観光のご案内
猿沢池の真横に佇む「悲恋」伝説ゆかりの神社
采女神社(うねめじんじゃ)は、奈良のメインストリートである「三条通」、また奈良の観光スポットを代表する存在である「猿沢池」に隣接し、興福寺からも非常に近い位置にあるごく小さな神社です。神社は春日大社の場外にある「末社」となっています。
「采女」という思わせぶりな名前からも分かるように、この神社は奈良時代に、天皇からの寵愛がなくなったことを悲しむあまり柳の木に衣を掛けた上で、隣の「猿沢池」に身を投げたとされる「采女(帝に給仕を行う女官)」の霊を鎮めるために創建されたと言われています。そのため、祭神は「采女命(うねめのみこと)」となっています。
「采女祭」開催時は大にぎわいに
「采女伝説」に関しては、現在9月~10月の中秋の名月の日に猿沢池周辺では「采女祭」として池に船を浮かべるなど盛大に祭事が行われ、大勢の観光客でにぎわいます。その時期には日頃は門が閉められており立ち入ることが出来ない神社の境内も開放されるほか、祭事を行う拠点施設として大勢の関係者が忙しく動き回るなど、いつもとは全く異なる神社の風景が展開されます。

鳥居や池に背を向けた奇怪な本殿
なお、悲劇の伝説を裏付けるかのように、采女神社は猿沢池に身を投げた采女を祀っているにも拘らず、神社の本殿は「西向き」、池や鳥居には背を向ける形になっており、一般の神社ではまずありえないような構造となっています。これは采女の霊が自らが身を投げた池を見ることが忍びないとして、自ら社殿を西向きにしたという伝承が伝わっています。
現在は「えんむすび」の神として若い女性の人気を集める
「悲劇」の伝説に由来する神社である采女神社ですが、現在は「縁結び」の神様、パワースポットとしての扱いがなされている場合もあり、神社でも「恋みくじ」や「采女えんむすび守」を授与しています。
神社は通常時は無人であり、門扉も閉ざされているため、通常時は境内地に立ち入ることもままなりませんが、采女祭り当日をはじめ時折神社が開放される場合があり、その時に「えんむすび守」などの授与が行われます。
猿沢池の伝説にゆかりの深い神社でありながら、通常時は立ち入りできないという事情と地味な外観もあいまって、知名度はかなり低い神社となっていますが、采女祭りの時期などに奈良を訪れる場合は必ず訪問しておきたいスポットとなっています。
采女神社の風景
三条通り・猿沢池界隈の中心的エリアに位置するといってもよい采女神社。しかしながら通常時は門が閉められているほか、縁起物の販売も行われていないことが多いため、一見神社であることに気づかないことすらありそうな質素な外観となっています。
猿沢池に面した側には鳥居が設けられていますが、鳥居の向こう側にある本殿は、鳥居に背を向けてしまっています。
鳥居の裏手に回ると、本殿を「正面」から望むことが出来ます。お祈りする際は「猿沢池」に向かってお祈りするような格好になる訳です。
本殿には、縁結び関連と思われる大量のおみくじが吊り下げられています。
采女祭りが実施される際には、多くの神職の方が訪れて準備を進めるほか、「糸占い」などの「えんむすび」関連のおみくじ、縁起物が販売されます。
次項では、交通アクセスについてご案内致します。
アクセス(電車・バス)
近鉄・JR線各駅からのアクセス
近鉄奈良駅から南東に徒歩6分
JR奈良駅から東に徒歩13分
周辺のみどころ・観光スポット
猿沢池から西にすぐ、三条通りには隣接、奈良縣里程元標・御高札場から東にすぐ、興福寺南円堂から南にすぐ、率川地蔵尊から北に徒歩2分
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