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【奈良・田原】美しい阿弥陀様のおられる「南田原磨崖仏(切りつけ地蔵)」ってどんなものなの?【石仏】

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ごあんない

のどかな農村、田原エリアの南部にひっそりと佇む石仏たち

南田原磨崖仏(切りつけ地蔵)は、奈良市街地の東側に広がる大和高原に位置するのどかな農村部、「田原エリア」の南側にある比較的大きな磨崖仏(石仏)です。

田原エリアの中心部から、田原エリアを南北に貫く2車線の道路沿いを南に進んでいった先にある磨崖仏は、案内板や賽銭箱も設置された小さな「観光名所」となっており、磨崖仏はかつて剣豪が剣の試し切りを行ったという言い伝えに基づき、またの名を「切り付け地蔵」とも呼ばれています。

中国「宋」にルーツを持つ石工による「阿弥陀如来」像は必見

磨崖仏は南側(右側)には像高170センチの弥勒菩薩立像が、北側(左側)には像高165センチの阿弥陀如来立像が刻まれており、阿弥陀如来の更に左側には、風化して見えにくくなった小さな「六地蔵」もかすかに見ることが出来ます。また、このうち阿弥陀如来立像に関しては、鎌倉時代の元徳3年(1331年)に東大寺の宗詮(そうせん)が願主となり、石工であり中国の宋から渡来した「伊行末」の系譜に位置づけられる「伊行恒(いのゆきつね)」が制作したものとなっています。実際に像の左右には詳細を示す刻銘がなされており、「元徳三年辛未五月日願主東大寺大法師定詮石大工行恒」と記されているほか、「一念弥陀仏即滅無量寿受現無比楽後生清浄土」との記述も見られます。

なお、制作された順序としては、伊行恒による阿弥陀如来の後に弥勒菩薩が、そして室町時代に六地蔵がつくられた形となっています。

南田原磨崖仏は、石仏ファンの中では比較的知名度が高い石仏として知られていますが、田原エリアの散策ルートからもやや外れた位置にあるために一般的な観光名所として認知されるには至っていません。しかしながら、特に阿弥陀如来の端正な姿は一度は見る価値のあるものですので、やや不便な場所とはなっていますが、田原エリアにお越しの際はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

南田原磨崖仏(切りつけ地蔵)の風景

道路沿いの木陰にひっそりと佇む南田原磨崖仏の石仏たち。奈良市内では、山間部であってもこのような石仏たちがあちこちに見られます。

南田原磨崖仏(切りつけ地蔵)

木彫りの像を彷彿とさせるほどの精巧さを感じさせる「伊行恒」による阿弥陀如来立像。左側には小さな六地蔵たちもわずかにその姿を留めています。

南田原磨崖仏の阿弥陀如来

南田原磨崖仏の弥勒菩薩

「切り付け地蔵」の名の通り、中央部に真一文字に「切り付け」られたかのような跡を持つ弥勒菩薩立像。こちらは伊行恒の作ではなく、阿弥陀如来と比較するとやや精巧さは欠ける印象ですが、こちらも農村の風景にぴったり合う温和な印象を感じさせる存在となっています。

南田原磨崖仏の案内板

アクセス

各駅からのアクセス

奈良交通バス

JR、近鉄奈良駅から「北野」・「下水間」行き乗車、「田原横田」下車、南に徒歩17分

※バス停近くの「田原」交差点から2車線の道路をひたすら南に進んで頂くと、山間部に本格的に入り始めるころに、道路の左側に磨崖仏が現れます。

※車によるアクセスの場合、公式的な駐車スペースはありませんが、磨崖仏の近くの路肩がやや広くなっているため、参拝の際のみ一時的に駐車させて頂くことは可能なようです。

近隣スポット

奈良市指定文化財松本邸から南東に徒歩17分、中之庄天神社・堂の杉から南西に徒歩18分、今井堂天満神社から南に徒歩30分、太安万侶の墓から南に徒歩30分、光仁天皇陵から南に徒歩35分、春日宮天皇陵から南東に徒歩40分

南田原磨崖仏(切りつけ地蔵)周辺地図

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