西大寺四王堂

【西大寺四王堂】美麗な十一面観音立像がお祀りされる空間には創建時の「邪鬼」も残される

ごあんない

「西大寺」の境内に入ってすぐの位置にあるお堂です

西大寺四王堂(しおうどう)は、南都七大寺として過去は大伽藍を有した西大寺の現在の伽藍における本堂・愛染堂などに準ずる中心的な仏堂です。四王堂は近鉄大和西大寺駅から西大寺境内に入る際に最も先に辿り付く建物であり、その存在は寺内でも目立つ存在となっています。

衰退や焼失等の苦難の歴史を経て来た西大寺伽藍ですが、その他の仏堂と同様に、この四王堂も度々の焼失という苦難を経て現在の堂舎は江戸前期の延宝2年(1674年)に再建されたものとなっています。その独特の建築は周囲に創建当時の規模を伝える版築基壇を持つなど、奈良時代の四王堂とほぼ同じ位置に建つとされ、端正な近世仏堂建築である本堂と比較して奈良時代の面影を今に残しています。

創建の由来である「四天王像」をお祀りする

ちなみに、西大寺は称徳天皇が恵美押勝の乱が平定することを祈願し四天王像を安置したことをその創建の由来とすると言われており、この四王堂は、「四王」の名の通りその四天王像をまつるお堂として設置されています。

安置されている「四天王像」本体は奈良時代のものは既に失われているため鎌倉時代のものですが、その足下にありコミカルな姿を見せつつ火災で融けた跡も残される「邪鬼」の像奈良時代の創建当初の姿のまま残されています(重要文化財)。また、正安2年(1289年)には京都白河十一面堂院の本尊十一面観音立像が「客仏本尊」として西大寺に移され、この四王堂に祀られることになり、それに由来し四王堂はそのまたの名を「観音堂」とも称します。

堂々たる風格を見せる十一面観音立像は平安時代の後期に鳥羽上皇の指示により仏師円信により造像されたものですが、そのスケールは思いのほか大きく像高6メートルにも及ぶ存在であるため、現在では十一面観音が「主役」のような状況になっており、四天王像はそれを守護するような格好になっていることもあり、その四天王像の脇にある「邪鬼」は一層小さな存在となってしまっています。しかし奈良時代の創建期から残される像はこの邪鬼が唯一のものとなっていますので、ぜひ忘れずにその存在もチェックしてみることをおすすめします。

なお、四王堂は堂内のみならず、朝や夕方に四王堂の外壁に反射する日差しがことのほか美しく、本堂の美しさとはまた異なった風景を生み出しており、東大寺等の大寺院とはまた異なる西大寺独特の魅力に華を添えています。本堂や愛染堂にお立ち寄りになる場合は、ぜひ歴史ある四王堂も合わせて拝観してみてはいかがでしょうか。

西大寺四王堂の風景

西大寺四王堂

四王堂の建築は、本堂と比べるとかなり小さめではありますが、奈良市内ではあまり見られない様式となっており、繊細さを感じさせる佇まいにもなっています。

五色幕を付けた西大寺四王堂

四王堂の建物には本堂と同様に「五色幕」が取り付けられる時期もあり、本堂よりも朱色が目立つ建物は西日に照らされることもあいまって、一層明るく光り輝きます。

江戸時代建立のお堂の正面には奈良時代の四王堂の規模を伝える版築基壇が設けられています。

拝観情報(西大寺四王堂)

堂内拝観料:大人(中学生以上)300円、小学生200円

※境内の見学は堂内に入らない場合は無料で、自由に散策して頂けます。

※諸堂拝観共通券を購入すると、本堂・愛染堂・四王堂・聚宝館の四堂全ての堂内を1000円でご覧いただけます。(聚宝館を除く三堂の拝観共通券の場合は800円)

※四王堂では御朱印を授与頂けます。

拝観時間:午前8時半~午後4時30分

アクセス

最寄駅からのアクセス

近鉄大和西大寺駅から西に徒歩3分(奈良交通バス「大和西大寺駅」バス停からは西に徒歩6分)

近隣スポット

西大寺東門から西にすぐ・西大寺本堂から東に徒歩2分・西大寺不動堂から東に徒歩2分・西大寺愛染堂から東に徒歩3分

西大寺石落神社から西にすぐ・八幡神社から北東に徒歩6分・菅原天満宮から北に徒歩12分・秋篠寺から南に徒歩15分

西大寺四王堂周辺地図