赤穂神社(奈良市)

【赤穂神社】高畑の小さな神社は延喜式にも登場する古社

ごあんない

旧社家町エリアに佇む小さな神社

赤穂神社(あこうじんじゃ)は奈良町の東側のなだらかな丘陵地に広がる「高畑」エリアの住宅街の一角に位置するごく小さな神社です。周囲は春日大社関係者(神官)が住まう「社家町」として栄えた地域であり、現在でも宮司職舎がごく近くに立地しています。

小さな神社は目立った鳥居があるわけでもなく、一見そのまま通り過ぎてしまいそうな風景となっていますが、その歴史は大変古いもので、延喜式に掲載されている「式台社(小社)」となっています。

深い歴史を持つ「赤穂の地」

由来は『日本書紀』によれば、天武天皇6年(679年)に弘文天皇の妃である十市皇女を、また天武天皇11年には藤原鎌足の娘である氷上娘を「赤穂」の地に葬ったと記されており、その「赤穂」と呼ばれる地がこの「赤穂神社」の地であるとされています。またかつては数百坪にも及ぶと言われる現在とは比べものにならないほどの広々とした境内を持ち、桜の名所であったとも言われています。一方で、周辺が社家町としての役割を終えた明治維新の頃からは荒廃が進み、その後合祀されるなどして現在に至っているということです。なお、赤穂神社は近隣にある「南都鏡神社」の別社とされており、赤穂神社内の「天満宮」も鏡神社の末社となっています。

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現在の神社の祭神は天児屋根命(あめのこやねのみこと)・天満大神(てんまんおおかみ)・弁才天となっており、極めて小さな境内には2つの社が設けられています。

なお、神社の入り口には鹿よけのような柵が設けられています。そのため一見立ち入りができないように見えますが、自由に参拝することは認められており、立ち入る際は門の開け閉めを自分で行う形となっています。

赤穂神社の風景

式内赤穂神社の石標

奈良町エリアから新薬師寺方面へと向かうなだらかな坂道沿いにひっそりと佇む赤穂神社。「滝坂の道」にもつながる歴史ある道沿いは立派なお屋敷や土塀が並んでいることで知られていますが、そのような町並みとは異なるコンクリートブロックで囲まれた武骨な風景の中に、「赤穂神社」であることを唯一示す小さな石標が建っています。

赤穂神社(高畑)境内地

赤穂神社(奈良市)

コンクリートブロックの内側には極めて狭い境内地ながらも立派な「神社」らしい風景が広がっています。本殿などの他にも、一応雨露をしのぐ小さな「拝殿」も設けられているなど、明治以降の荒廃の中で復興への努力を進めて来た歴史が伺えます。

赤穂神社の由来を記した案内板

境内には赤穂神社の詳細な由緒を記した案内板も設置されています。その記述からはかつては桜の木も多くみられるなど、美しい風景が広がっていたことが伺えます。

アクセス

各駅からのアクセス

奈良交通バス

・JR奈良駅、近鉄奈良駅から「市内循環外回り」・「中循環外回り(近鉄奈良駅からのみ)」・「山村町」・「藤原台」・「鹿野園町」・「奈良佐保短期大学」行き乗車、「破石町」バス停下車、南に徒歩3分

近隣スポット

志賀直哉旧居から南西に徒歩3分、空院から西に徒歩5分、奈良市写真美術館から北西に徒歩5分、頭塔から東に徒歩5分、新薬師寺から北西に徒歩7分、不浮見堂から南東に徒歩9分

赤穂神社周辺地図