嶋田神社(奈良市)

【嶋田神社】山辺の道沿いにある立派な「春日移し」の本殿で知られる神社

ごあんない

かつては「崇道天皇陵」の位置にあったと言われる由緒ある神社

嶋田神社は、奈良市南部、のどかな田園風景が広がる「山辺の道(北コース)」沿いに位置する神社です。

「延喜式」では式内小社に指定されているなど相当な歴史を有すると考えられる神社は、その創建などの歴史は定かではありませんが、かつては西に少しだけ離れた位置にある現在の「崇道天皇陵」の位置に、「崇道天皇社」と「嶋田神社」の二社が並立して存在していたと言われています。しかしながら、1886年(明治19年)に現在の崇道天皇陵(八島陵)を整備するにあたって、崇道天皇社と嶋田神社は合祀され、現在の場所に移転されました。

本殿は江戸時代の「春日移し」

現在の嶋田神社の本殿は、江戸時代の享保12年(1727年)春日大社本殿であった建物を「崇道天皇社」本殿として移設してきたものをそのまま利用しています。すなわち春日大社本殿の建物は宝永6年(1709年)に建立され、しばらくの間春日大社で利用された後式年遷宮等に合わせ、享保12年(1727年)頃に「崇道天皇社」本殿として移築され、更に明治19年(1886年)に崇道天皇社と合祀された「嶋田神社」の本殿として再移築されるというユニークな歴史を辿っているのです。

地縁を背負うように祭神には「崇道天皇」も

なお、嶋田神社の祭神神八井耳命(かんやいみみのみこと)と崇道天皇となっています。神武天皇の皇子と言われる神八井耳命は、神武天皇の皇子と言われ、その末裔である仲臣子上と呼ばれる人物が13代の成務天皇の治世に、尾張国で悪神を倒す功をあげ「島田」の臣を賜ったと言われており、「嶋田」の名はそれに由来すると推定されます。また、崇道天皇に関しては、周辺で多くみられる崇道天皇信仰と同様の形態、また崇道天皇社を合祀したという歴史に由来するものであると考えられます。

神社は小ぶりなものですが、かつての春日大社本殿の建築を今に伝える貴重な空間となっており、山辺の道周辺という事でアクセス性もそれほど悪くありません。ハイキングの途中に一呼吸置く場所としてもすがすがしい雰囲気を感じさせてくれるでしょう。

嶋田神社の風景

拝殿周辺

嶋田神社(奈良市)の入り口

嶋田神社は、神社の境内地に入る位置に一般的にはあるはずの「鳥居」がありません。道路から敷地に入ると、鳥居を通ることなくそのまま社殿のある位置に到着します。

境内には真新しい歌碑も設けられています。

本殿

嶋田神社本殿周辺

社殿を越え、丁寧に囲われた本殿の前に来るとようやく鳥居が現れます。境内には観光案内板も設けられており、山辺の道エリアの小さな「観光スポット」として位置付けられています。

元「春日大社本殿」である嶋田神社本殿

立派な狛犬に守られたかつての「春日大社本殿」は、恐らく丁寧に改修がなされているとは言え、築300年以上とは思えない佇まいを見せてくれます。

境内社・その他

嶋田神社の境内社

小さな境内には天照大神社、春日神社、そして「金神」を祀る小社と複数の境内社もあり、いずれも美しい状態で管理されています。

狛犬

奈良・嶋田神社の狛犬

案内板

アクセス

各駅からのアクセス

奈良交通バス

JR・近鉄奈良駅から奈良交通バス「山村町」行き乗車、「八島町」下車、東に徒歩7分

近隣スポット

周辺は山辺の道(北)エリアの田園風景が広がる、白山比咩神社から南西に徒歩4分、崇道天皇陵(八つ石)から東に徒歩5分、円照寺(拝観不可)から北に徒歩12分、大師堂(円照寺)から北に徒歩12分

嶋田神社周辺地図