【東大寺】二月堂「修二会(お水取り・お松明)」を徹底解説(日程・見学方法・混雑・儀式の内容等) | 奈良まちあるき風景紀行

【東大寺】二月堂「修二会(お水取り・お松明)」を徹底解説(日程・見学方法・混雑・儀式の内容等)

観光お役立ち情報

数多くの世界遺産がある歴史ある奈良のまち。

奈良では年間を通して様々な「年中行事」・「儀式」が行われていますが、そんな中でもとりわけ有名な存在と言えば、2月下旬から3月中旬にかけて行われる「東大寺」の「修二会(お水取り)」と呼ばれる行事があります。

修二会は、一般に「お水取り」と呼ばれる事が多い他、3月1日~14日の毎晩行われる「お松明(二月堂舞台から火の粉が舞う)」のダイナミックな光景が有名であり、無病息災のご利益もあるとされる事から、基本的には大半の観光客は「お松明」目当てで二月堂を訪れます。

しかし、本来の「修二会」は2週間以上に渡る様々な儀式・法要で構成される過酷な行法である他、「お水取り」と呼ばれる儀式についても「お松明」とは全く異なるルーツ・内容を持つ等、本来は非常に奥深い存在であり、観光客が押し寄せる瞬間は、修二会のごく一部に過ぎないという事もまた確かです。

この記事では、そんな一大行事「修二会」の内容、そして実際に見学(観光)に訪れる際の流れについて、なるべくくまなく丁寧にご紹介していきたいと思います。

2021年は、新型コロナウイルスの影響で12日~14日が拝観不可となる等、状況は例年とは大きく異なります。練行衆の方が無事修二会の行法を遂行できる事が最も重要ですので、東大寺がアナウンスしているように、見学可能な日程も含め拝観は出来るだけ回避して頂くのが無難でしょう。

「修二会(お水取り)」の由来・儀式の内容

まずは、「修二会(お水取り)」と呼ばれる行事がどのような由来、歴史を持っているのか。そしてそのような行事がどのような「儀式」で成り立っているのかを確認していきましょう。

1200年以上の歴史を有する修二会

お水取り・お松明と呼ばれる事もある「修二会」は、「しゅにえ」と読み、更に正式な名称としては、「十一面悔過(じゅういちめんけか)」と呼ばれています。

修二会が始まったのははるか昔の奈良時代・天平勝宝4年(752年)であり、2020年時点ではなんと累計「1269回」も実施されて来た歴史を持っています。
なお、この間様々な天災や疫病に見舞われた際にも、修二会は一度も中止される事無く、連綿と続く歴史を積み上げて来ました。

儀式の主な内容としては、一般の拝観者は一切見ることが出来ない完全秘仏である二月堂の本尊「十一面観音菩薩」に向かい、僧侶らが自らの振る舞いを懺悔し祈りをあげ、人々の幸せ・社会の平穏や五穀豊穣を祈願するという内容が主となっており、決して「お松明」がメインの行事とは言えません。

精鋭僧侶「練行衆」らが勤め上げる修二会

修二会を勤め上げる僧侶らは「練行衆」と呼ばれ、11名の精鋭とも言えるお坊さんたちが選び抜かれ、彼らが2月下旬から3月中旬にかけて行う一連の行法全体を「修二会」と一般に呼んでいます。

いわゆる「お松明」で火の粉を噴き上げるお松明を持つのは練行衆ではなく、「童子」と呼ばれる方々です。

さて、お松明が点火されるようになるのは3月に入ってからのことですが、その前から修二会は始まっています。

「練行衆」は、2月20日頃から東大寺の「戒壇堂」と呼ばれるお堂で身を清めるための合宿生活を行い、本行に備えるのです。

そして、3月1日になると二月堂に入り、毎日6回にも及ぶ「十一面悔過」を行い祈り続けることになるのです。

法要が行われる二月堂の内陣見学については、地元関係等、一部の特別な許可を受けた方等を除き、基本的には立ち入る事は出来ません。

あくまでも「明かり」の「お松明」

二月堂・お松明の竹
お松明に用いられる竹

修二会で最も有名な風景とも言える「お松明」ですが、こちらはあくまでも上記のような長い厳しい法要、儀式のうちのごくわずかな時間に、あくまでも「二月堂に移動するための明かり」として灯されるものであり、修二会のメインと言えるものではありません。

