興福寺北円堂

【興福寺北円堂】「日本で一番美しい八角堂」には「無著菩薩・世親菩薩像」などが安置される

ごあんない

近鉄奈良駅から一番近い世界遺産

興福寺北円堂(ほくえんどう)は、奈良を代表する寺院の一つである「興福寺」境内地の北西端、南円堂や三重塔の北側に位置し、近鉄奈良駅周辺に最も近い位置にある「八角堂」です。駅からは徒歩5分以内と本当にすぐの位置となっており、近鉄奈良駅前のメインストリート「東向商店街」の途中から東に伸びる坂道を登りきると、すぐ北側に美しい北円堂が広がっています。

興福寺の中でも特に古い歴史を持つお堂は「藤原不比等」を弔うために建立

整った美しさを感じさせるお堂の創建は大変古く、藤原不比等の1周忌に際して奈良時代初期の養老5年(721年)に、元明上皇と元正天皇が「長屋王」に勅命を発し、創建させた建築と言われています。すなわち730年に建てられた五重塔等と比較しても、興福寺内の建築としては比較的古い歴史を持つ存在と言えます。なお、周辺は高台となっており、現在は周辺は市街化されていますが、かつては北円堂からは西に広がる平城京や生駒山方面をを一望できたとも言われています。

なお、奈良時代に建てられた「北円堂」はその後平安末期に焼失し、その後鎌倉時代初期の承元四年(1210年)頃に再建され、現在まで残されている建築はその時のものとなっています。但し、建築様式自体は創建当初の色彩を留めており、後世の再建ながらも奈良時代の面影を強く感じさせる外観となっています。なお、再建建築とは言え、現在の興福寺に残る建築物としては、三重塔と並び最も古い存在にもなっています。

ご覧いただける仏像について

本尊木造弥勒如来坐像(国宝)

北円堂の中央部に安置されている国宝の木造弥勒如来坐像は、鎌倉時代の建暦2年(1212年)頃に造立された仏さまであり、有名な「運慶」一門(運慶も関わりつつ、源慶が中心となったとされています)の作となっています。像高1.5メートルほどの像は造立当初と変わらぬ美しい姿を現在も留めており、金色の部分も比較的多くなっています。なお、脇侍としては両脇にそれぞれ法苑林菩薩坐像・大妙相菩薩坐像も祀られています。

木造無著菩薩・世親菩薩像(国宝)

本尊弥勒如来の裏手に並ぶ形で安置されている国宝木造無著菩薩・世親菩薩像は北インドで興福寺の宗派である「法相宗」の理論的支柱とも言える「法相教学」を確立した兄弟である「無著・世親菩薩」のお姿を象った像となっています。造立にあたってはやはり運慶一門が造像を行ったと考えられ、老齢の無著と少し若い世親の表情はいずれも強烈なまでのリアリティを感じさせ、人生を生きる上での種々の辛苦を経験し全てを見通したかのような神聖な雰囲気すら漂わせるものとなっており、日本の仏教美術全体においても非常に名高い存在となっています。

木心乾漆四天王立像(国宝)

国宝木心乾漆四天王立像は、持国天・増長天・広目天・多聞天が須弥壇のそれぞれ南東・南西・北西・北東に配置されており、いずれも像高は1.3~1.4メートルほどとなっています。北円堂の仏像としては最も古い平安時代の延暦10年(791年)に造立された四天王像は、当初は大安寺に安置されていたものが少なくとも鎌倉時代には興福寺に移されてきたという歴史を持っており、古い作品ながら、例えば持国天は目玉が飛び出るかのような表情を見せるなど、比較的誇張的・ユニークな表現が目立つようになっています。また、現在の像は何も持たずに腕を振り上げたりしている姿が目立ちますが、元々は剣や三叉戟といった持物をいずれの像も持っていたと考えられています。

拝観は年2回の特別公開期間のみ可能

なお、北円堂は年間を通して開放されているわけではなく、春と秋の特別公開期間のみ拝観することが可能です。公開期間は、基本的に決まった時期となっていますが、展覧会の実施や工事の関係などで日程が年により替わる可能性もありますので、あらかじめ確認の上ご訪問されることをおすすめします。

拝観情報

特別公開期間(例年の傾向)

・春の特別公開期間:4月の第4土曜日~5月の第2日曜日
・秋の特別公開期間:10月の第4土曜日~11月の第2日曜日

拝観時間

9時‐17時(最終入場16時45分)

拝観料

大人 ・大学生 300円
中学・高校生 200円
小学生 100円

アクセス

各駅からのアクセス

近鉄奈良駅から南東に徒歩5分

JR奈良駅から東に徒歩15分

奈良交通バス

・JR奈良駅から近鉄奈良駅方面各路線乗車、「近鉄奈良駅」下車、南東に徒歩5分

近隣スポット

正面の坂道を西に下ると「東向商店街」界隈まで徒歩2分、興福寺南円堂から北西に徒歩2分、興福寺五重塔から北西に徒歩3分、興福寺東金堂から西に徒歩3分、猿沢池から北に徒歩3分

興福寺北円堂周辺地図