【福智院】ならまちにある「玄昉ゆかりの寺」は巨大な地蔵菩薩坐像でも知られる

福智院(ならまち) 観光スポット・みどころ

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観光のご案内

有名な「玄昉」ゆかりのお寺です

福智院(ふくちいん)は、奈良の一大観光ゾーンである「奈良町(ならまち)」エリアのやや東寄り、「高畑」エリア周辺にも近い古い町並みの一角に佇む小さな寺院です。

その創建は興福寺の有名な僧侶で、その生涯を巡って様々な奇怪な伝説が言い伝えられている「玄昉」が奈良時代の聖武天皇の治世、736年(天平8年)に創建したとされる「清水寺」と呼ばれる寺院に由来を持つとされています。清水寺は、その後荒廃するものの鎌倉時代の1254年(建長6年)には興福寺の門跡寺院「大乗院」の実信僧正により再興され、その後福智院に改名し、更にその後には般若寺等にも深く関わった「叡尊」が再建したとされています。なお現在の山号は「清冷院」となっており、前身の「清水寺」の面影を感じさせるような山号になっています。

奈良でも有数の「お地蔵さま」を見て頂けます

本尊としては鎌倉期(1203年に奈良市山間部、現在の下狭川町付近の「福智庄」で造られたものとされています。)の巨大な木造地蔵菩薩坐像があり、像の高さは3メートル近く、また台座や500体に及ぶ多数の小さな地蔵菩薩(千体地蔵)を有する「光背」を含んだ全体の高さは7メートル近くに及ぶなど、「地蔵大仏」とも呼ばれるほどの壮大な作品として知られています。なお、このほかには秘仏であり異国情緒を感じさせる佇まいで知られる「宝冠十一面観音像(※特別公開期間のみ拝観可能)」、中興の祖である「興正菩薩」の像も安置されています。

建築については「本堂」自体は比較的こぢんまりとした造りですが、内部は「天竺様」と呼ばれる様式が用いられるなど、ならまちエリアの町並みの中では異彩を放つ日本・中国双方の建築文化を反映した建築となっています。

拝観情報

拝観時間

午前9時~午後4時30分

拝観料(本堂)

<通常時>大人(中学生以上)500円・小学生250円
<特別展開催時>大人(中学生以上)600円・小学生350円

福智院の風景

山門

福智院(ならまち)

ならまちエリアから高畑エリアへと登るゆるやかな坂道沿いにある福智院。境内は小さな空間となっており、少し離れた所からはその存在に気づきにくいお寺になっています。

本堂

福智院(奈良)の本堂
福智院の案内板

境内地は周辺のお寺の中でもかなり小さめとなっている福智院。建物も基本的にはこの本堂のみとなっていますが、小さなお寺だからこそ感じられる歴史の「重厚感」にあふれた風景を味わうことが出来ます。

勝軍地蔵尊

福智院「勝軍地蔵尊」

本堂の北西側、山門を入って北側すぐの場所には馬に跨り甲冑を身に着けた力強いお姿の「勝軍地蔵尊」が設けられています。なお、勝軍地蔵尊はかつては境内の四方の隅に設けられていたとも言われ、近隣にある「鎧地蔵堂」もそのうちの一つであるとする説もあります。

石仏群

福智院の石仏群

本堂の南側の空間には、相当な数の石仏や五輪塔などが敷き詰められるように並んでおり、称名寺の「千体地蔵尊」や称念寺の「無縁塔」に次ぐ規模の存在感を放っています。

その他境内の風景

福智院のお地蔵さま

本堂前には比較的新しいお地蔵さまがお祀りされています。

玄昉僧正顕彰碑(福智院)

境内には創建に関わった玄昉僧正を顕彰する石碑も設置されています。

次項では、交通アクセスについてご案内致します。

アクセス(電車・バス)

近鉄・JR線各駅からのアクセス

奈良交通バス

・JR、近鉄奈良駅から「天理駅」・「下山」行き乗車、「福智院町」バス停下車、北西に徒歩2分

※バス停を下車し北に少し進むと、東西に伸びる道があり、更にその道を東に少し進むとすぐに「福智院」が右側に見えて参ります。

近鉄奈良駅から南東に徒歩18分

JR奈良駅から東に徒歩22分

周辺のみどころ・観光スポット

名勝旧大乗院庭園から南東に徒歩2分、瑜伽神社から南に徒歩2分、奈良町天神社から南西に徒歩4分、十輪院から北西に徒歩4分、元興寺(極楽坊)から東に徒歩6分、史跡頭塔から西に徒歩7分

福智院周辺地図