なお、あくまでも「明かり」に過ぎない「お松明」ですが、当初はもっと小さな灯であったともされています。現在のようにダイナミックな光景へと変化し始めたのは江戸時代頃とされ、以降はあくまでも「明かり」とは言え、一種のパフォーマンス的な要素・「魅せる」要素が加わった事もまた、一定の事実と言えます。

本来の「お水取り」はごく一部の儀式

「修二会」の別称として呼ばれる「お水取り」については、有名な「お松明」とはまた異なる儀式として実施されるものです。

「お水取り」とは、3月12日の深夜から3月13日未明にかけて行われる儀式であり、通常の法要とは異なり、閼伽井屋(あかいや 別名・若狭井)と呼ばれる二月堂近くの井戸からその名の通り「水」を汲み上げる儀式であり、その水は本尊にお供えする水として使用されたりすることになっています。

この儀式は、若狭国の神様「遠敷明神」が二月堂で行われる日本全国の神様の集まりの予定時刻に遅れてしまい、その無礼をお詫びするために、二月堂のそばから湧き水が手に入れられるようにしたという少し風変わりなエピソードに由来します。

なお、お水取り儀式そのものは、極めて神聖なものであり内部を見学する事は出来ません。

修二会については、お水取り儀式の行われる12日をクライマックスに、その後も本行は2日間続けられ、3月14日にようやく修二会は長い日程を終えることになります。

以上がおおまかな「修二会」の流れとなっています。

確かに「お松明」はダイナミックな「火祭り」なのですが、実際の修二会(お水取り)は決して華やかとは言えない練行衆たちの弛みなき行法により成り立っている訳なのです。

「お松明」を見学する際は、そんな仏教行事としての性格を頭に入れて見学すれば、ダイナミックな火の粉の背後で展開される、一層厳粛な「本行」の雰囲気を感じられることでしょう。

2021年東大寺「修二会(お松明)」の日程・見学に関して

「修二会(お水取り)」は先述したように、クライマックスだけでなく、実に1か月近くに渡って行われる行事ですが、こちらでは観光客が訪れる「お松明」の日程をご紹介します。

なお、2021年はコロナ禍のため拝観不可の日程がある等、状況は例年と異なります。

日程そのものは例年と同様

火の粉が激しく飛び交う姿を見ることが出来る「本行」の期間は、
毎年3月1日から3月14日までの「2週間」となっています。場所は東大寺二月堂です。

お松明の時間は、3月1日~11日・13日はいずれも19時頃から20分程度となっています。
最終日の3月14日に関しては、逆に早い時間帯である18時30分から10分程度実施されます。

そして、その本行の期間のうち「お水取り」儀式が行われる夜である「3月12日」とりわけ大きなお松明(籠松明)を見ることが出来ます。

12日はお松明の開始時刻が「19時半」と少し遅れて始まり、実施時間はそこから45分間と長い時間に渡りダイナミックなお松明が続きます。

なお、下記でご案内する通り、日程こそ例年と同じですが、2021年は新型コロナウイルスの影響で拝観不可の日程が設定され、拝観可能な場合も混雑時は制限が行われるため、状況は例年と大きく異なります。

12日~14日は現地拝観不可・それ以外の日程も制限あり

コロナ禍で迎える2021年・1270回目の修二会は、無事に遂行出来るようにするために、例年とは「観光客」側の内容が大きく異なります。

2021年に関しては新型コロナウイルスの影響から3月12日~14日は二月堂一帯への立ち入りが出来ません。12日~14日は奈良公園内の春日野園地に設置する大型ビジョンからの見学となります(この他、動画配信・13日のテレビ放映なども行われます。詳細は東大寺の公表している情報をご確認下さい。)

それ以外の日程(1日~11日)についても、二月堂一帯の観覧スペースが一定の人数となると、立ち入りが制限されますので、拝観を控える事が推奨されています。なお、1日からニコニコ動画でのライブ配信も行われますので、現地に行かずともお松明の風景をご覧頂けます。

例年の場合は、混雑状況を見て行動する必要がありますが、2021年は混雑のピークである12日~14日の現地での拝観・観覧はそもそも出来ません。

それ以外の日程についても、人数に応じ入場制限が行われるため、歴史ある修二会を無事遂行するためにも、東大寺が呼びかけているように、拝観・観覧は回避して頂くのが無難でしょう。

