由緒・概要
猿沢池近くの「上ツ道」沿いに位置する神社
猿田彦神社(さるたひこじんじゃ)は「ならまち」エリアの北側一帯、「元林院町」界隈にもほど近い、飲食店などが立ち並ぶ「今御門商店街」・「西寺林商店街」が交差する位置にある小さな神社です。神社は猿沢池の真南に位置し、猿沢池からならまち・帯解・天理方面へと伸びるかつての街道「上ツ道」沿いにあたります。一帯は駅からならまち方面への主要な動線上にもあたり、大勢の観光客が行き交うエリアとなっています。
この神社は、その創建は平安時代、9世紀初頭の平城天皇の時代に遡るとされ、南側の「住吉神社」と同様、かつては大規模な寺院であった「元興寺」の境内にあった神社であるとされています。しかし奈良時代は大寺院であった元興寺が次第に荒廃していく中、宝徳2年(1450年)には火災等で焼け落ちることになり、その後に現在の位置に改めて再建されたものとされています。
祭神は猿田彦命(サルタヒコノミコト)・市杵島姫命(イチキシマヒメノミコト)を祀っており、またの名を「道祖神社」と呼ばれているように地域の道祖神や開運の神として、長年奈良町界隈の地域住民の信仰を受けてきました。
本殿近くの巨石は「勝負事」にご利益のある「賽の神」
神社はごく小さな境内地となっていますが、社殿の近くにはユニークな「巨石」が置かれており、この石は賭け事をはじめとする「勝負事」や商売繁盛の神、「賽の神」として信仰を集めて来たとされています。
南側にある「住吉神社」と同様、歴史ある「まち」の神社らしい風格を備える神社ですが、住吉神社と異なり門が閉ざされてはおらず、人通りの多い街並みの中で気軽に参拝できるようになっており、地域住民が欠かさずお参りをしている姿も目にすることができます。
猿田彦神社(道祖神社)の風景
猿沢池から南にすぐのエリア、飲食店などが多数あるにぎわいのある歴史的町並みの中にある「十字路」に面する位置にある猿田彦神社。
神社は周囲の風景との調和が美しく、まさにこれぞ「道祖神」。とでも言えそうな雰囲気を漂わせており、昔は伊勢参りなどに行く人々もこの神社の前を通過したであろう「風格」を十分に感じさせるものとなっています。
鳥居の扁額にはただ「道祖神」とだけ記されています。奈良市内のその他の神社でこのような表記を見ることはほとんどありません。
アクセス情報
交通
※道路は狭くなっており、周辺駐車場の利用は可能ですが、神社のそばへ車でアクセスすることは基本的におすすめできません。
周辺のみどころ・観光スポット
猿田彦神社周辺地図
所在地:奈良市今御門町
猿田彦神社は猿沢池のすぐそばに位置し、周辺は飲食店など観光客向けの店舗が立ち並ぶエリアとなっています。