【豆まき】奈良市内の寺社で行われる「節分行事」一覧【冬の観光】

あちこちの「豆まき」を見て歩く冬の一日を

冬の奈良。特に山焼きが終わってから「お水取り」の行事が本格化するまでの期間は、奈良の1年でも最も静かな季節「オフシーズン」と言ってもよい時期になります。

そんな中でも、山焼きが終わって1週間経ったころにやってくる「節分」には、豆まきをはじめとする数多くの行事が執り行われます。

節分は、春の訪れを告げる「立春」の前日にあたり、「豆まき」で厄除けを行うことは広く知られていますが、歴史ある奈良の寺社仏閣では多種多様な節分行事が行われ、複数の「豆まき」を比べながら楽しんで頂くこともできてしまいます。

ここでは、そんな奈良の慌ただしい「節分」当日の行事の流れについて、各寺社ごとに簡単に見ていきたいと思います。(時刻は節分行事全体ではなく、「豆まき」等中心的な儀式の実施時間を示しています。)

11時~手向山八幡宮「お田植祭」

奈良市内の節分行事で、特に早い時間から実施されるものが「手向山八幡宮」の「お田植祭」

この祭事は「おんだ祭」とも呼ばれ、五穀豊穣を祈願するお祭りとして「田植え」の動作、「牛」をひく様子などがコミカルに再現され、「種籾」も撒かれる農業に関わる「儀式」となっている一方で、祭事が終わった後に節分行事として、「豆まき」も実施されます。手向山八幡宮の豆まきは、東大寺等と比べると知名度はやや低い存在ですが、こじんまりとした空間で、地域の人々の信仰を集める日常的な雰囲気を体感して頂けます。

14時~ 東大寺「節分豆まき」

節分の当日、東大寺では「二月堂」周辺において節分行事が行われます。

まず行われる行事は、「還宮(げんぐう)」と呼ばれる行事。この行事は、前の年に使用した「お札」「お守り」などを火で焚き上げる行事となっており、春日大社の「大とんど」などと似たような行事となっています。お札等は年末から節分の前日までの期間、二月堂の受付で無料で引き取って頂くことが出来ます。当日は10時頃から二月堂の南東側にある小さな神社「飯道神社」付近で積み上げられたお札やお守りに点火され、焚きあげられることになります。

また、14時頃からは、法要を終えた後に二月堂の下に設置された「舞台」から豆まきが行われます。ここでは豆のみならず「鈴」の縁起物も当時に投げて頂けるということもあり、お水取りほどではないにせよ、周辺は相当な混雑に見舞われます。

なお、夜には「星供養」と呼ばれる独特の行事も行われるほか、二月堂周辺の石燈籠が点火され、美しい夜の風景を楽しんで頂くことも可能となっています。

14時・15時~ 西大寺「節分星祭祈願会」

東大寺・興福寺などとは離れた位置ではありますが、奈良市内では「西大寺」でも比較的盛大な節分行事が行われます。

「節分星祭祈願会」と呼ばれる西大寺の節分行事は、14時と15時からの計2回実施され、法要が行われた後、福男・福娘による豆まきが行われます。豆には「福袋」引換券が付いており、豆を手に入れた方はもれなく福袋も頂くことが出来ます。

15時~ 元興寺「節分会(豆まき)」

ならまちエリアでは、世界遺産「元興寺」においても節分行事が盛大に執り行われます。

元興寺の「節分会」は、正午から行われる法要の後、炎の中に不動明王を勧請し炎に願いを書いた護摩木を投じ、焼き尽くすという「柴灯大護摩供」と呼ばれるダイナミックな行事が行われます。また、護摩木を焼き尽くした後、一般の参拝者がその木の上を歩くという「火渡り」と言う参加型の行事も行われます。

