観光のご案内
徳川家と深いゆかりを持つ
念仏寺(念佛寺・ねんぶつじ)は、近鉄奈良駅とJR奈良駅を結ぶ大通り(大宮通り)沿いからわずかに南に入った奈良市中心部の「まちなか」にひっそりと佇む寺院です。
隣接する敷地には周辺では唯一現存する古墳である「開化天皇陵」も位置しているなど、駅前にしては静かな雰囲気と歴史を感じさせるお寺ですが、その歴史はそれほど古くはなく、江戸時代初期の元和8年(1622年)に徳川家康の異父兄弟である松平定勝が袋中(たいちゅう)と呼ばれる僧侶に創建させたお寺であるとされています。
お寺の敷地には奇妙な伝承も残っており、徳川家康が慶長19年(1614年)の大阪冬の陣において、山城国(現在の京都府木津川市)で真田幸村軍に破れた後奈良まで逃げ、この念仏寺の敷地にある「桶屋の棺」に隠れ、なんとか命拾いをしたという伝承が伝わっており、お寺の説明板にもそのエピソードが記されています。この伝承は一般的に伝わる歴史の「史実」とは全く異なるものですが、いわゆる「勝者」の立場から描かれていない地方に伝わる伝説の一つとしてユニークな存在となっています。
「隠れ寺」のような風情を味わう
念仏寺は観光スポットとして認知されている場所ではありませんが、そのユニークな伝説もさることながら、思いのほか広々とした境内地も気持ちの良いものであり、JR奈良駅まで歩く途中などに立ち寄りやすい環境と言えます。
境内には立派な本堂の他、南端のエリアには室町時代に作られた立派な地蔵菩薩像があり、その他にも松平定勝の墓所や様々な石碑・石仏が数多く並んでおり、ひっそりとした境内は駅前とは思えない「隠れ寺」のような雰囲気を漂わせています。
なお、周辺にあるその他のスポットである「開化天皇陵・霊巖院・淨教寺・漢国神社」などとの位置関係はやや複雑になっており、いずれのスポットもほぼ隣接するような近さにあるにも関わらず直結する道路がないために、近鉄奈良駅前などから「やすらぎの道」を経由するなどして迂回していく必要がありますので、その点はご留意ください。
※拝観その他の最新の情報については、こちらの情報ではなく別途公式的な情報などをご確認下さい。
念仏寺の風景

近鉄奈良駅近くの大宮通り沿いから南に少しだけ下った位置にある念仏寺。山門には徳川家の御紋がしっかりと記されています。

山門を抜けた先には比較的広い境内地が広がっています。なお、本堂などのあるエリアは南側にあるためここから更に進むことになります。


境内を南に進むと、立派な本堂が現れます。


本堂正面の扁額には寺号「降魔山」が記されています。

境内南側には、詳細は不詳ですが、小さな神社も設けられています。

境内の南端部には室町時代の作と伝わる美しい地蔵菩薩がお祀りされています。

大きな地蔵菩薩の下には、ごく小さな別のお地蔵さまも設けられており、どこか「隠れ寺」らしい風情を味わえる風景を生み出しています。

本堂近くにはこのお寺を創建した徳川家康の異父弟である松平定勝の墓所も含め、多数の石碑や石仏が設けられています。















次項では、交通アクセスについてご案内致します。
アクセス(電車・バス)
近鉄・JR線各駅からのアクセス
近鉄奈良駅から西に徒歩4分
JR奈良駅から北東に徒歩9分
周辺のみどころ・観光スポット
蓮長寺から南東に徒歩3分、漢国神社から西に徒歩4分、霊巖院から徒歩6分(隣接する敷地ですが、大きく迂回する必要があります)、開化天皇陵から徒歩7分(こちらも隣の敷地ですが、三条通経由で迂回が必要です。)、率川神社から北に徒歩7分