの一部に限られていますが、一部のエリアでは自由に散策ができず、順路に従って歩かなくてはなりません。全ての会場を回ろうとする際などに、やや遠回りとなる場合がありますので、現地の案内表示などはよくご確認の上移動するようにして下さい。

また、写真撮影をされる方も大勢いらっしゃいますが、基本的には「三脚」の使用は禁じられています。会期中は大勢の観光客でにぎわうため、そもそも三脚を置く場所などありませんが、撮影の際はカメラを手持ちで撮影して頂くようにしてください。

燈花会の各会場と点灯時間(日程)

ここからは、「なら燈花会」をお楽しみいただける各会場についてご紹介していきます。

春日野園地

なら燈花会(春日野園地)

なら燈花会の会場の中でも最も広々とした空間にろうそくの光が広がる「春日野園地」。園地からは東大寺大仏殿のライトアップされた大屋根が見渡すこともでき、夜の奈良公園らしい静かでしっとりとした雰囲気をじっくりと味わって頂けます。

点灯時間:8月5日~14日の19時~21時45分

浮雲園地

なら燈花会(浮雲園地)

「東大寺大仏殿・春日大社前」バス停近くの交差点に面する位置に広がり、最も人出が多いエリアと言える会場は「浮雲園地」

月の光に浮かび上がる「若草山」のシルエットを正面に望む広場は、「春日野園地」ほどの規模はありませんが、一面にろうそくの光が広がり、各エリア間を行き来する人で常に賑わっています。

点灯時間:8月5日~14日の19時~21時45分

浅茅ヶ原

なら燈花会(浅茅ヶ原)

「三条通り」界隈から直進するだけでアクセスできるエリアであり、「浮見堂」や「春日大社」方面からの人の流れも集まる主要会場の一つが「浅茅ヶ原」

この会場には地面に置かれたろうそくの光のみならず、比較的巨大なろうそくのオブジェも設置されているなど、見ごたえのある「光の風景」を生み出しています。

点灯時間:8月5日~14日の19時~21時45分

浮見堂

なら燈花会(浮見堂)

「手漕ぎボート」を漕ぎながら燈花会の風景を楽しんで頂けるユニークな会場として知られるのは「浮見堂」周辺。

通常昼間しか営業していない貸しボート屋さんがこの時ばかりは夜間営業を行っており、ほのかな光に囲まれながら思ったよりも暗く静かな池の上でなんとも「贅沢な時間」を過ごして頂けます。

もちろん、ボートに乗らなくても、光に包まれた浮見堂を見るだけで十分な見ごたえがあることも言うまでもありません。

点灯時間:8月5日~14日の19時~21時45分

奈良春日野国際フォーラム 甍~I・RA・KA~

なら燈花会のメイン会場とも言える春日野園地・浮雲園地周辺にある国際会議場である「奈良春日野国際フォーラム甍」。こちらの施設は裏手に広大な庭園があり、通常は日中しか見学できない庭園内が燈花会期間中には特別に会場の一部として開放されます。

少しわかりにくい位置にあるため、気づかない観光客の方も大勢いらっしゃると思われますが、隠れた名スポットと言える場所ですので、ぜひお時間のある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。

点灯時間:8月5日~14日の19時~21時45分

興福寺

なら燈花会(興福寺)

奈良を代表する寺院で、近鉄奈良駅の徒歩圏にある「興福寺」。こちらも燈花会期間中には美しい光に包まれます。ライトアップされる五重塔の周辺を彩るろうそくのほのかな光は、日頃の風景よりも一層幻想的な雰囲気を醸し出します。

なお、点灯はその他の会場と比べ1時間以上早く終了しますので、先に興福寺会場をご覧になってその他の会場へアクセスされることをおすすめします。

点灯時間:8月5日~14日の18時30分~20時30分

猿沢池・五十二段

近鉄奈良駅周辺では、興福寺五重塔から猿沢池周辺を結ぶ石段「五十二段」と猿沢池一帯も美しい光に包まれます。周辺はならまちエリアの入り口にもあたり、様々な会場を巡る際のルートの一部にもなっています。

点灯時間:8月5日~14日の19時~21時45分

奈良国立博物館

なら燈花会(奈良国立博物館)