なお、例年行われている堂内や局(つぼね)での聴聞も2021年は拝観不可ですのでご注意下さい。

拝観・観覧場所について

2021年の場合、見学が可能とされている3月1日~11日については、見学場所自体は例年と大きく変わらず、二月堂の舞台下の芝生・二月堂前の広場(石畳のエリア)・第二拝観所(西に少し離れた場所)の3か所が設定されています。

混雑状況を回避するため、二月堂一帯で人が多くなった場合は第二拝観所へ誘導が行われます。仮に第二拝観所も混雑する場合は、観客の立ち入りそのものが制限される場合があります。

すなわち、最悪のケースでは「行っても見られない」可能性があると言う事ですので、東大寺が推奨するように、2021年はお松明を見に訪れる事は、混雑対策の観点からも回避して頂くのが無難です。

また、立ち入りが禁止となる12日~14日は映画監督河瀨直美氏の撮影した映像のライブ配信が奈良公園内「春日野園地」に設置の大型ビジョンで行う予定(一部宿泊施設でも配信実施予定)です。

3月上旬~中旬の奈良は、夜には0度近くまで冷え込む場合もある等、「まだ冬である」という前提で防寒対策をして頂く必要があります。

お松明自体は、原則としては雨が降っていようと・雪が舞っていようと天候に関わらず実施されます。イベントではなく、あくまでも行法の一環で「明かり」を灯す意味合いですので、基本的には雨天中止のようなことはありません。

「お水取り」期間の交通アクセスについて

さて、最後にお水取り期間における「交通」アクセスについても確認しておきましょう。

お水取り期間において、大規模な「交通規制」が実施されるのはクライマックスの「3月12日」のみとなっています。

※2021年は新型コロナウイルスの影響で12日~14日が非公開となります。そのため交通規制は実施されない事が予想されます。こちらの情報は通常時を想定した内容です

例年の3月12日には、奈良公園内「県庁東交差点」から東大寺、春日大社・若草山方面、また飛火野周辺から「破石町」交差点付近までにかけての広い範囲が17時~21時にかけてマイカー通行禁止(バス・タクシー等専用)となります。
また、アクセス手段である路線バスに関しても、特に歩行者で混雑する20時から21時の時間帯のみは迂回ルートで運行されるなど、交通状況が大きく変化します。

一方で、逆に言えばそれ以外の期日は「交通規制」は行われていないことにもなり、それ以外の日程は特に土日は「マイカー」で東大寺近くの駐車場を探す車等で、お水取りの時間帯周辺を中心に道路渋滞が発生する場合があります。

いずれにせよ、「二月堂」は近くに大規模な駐車場を有しているという訳ではありません。

マイカーによるアクセスはそもそも不便な所ですので、基本的は「バス+徒歩」といったアクセス手段で訪問して頂くのが無難となっています。

東大寺へのアクセス手段については、上記の記事でご案内しております。

まとめ

東大寺「修二会」は2月下旬から3月中旬にかけて「練行衆」と呼ばれる精鋭の僧侶らが行う行法の総称です。一般には「お水取り」と呼ばれる事も多い修二会ですが、本来お水取りは修二会の中でごく一部の時間帯に実施される儀式を指す名称であり、全てが「お水取り」と呼ばれるものではありません。

修二会の中では、一般には3月1日~14日の間毎晩行われる「お松明」が有名です。こちらは二月堂に上堂する練行衆らを明るい「松明(たいまつ」を持った童子が先導するものであり、二月堂の舞台から火の粉が舞うダイナミックな光景は奈良の春の風物詩として広く知られている他、無病息災のご利益があるとも言われています。

お松明については、とりわけ3月12日には「籠松明」と呼ばれる巨大な松明が使用され、通常よりも長い時間お松明が行われるため、例年は「凄まじい数」の観光客が訪れる事で知られます(2021年はコロナ禍で非公開のため見学出来ません)。当日は警察による規制の中「入れ替え制」で行われる等、落ち着いて観賞できる環境とは言えません。
例年(通常時)の環境では、基本的には12日を避ける・土日を避けて観賞するのが無難です。

2021年については、新型コロナウイルスの影響により3月12日~14日は非公開で実施され、3月1日~11日についても人数を制限した上で実施されます。
例年とは大きく状況が異なりますので、原則としては拝観を可能な限り控えて頂く事が無難です。また、内容が変更となる可能性もありますので、十分にご注意下さい。

3月は、修二会が終わってからは一層観光客が増えるシーズンに入ります。梅のみどころも市内には複数ある他、月末からは桜のシーズンへと入っていきます。