法蓮町の町並み

【法蓮町(法蓮造)の町並み】「町家」と「農家」が融合した独特の建築様式が一部で残される空間

ごあんない

奈良市内では珍しく「近代」や「昭和レトロ」の香りも漂う新たな観光ゾーンとして近年一層脚光を浴びる「きたまち」エリア。そのきたまちエリアの北西部に位置し、見どころとしてはまだ認知度は低いものの、一般の「町家」とは少し異なる独特の「町並みの風景」を見ることができるエリアが、奈良女子大学の北側に広がっており、「聖武天皇陵・光明皇后陵」からもほど近い位置にある「法蓮町の町並み」エリアです。

「町家」と「農家」のハイブリッド=「法蓮造」

聖武天皇陵から少し西に位置し、奈良女子大学の「佐保会館」と呼ばれる近代建築の真北に位置する町並みエリアは、かつてはのどかな農村であった旧「法蓮村」の中心的地域として栄えた場所となっています。

現在は完全に市街地の一部として飲み込まれてしまっており、「農村」の面影はその古い建物のみから感じられる状況になっていますが、現在も所々に「法蓮造」と呼ばれる「丸太」の太い格子が特徴的で、町家のように密集して建つ民家が残されており、茅葺き建築の名残りとして傾斜の強いトタン屋根も残されています。法蓮造りは、あくまでも「農家」の建築であり、かつては庭に牛小屋などもあったともされていますが、いざ市街地に飲み込まれてみると、「茅葺きの町家」と表現するのがふさわしい独特の雰囲気を漂わせており、このような民家の建築は日本全国を見てもこのエリアのみに見られる存在となっています。

文化財は移築されたものも

特徴的な格子を有する「法蓮造」に関する近代遺産としては、昭和初期に建てられた「井田家住宅主屋」が登録有形文化財となっており、茅葺きの建築から瓦葺きへと進化していった「法蓮造」の歴史過程をよく表現する建築となっています。

また、古い法蓮造の様式を十分に残した奈良市指定文化財として、かつてはこの町並みエリアにあった「旧田中家住宅」が現在は唐招提寺・薬師寺からほど近い「都跡公民館」に隣接する場所に移築され、立派に保存がなされています。

周辺は歴史散策には絶好のロケーション

周辺はきたまちエリアの中では雑貨店や飲食店が少ないエリアとなっており、あくまでも「民家」の町並みであるために時折歴史散策を楽しむ人々が見られる程度ですが、「まち」の影響を受けながら発展した「農村」の雰囲気を現在も感じられる風景が残っています。

また、東側には「聖武天皇陵」や「多聞城」西側には「興福院」があるなど、静かな「歴史遺産」があふれる素晴らしいロケーションにもなっていますので、歴史スポットを巡る際には是非「法蓮造」が残る町並みにも寄り道してみてはいかがでしょうか。

法蓮町(法蓮造)の町並み

法蓮造の町並みを抜ける道路

川を挟んで奈良女子大学内の「佐保会館」と呼ばれる貴重な建築物に突き当たる道沿いに広がる「法蓮町の町並み」。多くの歴史的建築は昭和初期ころのものが多いと推定されますが、独特の格子や「町家」と「農家建築」の中間のような「法蓮造」の風情ある建築など、ユニークな町並みが広がっています。

法蓮町の集会所

門のような玄関口を有するのは、周辺エリアの集会所として使われる建築。「法蓮造」とは異なる様式となっていますが、どことなく「農村」の面影を感じることもできる風景を生み出しています。

伝統的な「法蓮造」を今に伝える切妻屋根

町並みには「大和棟」のような形をした切妻屋根を持つ「法蓮造」の伝統的建築も一部で残されています。なお、茅葺きの建築はさすがに残されていません。

法蓮町を流れる佐保川(長慶橋付近)

町並みの南側、奈良女子大学と隣接するような位置には「佐保川」の気持ちの良い水辺が広がっています。このあたりの「橋」は「吉村長慶」と呼ばれる昭和初期にかけて活躍した奈良の名物「豪傑オヤジ」が建設したものが多く、「長慶橋」といった名前が残されています。

アクセス

奈良交通バス

・JR奈良駅西口、近鉄奈良駅から「加茂駅」「南加茂台五丁目」「高の原駅」「西大寺駅」「航空自衛隊」行き乗車、「法蓮仲町」下車、南東に徒歩4分

※バス停の北側すぐの位置にある交差点からしばらく東に進むと、同じくらいの太さの道が南に分岐します。その南に進む道沿いが「町並みエリア」となっています。

近隣スポット:聖武天皇陵・光明皇后陵から南西に徒歩4分、西安の森から南に徒歩6分、旧鍋屋交番きたまち案内所から北西に徒歩7分、大仏鉄道記念公園から東に徒歩9分、鴻ノ池運動公園(陸上競技場)周辺から南に徒歩10分

法蓮町の町並み周辺地図