その他の会場ほどの圧倒的風景ではないかもしれませんが、奈良国立博物館周辺も多くのろうそくが点灯されます。この一帯は燈花会を見学する観光客の主要な移動ルートとなっているため、「会場」というよりは「遊歩道」といった趣となっています。

点灯時間:8月5日~14日の19時~21時45分

東大寺

メイン会場とも言える「春日野園地」周辺に隣接する奈良最大の寺院である「東大寺」。有名な大仏殿の前に広がる水辺である「鏡池」周辺では、燈花会期間の最終盤のみ、特別にろうそくの光が点灯され、奈良時代からの圧倒的な時間の流れ、歴史を感じさせるダイナミックな風景が広がります。

なお、この期間に限り、大仏殿が夜間の無料拝観が可能となるという事もあり、混雑は相当なものとなることは留意しておいてください。

点灯時間:8月13日・14日の19時~21時45分

春日大社

燈花会の最終日、8月14日には春日大社の「中元万燈籠」も実施されます。この行事は春日大社にある全ての石燈籠に火を灯すもので、燈花会の最終日にふさわしく3000個にものぼる圧倒的な燈籠の光が、神聖な雰囲気にあふれる春日大社全体を包み込みます。

点灯時間:8月14日(15日も実施)の19時~21時45分

ならまち

なら燈花会(ならまち)

なら燈花会公式サイトでは、燈花会の会場として「ならまち」は明記されていませんが、実際には「ならまち」一帯においても地元の方によりろうそくが灯され、奈良公園周辺と一体的な「光の風景」を生み出しています。

会場となっていない分人通りは少なく、奈良公園周辺とは異なり名実ともにろうそくの放つ「ほのかな光」と夜のまちの「静かな雰囲気」という「奈良の醍醐味」を感じながら夜の散歩を楽しんで頂けます。

交通アクセスについて

観光イベントに行く際にあらかじめ確認しておきたいのは交通アクセス。

燈花会会場へのアクセスは、基本的に徒歩か奈良交通バスとなっています。

会場は近鉄奈良駅周辺(興福寺など)やバス路線から少し離れたならまち界隈にもあるため、全ての会場を周遊する場合は、いずれにせよ徒歩ルートも多くなりますが、

当日は通常の「市内循環バス」以外にもJR・近鉄奈良駅から「東大寺大仏殿・春日大社前」「春日大社表参道」バス停までの区間に多くの臨時バスが随時運転されています。この臨時バスを利用することで「春日野園地」「浮雲園地」をはじめとする燈花会のメイン会場とも言えるエリアへスムーズにアクセスして頂けます。

運賃は210円均一で、ICOCAやSUICAなどももちろんご利用いただけます。

マイカーでのアクセスは、駐車料金や渋滞リスクの関係からおすすめはできません。

但し、会期中の平日は、にぎわいを見せるとは言え、渋滞が発生するようなことはない場合も多いですので、クルマでアクセスできない訳ではありません。実際にお車で燈花会に来場されている方も大勢いらっしゃいます。

しかしながら、多くの会場がある以上は公共交通機関を利用するほうが自由に散策して頂きやすいですので、いずれにせよ電車やバスの利用をおすすめします。

まとめ

以上、奈良の夏には欠かせないイベントとなった「なら燈花会」について簡単にまとめてきました。

燈花会は「グルメイベント」でも「ステージイベント」でもなく、夜の奈良を静かに歩きながら穏やかな雰囲気を感じて頂くという珍しいイベントであり、むしろその静かさが魅力となり、大勢の観光客を集めるイベントに成長しています。

イベントのスケールは大きく、春日野園地等の公式の会場から、自主的に実施されているならまちの会場を合わせると、かなり広い範囲で「光の風景」を楽しんで頂けるようになっていますが、もちろん「光」の風景は毎年少しずつ異なった趣となっている場所も多く、何度来ても飽きさせないようなものになっています。

涼しげな風が吹くこともあるとは言え、夜でも暑い事は多いかもしれませんが、他ではなかなか見られない光の饗宴を楽しむために、ぜひ奈良に足を運んでみてくださいね。