ご案内
「茶道の始祖」が一時期を過ごした地
称名寺(しょうみょうじ)は、近鉄奈良駅からそう遠くない市街地の一角、「奈良きたまち」エリアの西端といってもよいごく普通の町並みの中にひっそりと佇む寺院です。
その歴史は鎌倉時代に興福寺の僧が建立した道場に遡り、当初は興福寺の近くにあったものが、その後室町時代には当地に移転してきたものとされています。また、この寺院は現在では茶道の始祖とも言われる「村田珠光」ゆかりの寺として大変有名で、かつて称名寺の僧であった珠光は獨盧庵 (どくろあん・俗称:珠光庵)と呼ばれる茶室を建立したと言われ、現在も再建された茶室が使用されています。
例年の場合5月15日には珠光忌が開催され、本堂や茶室の拝観・見学が行えるほか、抹茶が振る舞われるなど茶道愛好者を中心に賑わいを見せます。境内には珠光ゆかりの「竹」や「井戸」、また分葬された場所には石碑が立てられるなど、随所に珠光の面影を感じることが出来るようになっています。
松永久秀の「多聞城」ゆかりの石仏も多数あります
また、珠光ゆかりの事物以外では、「千体地蔵尊」と言われる大量の石仏達が境内東側にびっしりと並べられていることでも有名となっています。この石仏たちは、かつて戦国武将の「松永久秀」が一世を風靡した時代、現在の聖武天皇陵北東側に築かれた「多聞城」の石垣として周辺地域からかき集められ用いられた石材に含まれた「石仏」に由来するもので、多聞城が廃城となった後、放置されていたものを称名寺の「観阿上人」が回収して寺内に安置したことに由来するとされています。
称名寺の風景

近鉄奈良駅からしばらく歩くと、アパートなども立ち並ぶごく普通の市街地の中に突然シンプルで小ぎれいなな「山門」が現れます。なお、道路を歩いているだけでは見過ごしてしまうこともあるため、よく位置を確認した上でご訪問ください。

山門から境内地に入ると、まちなかのお寺らしいコンパクトながらも立派な本堂が正面にすぐに見えて参ります。

千体地蔵尊は、実際は「千体」よりももっと多いであろう石仏達が、小さな境内地の東側に所狭しと並んでいます。奈良市内でここまでの規模の石仏群はなかなか見ることが出来ません。




















次項では、交通アクセスについてご案内致します。
アクセス(電車・バス)
近鉄・JR線各駅からのアクセス
近鉄奈良駅から北西に徒歩6分
JR奈良駅から北東に徒歩14分
(近鉄奈良駅前から「やすらぎの道」を北に歩き、一つ目の信号機のある交差点を西側に曲がります。交差点には「称名寺」の方向を示す古い道標もあります。)
・JR奈良駅西口バスのりばから「大和西大寺駅(12・14系統)」「航空自衛隊」「高の原駅」「加茂駅」「梅美台循環・外回り」行き乗車、「内侍原町」下車、西に徒歩2分
周辺のみどころ・観光スポット
中筋神社から北西に徒歩6分、蓮長寺から北東に徒歩7分、初宮神社から西に徒歩7分、大仏鉄道記念公園から南東に徒歩8分、船橋商店街(南入り口)から北東に徒歩8分