豆まきは、東大寺二月堂の豆まきとはしごすることも出来る時間帯、「15時」から行われます。この際「鬼は外」ではなく、「鬼」が自らの内部から出ていくことを願う意味を込めて、「福は内」「鬼は内」という掛け声を上げながら豆をまくことが特徴となっています。

18時~ 春日大社「節分万燈籠」

奈良最大の神社である春日大社では、節分には「豆まき」ではなく、美しくきらびやかな「燈籠」が光り輝く行事「節分万燈籠」が行われます。

当日は17時30分頃から舞楽の奉納がまず実施され、その後18時頃から境内にある3000基に及ぶ燈籠が点火されます。回廊沿いにびっしりと並ぶ燈籠の光が生み出す幻想的世界は、豆まきの賑やかな雰囲気とは全く異なった魅力を感じさせるものです。

19時~ 興福寺「鬼追い式(追儺会)」

東大寺や元興寺は昼間に豆まきが実施される一方、興福寺では夜間に節分行事が行われます。

興福寺では、まず18時30分頃から東金堂において法要が実施された後、19時から「鬼追い式」が行われます。この「鬼追い式」では、実際に6匹の「鬼」が登場し、激しい動きのパフォーマンスを繰り広げます。奈良市内の「節分」行事の中では最もエンターテインメント的な儀式といっても過言ではないでしょう。

そして、19時30分頃からは豆まきが行われます。この豆まきの特徴は、「福引入り」の豆が授与されるという点にあり、豆まきで「撒かれる」もの以外にも別途販売されている福引入りの豆と合わせ、運が良ければ「豪華賞品」が当たる場合があるというユニークな豆まきとなっています。

以上のように、興福寺の節分祭はかなり盛大なものとなっているため、当然ながら混雑も著しくなっており、事前に入場整理券等が配布される場合もあるため、その点は留意しておく必要があります。但し、元興寺の「豆まき」とは時間的に「はしご」することは可能となっています。

その他

 

9時~16時 添御県坐神社「富雄恵比寿」

このほか、市内西部に位置する添御県坐神社では、「富雄恵比寿」として縁起物の授与などが行われ、市内各地などから商売繁盛をお祈りする多数の参拝者でにぎわいを見せることになります。

14時~ 大安寺「節分会(開運星祭り)」

笹酒まつりで有名な大安寺においても14時から節分会が行われ、福豆まき、福引きなどが行われます。

14時~ 霊山寺「節分星祭法会」

添御県坐神社からそれほど遠くない位置にある霊山寺でも、一年の厄除けを祈願する法会が実施されます。

夕刻~ 不空院「節分星祭り(節分会)」

新薬師寺の隣に佇む不空院においても、境内の「羂索庵」と呼ばれる場所で護摩供養が行われます。

18時~ 帯解寺「節分星祭」

無病息災を祈る法要は「帯解寺」でも実施され、こちらは当日参加しなくても、事前に祈祷を申し込むことが出来ます。

まとめ

以上、奈良市内の「節分行事」を時系列で一覧形式にまとめてみました。

まとめてきた様子からも分かるように、いずれの行事も、なるべく他と重複しない時間帯に実施されていることが特色となっています。例えば「東大寺」「元興寺」「興福寺」の豆まきを同じ日に全て楽しむことはスケジュール的には不可能ではありません。(但し、春日大社の節分万燈籠と、興福寺の鬼追い式を同時に楽しんだり、西大寺の豆まきに参加する人が東大寺・元興寺の豆まきに参加することはスケジュールが重複する為不可能と言えるでしょう。)

もちろん、豆まきを連続で楽しむと言っても、2月初頭は一年で一番寒い時期となっていますので、屋外に長時間いることは余り体に良くないとも言えるかもしれません。そのため「無理」をすることは厳禁なのですが、もし元気があり、意欲があるならば、なるべく多くの「節分行事」を巡り、奈良の奥深さと、寺社ごとに現れる「個性」を比較してみるのも面白いかもしれません。