【平城宮跡朱雀門】復原された平城宮の「正門」は電車の中からもよく見える

平城宮跡朱雀門 観光スポット・みどころ

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最新の状況については、各スポットに関する公式サイト、または観光協会などの情報発信などを別途ご確認下さい。

観光のご案内

概要・規模

朱雀門(すざくもん、しゅじゃくもん)は、奈良時代の平城宮における南面の「正門」として機能していた堂々たる門です。

現在の平城宮跡の南端、近鉄奈良線の線路にほど近い場所に位置し、電車からも間近に眺めることができるなど、訪れたことがない市民や観光客にも広く認知され親しまれる、第一次大極殿と並ぶ平城宮跡のシンボル的存在となっています。

そのスケールとしては、第一次大極殿ほどの規模は有しませんが、朱色に塗られた入母屋二層構造と言われる建築様式を持ち、東西25m、高さ20mに及ぶ堂々たる風格を示しています。

一方で、現在の朱雀門は、第一次大極殿と同様、近年になり復原されたものであり、1993年に着工・1998年に完成した真新しいものとなっています。

復原にあたっては大極殿と同様、過去の朱雀門を直接描く資料は存在しなかったため、昭和期に徹底して行われた発掘調査や歴史・建築史研究の成果を活かしつつ、様式は薬師寺東塔、部材の大きさは東大寺転害門、また鴟尾については唐招提寺金銅といった奈良時代のその他の現存する建築も参考に、耐震強度等の現代の建築基準を満たすような形で復元が行われました。

すなわち、大極殿とも共通して言えることですが、現在の復原朱雀門が、本当に奈良時代にあった朱雀門と全て同じようになっているという保証はなく、あくまでも最高レベルの歴史・考古学研究の結果として復原されているということになります。

奈良時代の朱雀門とは?

朱雀門については、その詳細な建設時期や建設の過程、また設計に関わる内容を示す資料等は残されていません。

そのため朱雀門が存在したことは間違いないのですが、大極殿と同様、朱雀門について公式的な「歴史」として記録されている事項はそれほどないのが現状となっています。

但し、奈良時代初頭の霊亀元年(715年)のお正月に「拝賀」と呼ばれる天皇に群臣らが新年のあいさつを申し上げる儀式の実施にあたり、衛士らが門の左右に整列したという記録が残っているということで、平城遷都後早い時期に朱雀門が建設されたことは確かなようです。

一方で、奈良時代には、その「用途」としては奈良のまち全体である「平城京」に対し、天皇や貴族の空間である「平城宮」の玄関口であったため、衛士により厳重に守られ、常に開門がなされていた訳ではなかったとされています。

しかし外国からの使節の出迎えや祝い事等に用いられ、天皇が朱雀門にお出ましになることもあったようです。

なお、奈良時代には、平城京では朱雀門より南に向かって、現在の大和郡山市内にあった「羅生門」まで幅80メートルと広大な「朱雀大路」が約4キロに渡り伸びており、その壮大な都の風景の中心的位置に朱雀門が存在したとされており、現在と同様平城宮のシンボル的存在の一つであったことは間違いないと考えられます。

混雑状況については、朱雀門周辺は平城京「天平祭」開催時などの観光シーズンや団体客がいる場合に混雑することもありますが、一年を通してみると比較的静かな場合が多く、北にある大極殿の風景と合わせ、奈良時代の雰囲気を味わいながらのんびりとした時間を過ごして頂ける場合がほとんどとなっています。

ちなみに、夜間は基本的に美しくライトアップされることになっており、大極殿とともに幻想的な雰囲気を味わって頂けるようになっています。

次項では、施設情報をご案内致します。

施設情報

入場料

無料

公開時間

9時~16時半(入場は16時まで)

休館日

月曜日(月曜が祝日の場合はその翌日)、年末年始(12月29日~1月3日)

朱雀門のみどころ・風景

朱雀大路から眺める朱雀門

近くの国道沿いから伸びる「朱雀大路」を3分ほど歩くと、突き当りには朱雀門が堂々とした構えを見せています。

そして朱雀門を越えるとその真北の位置は更に「第一次大極殿」がそびえ立っている訳です。

朱雀門の全体像

大極殿とは違いあくまでも単なる「門」ですので、見学というのは、門の真下などへ入ることができるという意味となっています。

また、2階部分にも上ることはできませんが、門を越える際には北側に大極殿方面を真っすぐに眺めることが出来ます。

天井の模様や色合いなどは、第一次大極殿と比較的よく似たものとなっています。

ススキと朱雀門

朱雀門は大極殿ほどの規模はありませんが、平城宮跡の随所から望むことが可能であり、秋のススキとの共演は、朱雀門の背景に映る若草山や春日山の風景と合わせて歴史感ある実に美しい風景を生み出しています。

昼間の赤々と輝く姿もさることながら、夜間の煌々とライトアップされている光景も実に美しくなっていますので、ぜひ「夜」の平城宮跡にもおいでください。

次項では、交通アクセスについてご案内致します。

アクセス(電車・バス)

近鉄・JR線各駅からのアクセス

奈良交通バス

・JR、近鉄奈良駅から「学園前駅(南)(奈良市庁前経由)」行き乗車、「朱雀門ひろば前」バス停下車、北に徒歩3分

ぐるっとバス

・近鉄奈良駅から「ぐるっとバス大宮通りルート」乗車、「朱雀門ひろば前」バス停下車、北に徒歩3分

・近鉄大和西大寺駅南口から「ぐるっとバス大宮通りルート」乗車、「朱雀門ひろば」バス停下車、北東にすぐ

近鉄大和西大寺駅から南東に徒歩15分

周辺のみどころ・観光スポット

第一次大極殿から南に徒歩10分、平城宮跡資料館から南東に徒歩10分、平城宮跡遺構展示館から南西に徒歩10分、第二次大極殿跡から南西に徒歩10分、宇奈多理坐高御魂神社から南西に徒歩12分

周辺地図