飛火野から若草山を望む

【奈良・飛火野】春日大社の「大とんど」ってどんな行事?【日程・内容・アクセスなど】

山焼きだけじゃない。奈良の冬を彩る「火」の行事「大とんど」

奈良の「1月」を代表する行事として有名な存在は「若草山の山焼き」

山焼きは全国ニュースや観光案内でも広く取り上げられ、知名度は抜群の行事となっていますが、実はこれ以外にも同じ日に「火」を使った行事があるのです。

それは、春日大社の「大とんど」。実はここで焚きあげられた火を「山焼き」の種火とするくらい、由緒ある行事なのですが、その知名度は「山焼き」ほどではありません。

ここでは、そんな歴史ある行事、「大とんど」の日程や内容などについて、なるべくわかりやすくご紹介して参ります。

「大とんど」とは?

奈良の冬の隠れた風物詩である「大とんど」。この行事は、奈良公園で最大規模の「芝生」が広がる空間である「飛火野」で、大きな炉で火を焚き、そこで春日大社の初詣で集められた古いお守りや当日に見学者が持参したお正月飾りなどを燃やし、その年の無病息災などをお祈りするものです。(古くは2月11日の「紀元節」に合わせ、また2002年までは成人の日に「若草山麓」で行われていましたが、その後は飛火野で行われています。)

様々な神社の初詣でも、境内で古いお守りや破魔矢などを焚き上げていますが、この「大とんど」も基本的に同じような行事であると思って頂いてよいでしょう。

ただし、この「大とんど」は、「大」と付いているからには、規模は相当なものです。

奈良公園の一角、「市内循環バス」からもよく見えるような位置で、巨大な炉で燃え上がる火炎。炉の大きさは75立方メートルにも及び、火は5メートル近い高さまで燃え上がります。

また、見学者は「山焼き」では近づけないくらいの距離からその火を眺めることができます。

「大とんど」は主に日中の実施なので、山焼きのような火の「鮮やかさ」はないかもしれませんが、近くで見学でき、祈祷も同時に実施されているという臨場感は相当なものですので、訪れて損はありません。

そして、ここで焚きあげられた神聖な火は、大切に「採火」されて、夜の「若草山山焼き」の種火として再利用されることになるのです。

つまり、昼間に「大とんど」の火を見た後に、夜に「若草山山焼き」で見る「火」は、「同じ火」であるのです。

そんなことを想いながら、両方の行事を見てみると、なんだか不思議な気分になりますね。

大とんどの日程・受付手順など

さて、そんなダイナミックな「大とんど」ですが、その日程は「若草山山焼き」と同じ日に行われます。

その日程は、近年は

1月の第4土曜日

に固定されています。他の似た行事は、基本的に年始や成人の日などの時期に行われることがほとんどですので、この「大とんど」は、かなり遅い分類に入ります。

逆に言えば、「燃やし忘れた」正月飾りやお守りがあっても、この大とんどに持っていけば、まだ間に合う。という便利な行事であるということもなりますね。

なお、当日は

午後1時頃

から儀式が始められます。

火は長い時間燃やされ続けるため、お守りや正月飾りを燃やす「受付」は、

午後6時

ごろまで行われています。主に「明るいうち」に行われる行事とは言え、山焼きが始まるような時間にもまだ火は残っているのです。

なお、当日が雨天の時は当然ながら実施されません。その場合翌日の午前10時~午後4時頃と、通常とは異なる時刻で実施されますので、留意しておく必要があります。

なお、現在のお守りやお正月飾りはビニールやプラスチックが混じっていることも多いですが、この行事では、そのような部品はきちんと分別された上で燃やされますので、環境にもやさしい行事となっています。

アクセス

奈良公園内の「飛火野」で行われる「大とんど」は、なんと「バスの車内」からもその姿を眺めることもできます。すなわち、アクセスは大変便利な位置で行われているということです。

最寄りのバス停は「春日大社表参道」バス停となっており、バス停で降りると、目の前が「飛火野」、つまり「大とんど」の会場となっていますので、駅から迷うことなくこの上なくスムーズなアクセスが可能です。

なお、JR・近鉄奈良駅からは「市内循環・外回り」のバスに乗ってください。運賃は210円です。全国共通ICカード乗車券や、奈良交通のフリー乗車券類はどちらもご利用頂けます。

なお、「春日大社表参道」バス停は、「東大寺大仏殿・国立博物館」の次のバス停です。

アクセスに関しては、山焼きを見るために若草山の麓に行くよりはよほど便利にアクセスできますので、気軽にご訪問頂けます。

なお、当日は山焼き実施のため、16時以降は飛火野周辺はバス・タクシーと言った車両以外は通行禁止になります。奈良公園近隣の駐車場に停めて飛火野へアクセスすることは可能ですが、周辺道路の混雑など、色々と面倒なことになる可能性がありますので、基本的に「大とんど」へはマイカーではなく、公共交通機関のみを利用することを強くおすすめします。

まとめ

以上、春日大社の「大とんど」についてまとめてきました。

「山焼き」の「前哨戦」とも言える行事は、1月後半に行われる貴重な「とんど」として、お正月飾りなどを燃やす最後のチャンスともいえる存在です。

また、気軽にアクセスできるほか、比較的近くでダイナミックな「火」をご覧いただけることもあり、「山焼き」鑑賞の前に是非見ておきたい行事ともなっています。

山焼きと比較すると、圧倒的に知名度は低く参列者も地元住民の方が目立ちますが、奈良の立派な冬の風物詩ですので、みなさんもぜひ訪れてみてくださいね。